更新日:2021年9月2日(木)
IHSマークイット発表の製造業PMIでは、米国が7月に63.4となって62.8のユーロ圏を5ヵ月ぶりに上回っていましたが、8月は米国が61.1へと急失速、ユーロ圏の61.4を再び下回りました。
8月の製造業PMIは世界的にも減速傾向となったなかで、英国も60.3、日本は52.7と大幅下方乖離状態が続き、軟調推移の中国は遂に1年4ヵ月ぶりに節目50割れ。
ユーロ圏製造業PMIは速報値から0.1ポイント下方改定され、2ヵ月連続の低下とはなりましたが、依然として60ポイント台の高水準。直近6ヵ月、半年間60超を維持し、節目50超は14ヵ月連続となっています。
世界の主要国のなかで8月製造業PMIでユーロ圏を上回ったのは、オランダ、アイルランド、ドイツ、オーストリア。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2021年8月>
1:オランダ=65.8=3ヵ月連続過去最高の5月から3ヵ月続落。前月比-1.6で5ヵ月ぶり低水準、13ヵ月連続50超、6ヵ月連続60超。4月から5ヵ月連続1位。
2:アイルランド=62.8=2ヵ月連続過去最高の5月から3ヵ月続落、前月比-0.5で4ヵ月ぶり低水準。15ヵ月連続50以上、5ヵ月連続60超。4月から4-4-4-4-2位。
3:ドイツ=62.6=前月比-3.3で半年ぶり低水準。14ヵ月連続50超、7ヵ月連続60超。4月から2-3-3-2-3位。
4:オーストリア=61.8=3ヵ月連続過去最高の6月から続落、前月比-2.1で半年ぶり低水準。14ヵ月連続50超、6ヵ月連続60超。4月から3-2-2-3-4位。
5:イタリア=60.9=前月比+0.6で2ヵ月ぶり高水準。14ヵ月連続50超、5ヵ月連続60超。4月から5ヵ月連続5位。
6:スペイン=59.5=前月比+0.5で2ヵ月ぶり高水準。7ヵ月連続50超。4月から7-7-6-6-6位。
7:ギリシャ=59.3=前月比+1.9で21年4ヵ月ぶり高水準。6ヵ月連続50超。6ヵ月連続最下位から7ヵ月ぶりの7位。
8:フランス=57.5=前月比-0.5で3ヵ月続落、半年ぶり低水準。9ヵ月連続50超。4月から6-6-7-7-8位。
世界の主要国のなかでユーロ圏を上回ったのは、ユーロ圏のみ、という結果となりました。
そのなかでもユーロ圏の数値を上回った上位4カ国は全て低下傾向。ユーロ圏を下回った下位4カ国中3カ国は8月に反発、結果的にユーロ圏内格差縮小となりながらも上位国の低下幅が大きく、ユーロ圏の数値を押し下げました。
ユーロ圏の数値を下回りながら8月に唯一反発できなかったフランスは減速傾向が続き、高水準を維持するユーロ圏内では遂に最下位。
1日のNY金相場は-2.1ドル、0.12%の小反落。雇用統計を控えて1810ドルから1820ドルまでの小幅レンジをほぼ維持する形で揉み合い推移。しかし、NY朝には米8月ADP雇用の想定外の大幅下振れを受けて米長期金利急低下とドル安が進行したことに連れてレンジ上限を突破。ただし前月のこともあり、慎重姿勢となった高値は1822.7ドルまで。案の定、その後の警戒指標、8月ISM製造業景況指数は想定外に前月からも上昇する好結果となり、安値では1810.6ドルまで下落。しかしレンジ下限でも底堅く、200日移動平均線(1811.2)にもサポートされる形となり、NY午後には1810ドル台半ばへと反発、収束。この日の変動値幅は12.1ドルにとどまり、今年の平均26.3ドルの半分以下、今年6番めの小動き。引き続き小幅保ち合いレンジを維持し、前月の二の舞を警戒しながらの週末雇用統計待ちへ。上方ブレイクなら短期上値目標は7月高値(1837.5)付近、1840ドル近辺まで。下方ブレイクなら短期下値目標は8月後半安値圏1780ドル台まで。
