更新日:2021年7月24日(土)
ユーロ圏総合PMIの7月速報値は60.6。6月の59.5から1.1ポイント上昇し、6ヵ月続伸となって21年ぶりの高水準。製造業PMIは62.6となり、4ヵ月連続で過去最高を更新した6月からは0.8ポイントの低下。4ヵ月ぶりの低水準となっても過去4番めの高水準。サービス業PMIは60.4で6月からは2.1ポイント上昇し、6ヵ月続伸となって15年1ヵ月ぶりの高水準。製造業が高止まり、サービス業が春先からの急回復で総合PMIを押し上げる構図が継続しています。
ワクチン接種拡大とともにコロナ感染防止のための規制緩和で需要が一段と高まり、生産が追い付かず記録的ペースで雇用を拡大するケースも多々見られるようです。
国別ではドイツの牽引役は継続、下から押し上げる構図となりつつあったフランスは失速。
ドイツの総合PMIは62.5となって6月から+2.4、3ヵ月続伸で調査開始の1998年以降で最高。製造業PMIが続伸で65.6となって3ヵ月ぶりの高水準、過去3番めの高水準へと再浮上。サービス業PMIは62.2で前月から+4.7ポイントの急騰で3ヵ月続伸、これも調査開始の1997年以降で最高を記録。
フランスは総合PMIが56.8となって前月比-0.6、3ヵ月ぶり低水準。製造業PMIは58.1で続落、5ヵ月ぶり低水準。サービス業PMIは57.0で前月から-0.8といずれも伸びは鈍化。
ECBがこの日発表した専門家調査での成長率見通しでも、今年は4.7%、来年も4.6%へと上方修正され、ユーロ圏の企業活動が順調に回復している状況が示されたようです。
対象的に米国では製造業PMIこそ過去最高更新となって加速基調を維持したものの、サービス業PMIは予想を大幅に下回る59.8となって6月からも-4.8ポイントの急失速。総合PMIも6月の63.7から7月速報では59.7へと-4.7の急ブレーキ。
ここに来てワクチン接種率も頭打ちとなり、デルタ株による感染再拡大と規制緩和の見直し、州によってはマスク規制解除の撤回など、回復基調には若干の先行き不安も漂い始めます。
ユーロ圏でも原材料不足や配送遅延、コスト上昇などが今後のリスクとして指摘されており、拡大を続けてきたワクチン接種率の頭打ちも今後予想され、米国に続いてサービス業から失速していくような状況も予想されそうです。
23日のNY金相場は-3.6ドル、0.2%の小反落。安値では短期下値サポート1800ドルの大台を3日連続、直近5日のうち4日下回りながらもNY市場では最終的に大台を維持する底堅さ。とは言え日々下値を切り下げる実質底割れ状態のようにも。時間外は1800ドル台での小幅保ち合いとなってロンドン序盤につけた高値も1810ドルまで、NY朝にかけて米10年債利回りがゆるやかに上昇し、米株主要3指数がまたしても揃って過去最高を更新するリスク選好の流れとなり、ドル高優勢の流れにもなって戻り売り。1800ドル割れへと急落すると安値では一時1790ドル割れ、ただし金利上昇とドル高の流れも限定的となり、NY午後にかけては1800ドル台回復へと帳尻合わせ。次週FOMC待ちの状態ながらも若干のタカ派傾斜を警戒し、大台維持できなくなった場合の短期下値目安1780ドル前後を既にトライし始めているような状態にも。勢い余って、あるいは想定以上のタカ派傾斜となれば6月安値圏1760ドル近辺を試しに行くような展開にも。
週間ベースでは-13.2ドル、0.73%安となって5週ぶりの反落。
NYプラチナは-29.2ドル、2.68%安となって3日ぶりの反落。前日までの2日間の反発基調はこの日の時間外序盤に4日ぶり高値となる1097ドルまで上昇して失速。1100ドルの大台ラインを超えられず、ゆるやかに上昇する200日移動平均線(1099.4)に上値を押さえられる形となり、戻り売りの流れはロンドン時間から加速。NY朝にかけて1070ドルを割れると下値サポート1060ドルも突き抜けて一段安、つけた安値は1042.2ドル。節目割れに伴う短期下値目安1040ドル近辺にも早々と到達してしまった格好となり、NY午後には自律反発で1060ドル近辺へ。終値ではなんとか1060ドル台へと帳尻を合わせた状態も、引け後にはわずかに再度節目割れの状態で越週。下方向には1040ドル近辺再トライの可能性と多少の行き過ぎで6月安値1020ドル近辺も意識され、勢い余れば1000ドルの大台割れも警戒される状況にも。上方向に1090ドルの節目と200日線を上抜けることができれば1120ドル近辺までが短期的な上値目安に。
週間ベースでは-47.1ドル、4.25%安で3週ぶりの反落。
ドル円は38銭のドル高円安、0.34%の反発。米株の最高値更新と長期金利の緩やかな上昇傾向でリスクオンの流れがNY朝の時間帯まで継続。この流れを受けてドル高円安の流れとなり、東京朝の安値110円00銭台でも前日安値は下回らず、4日連続下値切り上げとなって欧州時間からNY朝にかけて110円半ばへと上昇。7月初旬から上値を切り下げてきた流れを打開するための目安となる20日移動平均線(110.40)こそ上抜けたものの、上方向への短期的な節目、7月半ば高値110円70銭も意識され、110円60銭近辺で失速。FOMC前ではやむなしの状況も、流れは徐々にドル高円安方向へと傾斜中。節目上抜けとなれば今年高値更新トライへと向かい、111円80銭台までが短期上値目標に。
週間ベースでは+48銭、0.44%高で3週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/23終値とチャート
2021年7月24日(土)時点の相場
国内金:6,985 円 7/21(水) ▲4(0.06%)
国内プラチナ:4,123 円 7/21(水) ▼23(0.55%)
NY金:1,801.8 ドル 7/23(金) ▼3.6(0.20%)
NYプラチナ:1,061.4 ドル 7/23(金) ▼29.2(2.68%)
ドル円:110.55 円 7/23(金) ▲0.38(0.34%)
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