更新日:2021年8月13日(金)
米7月消費者物価指数(CPI)ではインフレ鈍化懸念から、ドル高の流れがいったんストップし、ドル売りがやや強まる場面もありました。その翌日、米7月生産者物価指数(PPI)ではインフレ鈍化懸念はなく、むしろインフレ圧力がさらに強まる状況も示され、一時的ながらもドル買い再燃となる場面も見られました。
米労働省発表の7月生産者物価(PPI)は前年比+7.77%。市場予想の+7.2%程度を大幅に上回り、6月の+7.31%からも一段と上昇。これで年初から7ヵ月続伸となり、直近4ヵ月は連続で過去最高を更新。なお、前月比でも+0.6%予想を上回る+1.0%で前月から変わらず、インフレ加速ペースは持続。
食品とエネルギー関連を除くコアPPIは前年比+6.23%。これも市場予想の+5.6%程度を大きく上回り、6月の+5.58%からも大幅上昇。これも7ヵ月続伸となり、5ヵ月連続での過去最高更新。前月比でも+0.5%予想の倍となる+1.0%は6月から変わらず。
さらに、貿易サービスも除いたコア指数(PPI2)では、前年比+6.12%となって6月の+5.51%からさらに加速。昨年5月に前年比-0.18%の過去最低を記録して以降、14ヵ月続伸となって足下では5ヵ月連続の過去最高。
コスト上昇と供給制限の問題が解消されないことから、生産者物価(PPI)においてはインフレ高騰状態が続きます。
ただし、供給制限もいずれ解消へと向かい、旺盛な需要もまもなく鈍化するだろうとの見方も強く、PPIのインフレ高騰状態もそのうち落ち着きを取り戻す可能性も高そうです。
12日のNY金相場は-1.5ドル、0.09%の小幅安となって3日ぶりの反落。1750ドル台前半で時間外をスタートし、ロンドン序盤にかけての反発基調再開の兆しでは1760ドルにわずかに届かず。失速後の流れでNY朝には失業保険の改善傾向持続と7月生産者物価(PPI)の上振れを受けて長期金利上昇とドル高に押されて1740ドル台前半まで下押し。しかし一時的にとどまってNY午後には1750ドル台を回復し、NY引け後には1750ドル台半ばに収束。急落後の反発局面は7月末高値(1837.5)から9日安値(1677.9)までの半値戻し(1757.7)を達成し、一服感も生じやすい1760ドル前後の水準で頭打ち、この日の変動値幅も17.0ドルと今年の平均26.9ドルの6割程にとどまる小動き。半値戻しの現状水準を突破できれば61.8%戻し(1776.5)から1780ドル近辺までが視野に。当面の下値サポートは1720ドル近辺、これを下回るようだと1700ドルの大台割れ再トライも。
NYプラチナは+2.1ドル、0.21%の小幅高で3日続伸。金に連れての反発局面一服状態、時間外は1015ドル付近から10ドル程の調整となってロンドン市場にかけては1010ドルを挟んでの保ち合い推移。下げ渋って大台割れを回避するとNY市場では一時1020ドル台まで反発。しかし7月高値(1145.2)から9日安値(954.0)までの38.2%戻し(1027.0)には少し届かず失速すると1010ドル台半ばへ。この日の変動値幅は19.0ドルにとどまり、今年の平均37.0ドルのほぼ半分。38.2%ラインを上抜けできれば50%戻し(1049.6)から1050ドル近辺が意識され、下方向には引き続き1000ドルの大台が比較的重要なサポートに。
ドル円は前日から変わらず110円40銭台での横ばい推移。5連騰後に7月CPIでのインフレ失速感から上値トライ一服後、PPIでのインフレ高騰持続で下値を支えられる形となって下げ渋り。しかし前日安値110円30銭台がこの日も安値となり、NY朝のPPI発表後の小幅急騰でつけた高値も110円50銭台までと限定的。この日の変動値幅は23銭程度にとどまり、今年の平均55銭程度の4割、今年3番めの小動き。上値トライへの流れ一服となっての小休止状態が続くも、いったん上値を押さえられた110円台半ばから60銭を上抜けできれば上昇基調再開で今年高値再トライへ。上抜けできなければ徐々に流れも反転方向へ、110円の節目を割り込むようなら即反転。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/12終値とチャート
13日の国内金価格は-12円、0.18%の反落。7月高値(7048)から8月安値(6710)までの23.6%戻し(6790)を達成したところで一服。ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(6959)を21日移動平均線(6945)が下抜け、並びだけでは弱気のパーフェクトオーダーを完成。急降下中の9日移動平均線(6873)が間もなく到達することになる38.2%戻し(6839)を早期達成し、局面打開を図りたいところ。
週間ベースでは-162円、2.33%の続落。下落率では今年4番めの大幅安。
プラチナ価格は-13円、0.33%安で3日ぶりの反落。9日移動平均線(3944)上抜けをなんとか維持し、弱気のパーフェクトオーダーからの脱却状態も維持。5月以降の下落トレンドは継続しており、足下の反発局面でもう一段上値を伸ばすことができればトレンド好転に向けて流れが変わり始めることにも。4000円の大台、7月高値からの38.2%戻し(4016)回復が目安にも。
週間ベースでは+86円、2.23%高で4週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格8/13とチャート
2021年8月13日(金)時点の相場
国内金:6,795 円 8/13(金) ▼12(0.18%)
国内プラチナ:3,951 円 8/13(金) ▼13(0.33%)
NY金:1,751.8 ドル 8/12(木) ▼1.5(0.09%)
NYプラチナ:1,017.7 ドル 8/12(木) ▲2.1(0.21%)
ドル円:110.43 円 8/12(木) +-0.00(0.00%)
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