NYプラチナは-14.5ドル、1.43%の反落。時間外は1010ドル台からロンドン時間にかけては1000ドル台へと小幅に水準を切り下げる形となっての保ち合い推移、NY朝には米指標発表を受けての乱高下、ADP後の金上昇に追随すると1015ドルの高値まで上昇、ISM後の金の反落に追随すると一時994ドル割れ。自律反発局面では一時的に大台回復もこれを維持できず、レジスタンスへと切り替わる可能性への警戒感とともに990ドル台後半での小動き。970ドルから1020ドルまでの広めの保ち合いレンジ上限付近での上値の重さを露呈、1000ドルの大台維持にも失敗し、20日移動平均線(999.4)にサポートされるかどうかも微妙な展開に。レンジ上限1020ドルでの抵抗感が増す形となり、逆に突破できた場合の反発力も増す可能性。上値目標は1060ドル台辺りまで。
ドル円は5銭程度のドル高円安、0.05%の小幅高で3日続伸。東京朝には米10年債利回り上昇と株高の流れにも連れて110円20銭台まで上昇。上方向への抵抗水準となる110円10銭台を突破したこともあり、東京午後から欧州朝にかけては円安の流れで110円40銭台まで一段高。しかし、雇用統計前にさらなる上値追いは控える形となって110円30銭近辺での保ち合い推移となってNY時間へ。2ヵ月連続でのADP雇用統計の大幅下振れには急落の反応となって110円割れへ、109円80銭台まで下落したところで8月ISM製造業景況指数の好結果を受けて下げ渋り。ただし反発も110円10銭近辺までにとどまり、今朝の東京市場では再び110円割れを試す展開も。週末の雇用統計次第でボラティリティ急拡大への可能性も残しながら、下値サポートを109円80銭へと切り上げ、110円10銭台までの小幅保ち合いレンジを形成。あらためて上抜けなら8月高値110円80銭の上値目標トライへ、下限を割れると8月安値圏109円前後までが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/1終値とチャート
2日の国内金価格は+6円、0.09%の小幅続伸。7月30日(7023)以来1ヵ月ぶり高値圏でゆるやかに上昇する90日移動平均線(6996)にサポートされての堅調推移、も徐々に失速感も。7000円台の節目上抜けに伴う短期上値目標7050円近辺に到達する為には、週末の雇用統計が想定以上の好結果とはならないことが必須。反落の展開となって6980円の節目を割れると一定の調整局面形成へ、8月末押し目水準6920円近辺までが短期下値目安に。
プラチナ価格は-60円、1.53%の反落。波乱の米指標結果を受けて乱高下となったNYプラチナの今朝の時間外での軟調推移を反映するように、上値トライに向けて動き出したかにも見えた国内プラチナ価格も巻き戻しの展開。3870円台の重要な節目を若干ながらも割り込んでしまったことから、もう一段の下値トライを試しに行く可能性が急浮上。タイミング的には週末の雇用統計を待つ必要もあり、その結果次第では今朝の動きがダマシに終わり、保ち合い継続中のレンジ幅拡大局面の一部としてやり過ごす可能性も。そうならなければ8月安値3740円台までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格9/2とチャート
2021年9月2日(木)時点の相場
国内金:7,012 円 9/2(木) ▲6(0.09%)
国内プラチナ:3,864 円 9/2(木) ▼60(1.53%)
NY金:1,816.0 ドル 9/1(水) ▼2.1(0.12%)
NYプラチナ:999.6 ドル 9/1(水) ▼14.5(1.43%)
ドル円:110.04 円 9/1(水) ▲0.05(0.05%)
Copyright(C) Let's GOLD