更新日:2020年12月24日(木)
PCEインフレ鈍化傾向は11月も続きます。先週のFOMCでは2020年末のPCEインフレ予想中央値は前年比+1.2%となっていましたが、今回商務省が発表した11月のPCEインフレは前年比+1.13%。市場予想の+1.2%を下回り、2ヵ月連続の低下で7月(+1.01)以来4ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEについてはFOMCでの年末予想+1.4%と市場予想にもほぼ一致、前年比+1.38%となりましたが、10月の+1.41%を微妙に下回って2ヵ月連続の低下で7月(+1.26)以来4ヵ月ぶりの低水準。
商品価格は10月の前年比-0.5%から11月は-0.4%とマイナス幅を縮小しましたが、3月以降9ヵ月連続の前年割れ。耐久財の価格は4ヵ月連続プラス圏を維持し、前月の+0.4%から+0.8%へと上昇しましたが、耐久財以外の価格は前年比-1.1%とマイナス幅を3ヵ月連続拡大、9ヵ月連続の前年割れ。
インフレ基調の牽引役、サービス価格は前年比+1.9%。3ヵ月ぶりに2.0%を割り込みました。エネルギー関連サービス価格が-9.9%となって2ヵ月連続の低下、9ヵ月連続の前年割れとなってインフレ鈍化を主導。
ダラス連銀が発表した11月のトリム平均PCE(PCE対象品目の上下一定割合を除外して算出)は、前年比+1.73%。2ヵ月連続の低下で2017年10月(+1.73)以来、3年1ヵ月ぶりの低水準。2018年以降のピーク水準+2.10%前後の水準からの乖離が進行しています。
クリーブランド連銀が発表した11月のメディアンPCE(PCE対象品目の価格変動分布の中央部分を対象に算出)は、前年比+2.19%。小幅に6ヵ月連続の低下、2018年4月(+2.18)以来2年7ヵ月ぶり低水準。近年のピーク水準+2.50%前後からは急速に低下傾向が進行中。
11月の個人消費支出と個人所得がともに予想以上の低下となったことも影響し、PCEインフレも押し下げた格好に。
3年後のコアPCEインフレ前年比+2%台の安定回復に向けては、1回めのインフレ鈍化の波が進行中、という状況です。
23日のNY金相場は+7.8ドル、0.42%高で4日ぶりの反発。ユーロドルの調整と米ドル反発局面一服、ドル安基調にサポートされての反発局面。NY朝には戻り売り優勢となって一時1860ドル付近まで売られる場面もあったものの、その後は切り返して1880ドル台前半まで上昇。英EU通商協議での大筋合意が伝えられてのポンド急騰や、米11月個人消費支出が前月比-0.4%と予想以上に低調となったことなどからドル安の流れが強まったことにもサポートされた様子。ただしNY午後にはクリスマスモードで1870ドル台半ばに収束、動意低下状態に。1870ドルが目先のサポートとなり、反発局面が強まりやすい状態での一服も。サポートを割れた場合には12月半ばの保ち合い水準、20日移動平均線(1846.1)なとも推移する1840ドル近辺までが下値目安に。上方向には90日移動平均線(1899.2)、1900ドルの節目を上抜けることができれば12月高値(1912.0)更新トライへ。
NYプラチナは+7.7ドル、0.76%高で4日ぶりの反発。1010ドルの節目割れに伴う下値トライへの流れは巻き戻し、12月に入って終値ベースで1000ドル超を維持してきた状態が崩れる可能性はいったん後退。1010ドルの節目をはさんでの小幅保ち合い推移が続いた状態から、NY市場では金にも連れて上方向に小幅上昇。ただし上値も限定的となり、今度は1020ドルをはさんでの小幅保ち合い推移でクリスマス休暇状態に。1000ドルの大台ラインが目先のサポートとなり、再度これを割り込むようだと990ドル程度までは水準を切り下げる可能性。反発への勢いにも乏しく、上方向には20日移動平均線(1020.4)が抵抗線にも。
ドル円は8銭ほどのドル安円高、0.08%安で4日ぶりの反落。この日の変動値幅は上下30銭に満たない小動きとなり、今年の平均71銭の半分以下。前日までのドル高の流れの巻き戻しが東京朝から欧州時間まで続き、103円60銭台から103円30銭台まで、ほぼこの日の高値から安値まで下落。103円台では底堅く推移後、NY市場では強弱混在の米指標にこの日の変動幅30銭弱をフルに使っての上下動。ただ、このところ低調だった失業保険申請件数の好結果や11月耐久財受注の上振れなどを好感する形でNY午後にかけてはドル高円安優勢の流れとなって103円60銭台の高値を何度も試す展開に。引き続き103円10銭から104円30銭までのレンジ内推移でクリスマス入り。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/23終値とチャート
24日の国内金価格は+31円、0.46%高で3日ぶりの反発。ゆるやかに上昇する9日移動平均線(6776)、一目均衡表の転換線(6763)などを上回る水準を維持し、一役好転状態もキープした状態で切り返す形となり、8月以降の下降チャネルを抜け出した流れもなんとか維持。6780円が目先の下値サポートとなり、割り込んでしまうと脱・下落トレンドへの流れは再び巻き戻し方向へ、12月半ばの安値水準6670円前後までが下値目安に。上方向に6860円の節目を突破できれば一段高の展開へ、年明けに6950円近辺まで低下する雲の下限との攻防へ。
プラチナ価格は+23円、0.63%の続伸。NYプラチナの下げ渋りにサポートされ、下値トライへの警戒感が強まった流れはいったん巻き戻し。ただしNYプラチナと同様に反発方向への勢いにも乏しく、3630円台のサポートを改めて割り込むようだと下値トライ再開、3500円の大台ライン付近を目指す流れとなる可能性も。逆にゆるやかに低下し始めた9日移動平均線(3687)や転換線(3687)を上抜けて三役好転を回復できれば徐々に流れも好転へ、3740円の節目も上抜けることができれば年明けには一段高の展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格12/24とチャート
2020年12月24日(木)時点の相場
国内金:6,811 円 12/24(木) ▲31(0.46%)
国内プラチナ:3,671 円 12/24(木) ▲23(0.63%)
NY金:1,878.1 ドル 12/23(水) ▲7.8(0.42%)
NYプラチナ:1,017.1 ドル 12/23(水) ▲7.7(0.76%)
ドル円:103.56 円 12/23(水) ▼0.08(0.08%)
Copyright(C) Let's GOLD