更新日:2021年5月12日(水)
今週発表された4月のNY連銀消費者調査で1年期待インフレ中央値は3.36%。3月の3.24%から一段と上昇し、6ヵ月続伸となって2013年9月(3.37)以来、7年7ヵ月ぶりの高水準。3年期待インフレは3.10%となって3月の3.09%からはわずかに上昇。続伸で2014年7月(3.22)以来、6年9ヵ月ぶりの高水準。
ミシガン大の4月も3.4%となって3月の3.1%からは0.3ポイント上昇し、2012年8月(3.6)以来8年8ヵ月ぶり高水準となっていました。
市場が予想するインフレ見通しは4月に一段と上昇傾向となっています。
NY連銀調査で、1年先の商品価格変動予想では教育費が5.93%で2年ぶり高水準となり、家賃は9.49%となって5ヵ月続伸で過去最高(※調査データ2013年6月以降)となっています。
また、雇用情勢も回復基調が意識されています。
失業の可能性を意識する人の割合は過去3番めの低水準となった3月からは小幅上昇となったものの、自発的離職を考える人の割合は4月に19.11%へと急騰し、7ヵ月ぶりの高水準。
失職後3ヵ月で新たな職を見つけられると考える人の割合は49.82%へと上昇し、これも7ヵ月ぶり高水準。ただし過去平均54.28%と2020年2月までの58%台からは大きく下方乖離したまま。
1年後に米国の失業率が現在よりも上昇すると予想する人の割合は3月の34.42%から4月は34.59%へと小幅上昇。ただし、2020年2月(34.15)以来の低水準を維持し、過去平均37.15%も大きく下回る状態。
米労働省がこの日発表した月次求人労働異動調査でも、3月の求人件数は812.3万件となって過去最多を更新。前月比では7.93%の増加、前年同月比では40.80%の急増。前年比+40%は過去最大。昨年3月には前年比で21.32%の減少となっていたことからの反動で大幅増となっています。ちなみに昨年4月は前年比-36.2%で大底となった月。今年4月の求人件数も前年比では一段と増加することになりそうです。
同じカラクリで本日発表される4月の消費者物価指数も前年比での急騰が予想されています。急騰しないほうがおかしい状態でもあり、市場の過剰反応も警戒されそうです。
11日のNY金相場は-1.5ドル、0.08%の小幅安で5日ぶりの反落。1790ドル台の節目上抜けに伴う短期上値目標1830ドル台到達後の小幅調整。ロンドン時間にはドル安の流れを受けて1840ドル台前半まで小幅に上昇も、NY市場では米10年債利回り上昇とドル高の流れとなって戻り売り。サポートを形成しつつあった1830ドルを割り込んだことで急落の展開となり、一時1820ドル割れへと20ドル超の下落も下値サポート候補となっていた5日移動平均線(1821.0)にも支えられる形でNY午後には1830ドル台を回復。結果的には下ヒゲ十字線となって下げ渋る形も短期的には調整不足の感もあり、いったん頭打ちの展開も予想されるところ。引き続き5日線から1800ドル付近までの調整は十分想定可能か。
NYプラチナは-24.3ドル、1.92%の反落。1250ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1280ドル近辺到達後の調整。NY朝に金の急落に追随する展開となって下げ幅拡大、1250ドル台から一時1220ドル割れへと40ドル弱の急落。しかし、下値サポート候補と見られた20日移動平均線(1223.2)付近では下げ渋る形となってNY午後には1240ドル台を回復。下ヒゲ陰線となって高値圏での乱高下状態のなかでも下げ渋る状態を示す格好にも。再度1220ドル近辺までは下げやすく、上方向には1260ドル台の節目上抜けとなれば終値ベースでの今年高値(1293.1)更新トライへ。
ドル円は23銭のドル安円高、0.21%の反落。東京時間から欧州序盤にかけては108円90銭台を中心に小幅揉み合い推移、109円回復に失敗するとドイツの5月ZEW景況感指数が21年ぶり高水準となったことを受けてユーロが買われてドル安の流れとなり、108円30銭台まで下落。しかし108円台半ばを下回ると下げ渋り、NY時間には108円50銭台から60銭台へと買い戻し。20日移動平均線(108.65)にもサポートされる形となり、今朝の東京時間には106円70銭台へと反発基調。108円台後半が目先の主要レンジとなり、一時的な上振れが予想される米4月消費者物価指数が想定以上に上振れた場合には過剰反応も予想され、109円回復トライとなれば109円台半ばまでが短期上値目安に。逆の展開で108円台前半へと向かえば108円近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/11終値とチャート
12日の国内金価格は-5円、0.07%安となり、連休前の横ばい推移をはさんで8日ぶりの下落。調整必至の状況からの調整もかなり控えめ。3日前に上抜けた200日移動平均線(6884)辺りまでの調整は十分想定可能、少し勢いがつけば3月安値から5月高値の23.6%戻し(6852)近辺も。高止まり状態が続くようなら、逆に急落を警戒する必要も。中期的には今年高値更新なら逆三尊完成となって一段高への可能性が高まるのに対し、現状水準付近でピークアウトした場合には二番天井、ダブルトップ形成へと向かう可能性が浮上。この場合、3月安値(6413)がネックラインとなってこれを下抜けると完成。
プラチナ価格は-32円、0.68%の続落。それでも下値を切り上げる展開は続き、特に4月後半以降は9日移動平均線(4676)がサポートラインとなり、4月安値(4428)から5月高値(4750)までの23.6%戻し(4674)程度までの調整はトレンド継続でも想定範囲。これを超えるようだと短期トレンド転換への可能性も。切り返して5月高値更新なら今年高値更新トライへ。
※参考:金プラチナ国内価格5/12とチャート
2021年5月12日(水)時点の相場
国内金:6,983 円 5/12(水) ▼5(0.07%)
国内プラチナ:4,696 円 5/12(水) ▼32(0.68%)
NY金:1,836.1 ドル 5/11(火) ▼1.5(0.08%)
NYプラチナ:1,241.2 ドル 5/11(火) ▼24.3(1.92%)
ドル円:108.62 円 5/11(火) ▼0.23(0.21%)
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