更新日:2021年4月15日(木)
米労働省が発表した3月の輸入物価指数は前年比+6.92%。3ヵ月連続で前年比プラス圏推移となり、4ヵ月続伸で2012年1月(+6.92%)以来、9年2ヵ月ぶりの高水準。なお、指数で見ると5ヵ月続伸の急騰局面を形成中。
原油価格上昇を背景に、エネルギー価格上昇で3月のCPIとPPIの急騰要因にもなっていた、という状況に。PPIは3月に前年比+4.23%で9年半ぶりの高水準となり、CPIも2年7ヵ月ぶりの高い伸びを示していました。
輸入物価指数も昨年4月は指数自体が3月よりもさらに低下し、4年1ヵ月ぶり低水準となっていました。前年比ベースの輸入物価インフレ率も次月、4月分ではさらに高騰する可能性もありそうです。
なお、CPIの指数も昨年3月よりも4月には一段と低下、PPIの指数も同様に昨年3月から4月には急低下。輸入物価も生産者物価も、消費者物価も次月、4月の前年比インフレ率は一段と高騰する確率は高そうです。
ただし、昨年5月には輸入物価と生産者物価の指数は4月からは上昇し始めます。唯一、消費者物価は5月にも小幅低下となって6月から上昇へ。
今年5月分の前年比インフレ率が4月と同等、あるいは上回るような結果となれば、消費者物価については6月以降も上昇傾向が続くようなら、「一時的なインフレ上振れ」に疑念を抱く必要性も考慮すべきかもしれません。
14日のNY金相場は-11.3ドル、0.65%の反落。前日終値近辺1740ドル台半ばを中心に小幅揉み合い推移の展開が続き、ロンドン時間には前日高値をわずかに上回って1750ドルにワンタッチ、これが上限となって上値の重さを確認するとNY市場ではリスク選好の株高の流れ、米10年債利回りも小幅に上昇した流れを受けて戻り売り、1730ドル台前半へと小幅に急反落。ドル高の巻き戻しがゆるやかに進行する一方、1.7%台で頭打ちとなった米10年債利回りが1.6%台では下げ渋る状態が続き、反発の兆しも見られたNY金の上値を押さえる構図にも。目先の抵抗水準は1750ドルに切り下がり、突破できれば今年高値(1962.5)から今年安値(1673.3)までの38.2%戻し(1783.8)が短期上値目標に。下方向には引き続き1730がサポート、割れると1700ドルの大台ライン付近までが短期下値目安に。
NYプラチナは+20.3ドル、1.75%高となって4日ぶりの反発。前日NY市場では下値サポートとなっていた1160ドルを割り込んだものの、NY引け後に1160ドル台を回復するとそのままゆるやかな反発基調を維持。ロンドン時間に1170ドルを回復するとNY市場にかけては1180ドルをはさんでの小幅揉み合いの展開に、一時前日高値をわずかに上回る1188ドルまで上昇。20日移動平均線(1193.4)も抵抗線として意識されて上値の重さも残るものの、とりあえずは二番底トライへの流れを回避。目先、2月につけた今年高値(1348.2)から3月安値(1110.0)までの38.2%戻し(1201.0)が反発への分岐点にも。これを超えることができれば上値トライ再開へも、届かずに反落するようなら戻り売り優勢の展開にも。1150ドル台の下値サポートを割れると改めて1110ドル台を下値目安に二番底トライの展開へ。
ドル円は11銭のドル安円高、0.1%の小幅安で3日続落。3月24日(108.74)以来、3週間ぶりのドル安円高水準でジリ安の展開となって下値目安108円近辺を目指す流れが進行中。ただし、前日の軟調な流れを受けて東京朝に108円70銭台まで下げたのがこの日の安値となり、下げ渋る展開に。しかし上値も重く、109円台を何度も試しながらも109円10銭には届かず。この日の変動値幅は35銭、今年の平均54銭の6割強の小動き。米10年債利回りの下げ渋りにサポートされる状態も、ゆっくりと進行するドル安の流れが重石に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/14終値とチャート
15日の国内金価格は-28円、0.42%の反落。水平状態の90日移動平均線(6690)上抜け再トライに失敗しての一段安で今年の抵抗線下抜け3日め、乖離率は-0.78%へと拡大。昨年8月来の中期下落トレンドからは脱したものの、今年3月からの短期上昇トレンドは崩れたまま、目先はもう一段の下落局面を形成しそうな状況にも。6640円の節目割れに伴う短期下値目安は6600円の大台ライン前後まで。上方向には6670円超へと切り返すことができれば起死回生の90日線再トライへ、3月来の上昇トレンド軌道復帰を目指す展開となって上値目標は6730円近辺まで。
プラチナ価格は+54円、1.22%高となって6日ぶりの反発。5日続落最終日の下げ幅を取り戻し、3月安値(4207)から4月高値(4734)までの半値戻し(4471)のオーバーランを解消。昨年11月から続いた中期上昇トレンドのサポートラインを大きく割り込んだ状態は変わらず、このライン回復に向けては早期に4600円超へと戻す必要もあり、苦しい展開。ただし、3月半ば以降は4400円近辺が下値サポートとなって今年高値圏での保ち合い形成の様相にもなりつつあり、これを維持できればいずれ上値再トライのチャンスも。目先、4420円の節目を割れると4380円近辺が下値目安となり、高値保ち合い崩れのピンチに。
※参考:金プラチナ国内価格4/15とチャート
2021年4月15日(木)時点の相場
国内金:6,638 円 4/15(木) ▼28(0.42%)
国内プラチナ:4,482 円 4/15(木) ▲54(1.22%)
NY金:1,736.3 ドル 4/14(水) ▼11.3(0.65%)
NYプラチナ:1,177.4 ドル 4/14(水) ▲20.3(1.75%)
ドル円:108.96 円 4/14(水) ▼0.11(0.10%)
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