更新日:2020年6月26日(金)
6月25日時点でNY金の四半期平均価格は1722.3ドル。
過去、四半期平均価格で1700ドルを超えたのは意外にも2回だけ。1度めは2011年第3四半期の1703.6ドル。世界金融危機からの回復に向けて金価格が先行して上昇した時期。米国債の格下げをきっかけに8月に急騰、9月初旬には史上最高値となる1900ドル台を記録も9月後半には1600ドル台へ急落と乱高下状態。
比較的安定推移で1700ドル台をキープした翌年、2012年第4四半期平均の1719.7ドルが2度め。
しかし、今四半期はその過去2回を上回り、四半期平均価格としては過去最高値更新がほぼ確実な状況にもなってきました。
3月のコロナショックの乱高下を経て水準を切り上げた4月以降は概ね1700ドル台をキープしてきたようなイメージもあります。
6月末まで残り3営業日。万が一この3日間で100ドル急落した場合でも、2012年第4四半期平均を上回ることになります。
過去最高値を更新し、1700ドル台での足場固めが続くことになれば、年後半に向けてはさらに四半期平均価格の最高値更新への可能性も想定されそうです。
金価格上昇に寄与してきた金ETFを四半期増減量で見ると、SPDRゴールド・シェアの数値で今四半期は現時点で208トンの増加。2016年第1四半期の175トン増、2010年第2四半期の190トン増などを上回る急増となり、過去最大となった2009年第1四半期の347トン増に次いで過去2番めの急増となることが見込まれます。
なお、金価格の年間平均では今年、現時点で1653.3ドルとなり、過去最高値となった2012年の1670.4ドルには及ばず、現時点では過去2番めの高値。年後半の動向次第では、最高値更新という事態にも?
また、月間平均価格では、現時点で6月は1736.9ドル。2012年10月以来、7年8ヵ月ぶり高値となる見込み。月間平均で1730ドルを超えたのは、その2012年10月(1746)と9月(1751)、2012年2月(1745)、2011年11月(1737)、9月(1776)、8月(1757)の計6度。月間平均価格での最高値更新はまだハードルが高そうです。
25日のNY金相場は-4.5ドル、0.25%の小幅続落。感染再拡大を警戒しながらも追加の景気刺激策期待と景気回復への強気見通しを背景に下げ渋る米株動向をにらみながらの調整局面。しかし、前日の7年8ヵ月半ぶり高値1796ドルからの調整は1770ドル付近で小康状態となって下げ渋る様子も。時間外に小幅反発の場面では1780ドルの抵抗水準に上値を押さえられ、NY市場での安値も1760ドル半ばまでと限定的。テキサス州とフロリダ州では経済活動再開が一時停止され、失業保険申請件数も高止まりとなるなか、午後にはボルカー・ルールの緩和を好感して米株上昇も、NY金も引け後には1770ドル台半ばへと小幅に上昇。この日の変動値幅15.5ドルは今年の平均値幅35.5ドルの半分以下の小動き。目先は過熱感解消を含めた調整期間をはさみ、次週木曜日の雇用統計などをきっかけに再び動き出すような展開にも。下値サポート候補1750ドル台を下回った場合には1730ドルが比較的重要なサポート。1780ドルの抵抗水準上抜けの場合には1800ドルの大台トライへ。
NYプラチナは-1.9ドル、0.24%の小幅続落。前日の急落で下げ一服となり、800ドルの大台ラインをはさんでの小幅もみ合いで下げ渋り。NY市場では一時790ドルまで水準を切り下げる場面もありながら、午後から引けにかけては米株と金の反発基調に追随する展開となって一時810ドル付近まで反発。しかし前日下抜けたばかりの810ドルの節目は抵抗水準として作用する可能性もあり、レンジを拡大する逆ペナント型の保ち合いを上方向へと切り返すほどの勢いはまだなさそう。目先は下値目安770ドルに向けてもう一段安の可能性。
ドル円は10銭程度のドル高円安となって小幅に続伸。ECBがユーロ圏外の中銀への「予防的な」ユーロ流動性供給策として、新たなレポファシリティー「EUREP」を創設すると発表。これを受けて欧州時間からユーロ安ドル高が進行すると、ドル円も連れ高となってNY朝にかけて1週間ぶり高値となる107円40銭台まで上昇。しかし、107円半ばの節目水準を突破できずに上げ渋ると失業保険申請件数が予想以上に高止まりとなったことなど受けて急反落。NY午後には米株の反発基調も重石となって107円10銭台まで、ほぼ上に行って来いの展開に。引き続き106円台半ばから107円台半ばまでのレンジで保ち合い継続の様相に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/25終値とチャート
26日の国内金価格は+2円、0.03%の小幅高で5日続伸。3日連続で過去最高値を更新。5日続伸以上は6月初旬以来、3週間ぶりで今年4度め。5日連続で上げ幅も急縮小、2日連続で1桁台となって前日の5円からこの日は2円。今年の平均騰落値幅57円の28.5分の1。1月10日に前日から変わらずで0円となったのに続き今年2番めの小動き。NY金の下げ渋りに為替も下げ渋る展開となって下支え。5月高値(6603)から5月末安値(6428)までの161.8%戻し(6711)を短期上値目標としながらも、とても短期で届きそうな状況でもなく、しかし失速感の割には反落警戒感もやや限定的にも。雇用統計の翌日となる独立記念日、1週間後には目標到達か、あるいは大幅反落か、という展開にも。
週間ベースでは+143円、2.21%高となって3週ぶりの反発。4月6日からの週以来、11週ぶりの大幅高。
プラチナ価格は3日ぶりの反発で+1円、0.03%の小幅高。今年の平均騰落値幅50円の50分の1となり、3月4日の0円に次ぎ、4月2日と並んで今年2番めタイの小動き。NYプラチナの下値トライに向けた流れ一服に伴う下げ渋りとなり、NYプラチナが下げ再開となれば追随へ、2950円程度までの下落余地は継続。金との価格差は前日から1円拡大して3603円、過去最大となった5月15日の3605円に次いで過去2番めの水準。3600円前後の高値警戒水準での小康状態にもなり、反落(縮小)警戒感とともに価格の反発警戒感も。
週間ベースでは-12円、0.4%の小幅安で3週続落。
※参考:金プラチナ国内価格6/26とチャート
2020年6月26日(金)時点の相場
国内金:6,622 円 6/26(金) ▲2(0.03%)
国内プラチナ:3,019 円 6/26(金) ▲1(0.03%)
NY金:1,770.6 ドル 6/25(木) ▼4.5(0.25%)
NYプラチナ:802.7 ドル 6/25(木) ▼1.9(0.24%)
ドル円:107.18 円 6/25(木) ▲0.11(0.10%)
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