更新日:2021年9月23日(木)
現状維持を決定した9月FOMCの声明文では「想定通りに経済進展が続けば、資産購入ペース減速が近いうちに正当化される可能性」を指摘。パウエルFRB議長会見では「テーパリングは利上げ時期を示す直接的なシグナルではない」とあらためて釘を刺しながらも、「雇用統計が順調なら11月FOMCでテーパリング発表の可能性」を明言。
事前想定どおり、テーパリングは年内スタートの可能性が高いことを確認。
ドットチャートでは、2021年の金利据え置き満場一致は前回と変わらず。
2022年は0.00-0.25%(中央値0.125)据え置き支持9名(前回11名)、0.25-0.50%(中央値0.375)へ0.25%×1回の利上げ支持6名(前回5名)、0.50-0.75%(中央値0.625)へ0.25%×2回の利上げ支持3名(前回2名)。
多数決なら据え置き。据え置きか、利上げかの選択肢で多数決なら同点。中央値では0.25%。通常の0.25%利上げ1回の場合の0.375%には届かないものの、据え置きでもない為、切り上げて1回の利上げ。
中央値で見れば、前回6月は「2022年末まで実質ゼロ金利維持、利上げスタートは2023年でこの年2回の利上げ」。今回9月は「2021年末までゼロ金利維持、利上げスタートは2022年、2023年末までに合計3回の利上げ」がFOMCのコンセンサス、ということに。
そもそも2年後のFF金利見通しが当たるほうが珍しく、今回もどちらかといえば後ズレする可能性も高いのではないかとも推察されるドットチャート。それでも市場の拠り所はこれしかなく、この見通しが前回よりも若干タカ派寄りに傾斜したことから、ドル買い金売りの流れがゆっくりと進行し始めているようです。
22日のNY金相場は+0.6ドル、0.03%の小幅高で3日続伸。9月15日(1794.8)以来1週間ぶりの高値。中国恒大集団のデフォルト懸念は23日の利払い実施報道で緩和され、ドル高と株高の流れがゆるやかに進行した時間外。それでもFOMC直前とあってNY金は1770ドル台を維持して1780ドル近辺までの小幅レンジで静かに揉み合い推移。NY引け後のFOMC結果を受けて乱高下、1770ドルまで下げて1780ドル台後半まで切り返す展開となった後は、パウエルFRB議長会見を経て急反落。安値では1760ドル台半ばまで下げて引け後の時間外では1760ドル台後半で小康状態に。結果的に利上げ見通しが若干タカ派傾斜となったことで軟調気味の展開に。1770ドルが目先の抵抗水準となりつつあり、1750ドルが当面の下値サポート、割れると1730ドル前後までの一段安へ。
NYプラチナは+50.3ドル、5.29%の大幅続伸。2日連続50ドル超、5%超の急騰で9月3日(1021.6)以来、20日ぶりの高値で1000ドルの大台を回復。大台回復も3日以来。株高の流れに連れての堅調推移は続き、ロンドン市場で960ドル台を回復するとNY市場で一段高、2000ドル台を回復したパラジウムの急騰にも連れてNY午後には1000ドル台へ。しかしFOMC後の小幅乱高下を経てNY金が反落した流れに連れると大台割れ。引け後の時間外では大台ラインが抵抗ライン化の兆しにも。8月の保ち合い下限付近、970ドル近辺が下値サポート候補にも。
ドル円は60銭程のドル高円安、0.54%高となって3日ぶりの反発。東京朝の時間帯に中国恒大集団の23日の利払い実施報道を受けて109円10銭台の安値から109円40銭台まで急騰。欧州時間にかけて109円60銭近辺までジリ高推移となった後、FOMC待ちモードに切り替わって109円50銭台を中心に小幅保ち合い推移で小康状態に。前回よりはタカ派的となったFOMC後には一時109円90銭近辺まで上昇。その後も109円80銭台を維持して徐々に上値トライ再開の様相にも。前日に下方向への節目109円30銭を割り込んで下値トライへの流れが進行する可能性もあった状態は早々に切り返し、目先は109円20銭から110円ちょうどまでを主要レンジに徐々に上値トライをうかがう展開にも。110円超へと抜け出せば上値再トライ、111円台後半へと今年高値更新トライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/22終値とチャート
2021年9月23日(木)時点の相場
国内金:6,806 円 9/22(水) ▲19(0.28%)
国内プラチナ:3,637 円 9/22(水) ▲101(2.86%)
NY金:1,778.8 ドル 9/22(水) ▲0.6(0.03%)
NYプラチナ:1,001.1 ドル 9/22(水) ▲50.3(5.29%)
ドル円:109.81 円 9/22(水) ▲0.59(0.54%)
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