更新日:2021年3月10日(水)
NY連銀消費者調査でもインフレ期待は上昇傾向を強めています。2月調査で1年期待インフレ中央値は3.09%。1月の3.05%からも上昇し、4ヵ月続伸となって2014年7月(3.11)以来、6年7ヵ月ぶりの高水準。ミシガン大の2月調査でも1年インフレ期待は3.3%へと急騰し、2014年7月(3.3)以来、やはり6年7ヵ月ぶりの高水準となっていました。
消費者レベルでのインフレ加速への思惑は急速に高まっているようです。
一方で労働市場に関する意識はマチマチとなったようです。
・1年以内に失業の可能性があると考えている人の割合=14.24%。1年4ヵ月ぶり低水準となった1月の13.61%からは小幅上昇、警戒感はわずかに上昇。ただしピークとなった4月の20.93%を大幅に下回り、コロナ前の15前後や過去平均14.92%をわずかに下回る水準での推移。既に通常期のレベルを回復。
・自発的に離職を意識する人の割合=17.72%。過去最低となった1月の16.01%から4ヵ月ぶり高水準へと反発、やや楽観方向へ。ただしコロナ前と9月の20%超、過去平均20.9%をかなり下回る水準で停滞中。回復途上。
・1年後の米国の失業率が現在よりも高くなると予想する人の割合=39.12%。9ヵ月ぶり高水準となった1月の40.19%からは小幅に低下、改善方向。悪化ピークの50%前後を大きく下回るもコロナ前の34%台と長期平均37.2%を上回る水準で停滞。回復途上。
・失職後3ヵ月で新たな職を見つけられると考える人の割合=48.77%。6年10ヵ月ぶり低水準となった12月の46.24%から1月には49.47%(+3.23%)へと急騰、改善後の反動で2月は小幅に低下、見通しはやや悪化。コロナ前の58%超、過去平均54.39%を大きく下回る水準で停滞。
失業への警戒感は緩和された状態ながら、転職を意識するほど楽観的と考える人はまだ少なく、労働市場全体の環境、状況改善にはもう少し時間が必要との認識が強いようです。
9日のNY金相場は+38.9ドル、2.32%の大幅高となって5日ぶりの反発。上げ幅は今年の平均騰落値幅(絶対値)16.0ドルの2.4倍、2%超の上昇は1月4日(+51.5ドル、2.72%)以来2ヵ月ぶりで今年2度め。水準としては3月2日(1733.6)以来、1週間ぶりの水準を回復。米10年債利回りが1.59%台から1.53%台まで、ほぼ一方的に大幅調整となってドル高の巻き戻しも進行した流れを受け、売られ過ぎ状態からの反発局面を形成。前日NY市場でつけた今年安値1673.3ドルが当面の底値となる可能性も残してロンドン時間に1700ドルの大台を回復するとNY市場では1710ドル台後半まで上昇。急降下局面での抵抗線となっていた5日移動平均線(1702.0)もしっかりと上抜けて下げ止まりの兆しにも。依然として米長期金利とドル高動向次第の状況は続くものの、上方向への節目1730ドル台を超えることができれば一段高の展開となって1760ドル近辺までが視野に。
NYプラチナは+23.1ドル、2%の続伸。今年の平均騰落値幅(絶対値)23.8ドルとほぼ同等の上げ幅で3月3日(1181.8)以来、1週間ぶりの高値水準に。金の急騰に追随する形で時間外の1140ドル台からロンドン・NY市場では1170ドル台へと水準を切り上げて揉み合い状態に。2月後半の急落局面での抵抗線となってきた5日移動平均線(1154.6)も上抜けたことで地合い回復方向へ。目先、2月末の小幅保ち合い下限となった1180ドル台が次の抵抗水準候補にも、これを突破できれば1210ドル台の節目トライへ。これも上抜けできれば1240ドル近辺までが次の上値目標に。
ドル円は41銭のドル安円高、0.38%安となって5日ぶりの反落。東京朝には株高とともに円安ドル高の流れとなって一段高、6月8日(109.63)以来9ヵ月ぶり高値となる109円20銭台まで上昇。しかし、米10年債利回りが上昇一服となって低下基調を強めたことでドル高の流れも失速。徐々にドル円の下押し圧力が強まり、欧州時間にかけて109円を割れると108円50銭台まで一段安。NY時間の戻り局面では109円にわずかに届かず失速すると108円40銭台まで水準を切り下げる展開に、ただし今朝の東京市場では下げ渋って108円70銭台へ。109円ラインが目先の抵抗線となり、これをしっかり超えるようなら昨年3月高値から年初の安値までの76.4%戻しとなる109円50銭台が次の短期上値目標に。下値は5日移動平均線(108.16)がサポートに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/9終値とチャート
10日の国内金価格は+95円、1.47%の大幅反発。年初の1月5日(+184円、2.69%)以来2ヵ月ぶり、今年2番めの大幅高。今年の平均騰落値幅50円(絶対値)の1.9倍。安値圏での売り買い交錯状態での保ち合いから上抜ける形となり、9日移動平均線(6493)も上抜けて弱気のパーフェクトオーダー崩れ。もう一段の上昇への可能性も若干高まる状況にもなり、2月安値(6576)圏、6580円前後までが短期上値目標。なお、小さな逆三尊を形成しており、このネックライン超えに伴う上値目標としては6611円。ただし、これまで何度も上値を押さえられた21日移動平均線(6606)が攻防ラインにも。下方向には6440円台のサポートを割れると下値再トライへ、下値目安は6340円程度まで。
プラチナ価格は+99円、2.29%の大幅高で3日続伸。上げ幅としては今年の平均騰落値幅69円(絶対値)の1.4倍。下落基調の9日移動平均線(4393)を上抜けて短期トレンド回復方向へと動き出し、2月高値(4798)から3月安値(4207)の38.2%戻し(4433)付近に到達。戻り一服ともなりやすい状況ながら、右肩上がりの21日移動平均線(4486)を上抜けることができれば一段高の展開へも。そうなれば4550円近辺が上値目標、61.8%戻し(4572)も意識される展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格3/10とチャート
2021年3月10日(水)時点の相場
国内金:6,543 円 3/10(水) ▲95(1.47%)
国内プラチナ:4,430 円 3/10(水) ▲99(2.29%)
NY金:1,716.9 ドル 3/9(火) ▲38.9(2.32%)
NYプラチナ:1,175.4 ドル 3/9(火) ▲23.1(2.00%)
ドル円:108.52 円 3/9(火) ▼0.41(0.38%)
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