更新日:2020年8月25日(火)
7月のシカゴ連銀全米活動指数は+1.18。市場予想の+3.70程度を大きく下回り、6月の+5.33からは急低下。+-0ラインが過去の平均経済成長率を示すこの指標では、4月に-17.91ポイントと歴史的マイナス成長となり、5月(+4.24)、6月と過去最大の成長率となって急回復。V字回復の兆しとなっていましたが、その勢いは7月に急失速。
構成指数では、生産・所得は4月の過去最低-5.67から6月に過去最大の+2.21、7月には+1.09となって回復の勢いは半減。鉱工業生産が前月比での回復基調で6月から7月は半減した状態と同じ。
雇用・労働時間は4月の過去最低-8.68から6月には+1.94の過去最大、7月は+0.38と急ブレーキ。失業保険申請件数の減少ペースが7月に鈍化している状況に一致します。
個人消費・住宅は4月の過去最低-1.29から5月に過去最大+0.93、6月の+0.42を経て7月は+0.02。2ヵ月連続の急失速でマイナス圏も意識される水準。ミシガン大消費者信頼感指数が8年4ヵ月ぶり低水準に落ち込んだ4月から6月にかけていったん反発も7-8月に4月水準付近へ反落しているのに似たような状況。
売上・受注・在庫は4月の過去最低-2.27から5月に過去最大+0.78、6月も+0.77、7月は-0.31へとマイナス圏入りで平常時でもかなり低調なレベルへと低下。小売売上高が3-4月の前月比-8.2%、-14.7%と過去最大の落ち込みから5月には+18.3%の過去最大、6月は+8.4%、7月には+1.2%と平常時の好調レベルまで鈍化した状況に似ています。
夏場にかけて急回復基調が続いた米国経済は、ここに来てやや息切れ、一時的かどうかはまだわかりませんが、失速状態となっています。
ドル安基調にサポートされ続けてこの夏場に急騰を続けた金価格も、足下ではドル安の巻戻しによって失速状態となっています。
24日のNY金相場は-7.8ドル、0.4%の反落で7月27日(1931.0)以来、ほぼ1ヵ月ぶりの安値。時間外は米10年債利回り低下とユーロ高ドル安の流れに連れて堅調推移。1940ドル台から1950ドル台へと水準を切り上げ、NY朝には一時1970ドルまで急騰も、NY市場で流れは逆転。この日共和党大会で次期大統領候補に正式指名されたトランプ大統領が新型コロナウイルスのワクチンと治療薬の承認を通常よりも速いプロセスで行うことを検討していることなどが伝えられ、S&P500とナスダックは最高値更新、ダウも3日続伸で半年ぶり高値など株高の流れに米長期金利上昇とドル高も加わり、ユーロドルの反落とともに金も戻り売り、NY午後には先週末水準を下回る1940ドル割れ。保ち合い下放れの形となり、短期的には先週末安値1910ドル台半ば辺りまでを再度試しに行く可能性も。
NYプラチナは-1.6ドル、0.17%の小幅安で4日続落。金に連動する展開で時間外の反発局面では920ドル台からNY朝の940ドル台後半まで、20ドル強の急騰。急反落となったNY市場では午後までに920ドル半ばへと逆戻り。先週末の下ヒゲ陰線に続いて上ヒゲ陰線、調整局面からの下げ止まりの兆しも上値の重さも確認する格好に。920ドル台が目先のサポート候補にも、金の軟調推移が続けば下値目安900ドル前後を再度試しに行く可能性も。
ドル円は14銭、0.13%のドル高円安となって続伸。東京市場朝に105円90銭台まで上昇後には105円60銭台まで戻り売り、30銭程の値幅で保ち合い推移の展開となり、東京午後には上限へ、欧州時間にかけてはドル安の流れで下限へと反落、NY時間には株高の流れとともに金利上昇とドル高の流れで再び保ち合い上限へ。106円での抵抗感が強まりつつあった状態も、今朝の東京市場ではこれを上抜けの兆しも。目先、105円40銭から106円10銭までのレンジを上抜けることができれば、107円台前半を目標に上値トライの展開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/24終値とチャート
25日の国内金価格は-17円、0.24%の続落で7月27日(7137)以来、1ヵ月ぶりの安値水準に。週半ばまでは様子見状態の可能性はあっさりと裏切られ、7月末以降の下値サポート7200円近辺をわずかながらも下放れの形となり、早めのタイミングで下値トライ先行となる可能性。短期的な下値目安としては7150円近辺まで。切り返す展開となって7260円台の節目を超えることができれば反発局面形成で上値目標は7320円台辺りまで。
プラチナ価格は+36円、1.07%の上昇で4日ぶりの反発。直近の下値目安3430円近辺を突き抜けて行き過ぎたところからの巻戻し。今朝の時間外でNYプラチナがやや反発の動きとなっていることから、金価格と逆行する形に。金価格との相関性には波があり、逆相関が強まる時期もあるものの、現状は相関性が強いタイミングにあり、逆行状態は長続きしない可能性。下押し圧力がやや強まる状態の金に追随する展開となって3370円台の直近安値を下抜けるようだと一段安へ。その場合には7月末安値近辺、3330円近辺までが下値目安。
※参考:金プラチナ国内価格8/25とチャート
2020年8月25日(火)時点の相場
国内金:7,191 円 8/25(火) ▼17(0.24%)
国内プラチナ:3,415 円 8/25(火) ▲36(1.07%)
NY金:1,939.2 ドル 8/24(月) ▼7.8(0.40%)
NYプラチナ:924.5 ドル 8/24(月) ▼1.6(0.17%)
ドル円:105.96 円 8/24(月) ▲0.14(0.13%)
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