更新日:2021年9月30日(木)
欧州委員会が発表した9月のユーロ圏景況感指数は117.8となり、市場予想を上回って前月からも予想外の反発。過去最高となった7月(119.0)から8月(117.6)は7ヵ月ぶりの反落となり、ユーロ圏主要4カ国も揃って低下し、失速感も鮮明となっていた状態から、予想外の下げ渋り。
業種別では製造業が小幅上昇で回復基調維持を示したものの、サービス業と小売は失速。それでも建設業とともに消費者信頼感指数が反発し、雇用期待指数も続伸で3年ぶり高水準へと急騰し、景況感指数を下支えした格好に。
主要4カ国では、ドイツが118.0となってユーロ圏最高、前月比+0.8の小反発で2ヵ月ぶりに過去最高を更新。イタリアが116.8で続き、前月比-0.9で21年ぶり高水準となった7月から続落、4ヵ月ぶり低水準。フランスは111.1、前月比-1.3で20年ぶり高水準となった7月から続落、4ヵ月ぶり低水準。スペインは109.4、前月比+1.4の反発で3年3ヵ月ぶり高水準。
ビッグ4以外でドイツの指数を上回った国はなし、ドイツ未満、スペイン以上は9カ国。
ルクセンブルグ=117.9、21年4ヵ月ぶりの高水準となった前月から-5.5で5ヵ月ぶり低水準。
オーストリア=117.4、前月比-4.3(※下落幅最大)で3ヵ月続落、5ヵ月ぶり低水準。
フィンランド=116.8、前月比+0.7の続伸で21年ぶり高水準。
アイルランド=113.8、前月比+0.3、2ヵ月ぶり高水準。
ベルギー=113.5、前月比-3.1で続落、6ヵ月ぶり低水準。
マルタ=111.5、前月比-4.1で2ヵ月ぶり低水準。
オランダ=111.0、前月比+0.6で3ヵ月ぶりの小反発。
エストニア=110.6へ反発、前月比+3.6(※上昇幅最大)で14年3ヵ月ぶり高水準。
ギリシャ=109.7、1年半ぶり高水準となった前月から-3.3。
スペイン未満は6カ国。
ポルトガル=107.1、前月比+0.8で3ヵ月続伸。
リトアニア=106.5、前月比-1.6で13年半ぶり高水準となった5月から低下基調。
キプロス=104.4、前月比-0.5で2ヵ月ぶり低水準。
スロベニア=102.7、前月比-0.8で4ヵ月続落で6ヵ月ぶり低水準。
ラトビア=99.8、前月比-2.1で3ヵ月続落、6ヵ月ぶり100割れ。
スロバキア=96.2、前月比+0.4の小反発も3ヵ月連続100割れ。
ユーロ圏全19カ国で前月から上昇したのは8カ国(8月は6)。ビッグ4を含む経済規模上位8カ国全てが前月比マイナスとなった8月から、9月は唯一、過去最高を更新したドイツの他、スペイン、オランダ、アイルランドの4カ国が上昇し、ユーロ圏を牽引。
29日のNY金相場は-14.6ドル、0.84%の続落で終値ベースでは3月31日(1715.6)以来、半年ぶりの安値。前日には1.5%台半ばまで上昇していた米10年債利回りが反落した流れに連れ、この日の時間外は反発基調。短期下値目安1730ドル前後までしっかり下げた達成感からの自律反発の流れもサポートされ、NY朝までに1740ドル台半ばまで上昇。しかし、一服状態となりつつあったドル高の流れもロンドン時間以降徐々に再開、NY市場では1.5%割れで反発した米10年債利回りにも追随する形でドル高の勢いが再加速。ドルインデックスは1年ぶり高水準へと急騰、ユーロドルが1年2ヵ月ぶり低水準へと急落した流れにも連れ、戻り売りとなったNY金は1730ドル割れへと急落。一時1720ドル付近まで下げてNY引け後には1730ドル台へと反発の兆しも。短期的には一服感も生じやすい状況ながら、次週雇用統計までの一連の米経済指標なども都合良く材料視されてドル高の流れがさらに行き過ぎへと向かう可能性も警戒され、引き続き1700ドルの大台近辺から8月安値と今年安値1670ドル台辺りまでが下値警戒水準に。
NYプラチナは-14.9ドル、1.55%の続落で9月20日(899.2)以来、1週間ぶりの安値。時間外は960ドル台半ばで下げ渋り、20日移動平均線(965.9)を何度も超えて反発の動きも970ドル台では上値が重く、NY市場で力尽きるとNY金にも連れる形で950ドル割れへと急反落。一時940ドル付近まで下げた後は940ドル台前半で下げ渋る格好にもなってNY引け後には950ドルを回復。940ドル台は9月半ばまでサポートから保ち合い、抵抗水準へと節目となってきた水準でもあり、今回も下値サポートとして作用する可能性も。下落基調が続く20日移動平均線(965.9)が目先の抵抗水準候補となり、これを上抜けることができれば1000ドルの節目再トライをうかがう展開にも。
ドル円は47銭のドル高円安、0.42%高となって6日続伸。6日以上の続伸は3月以来、半年ぶりで今年3度め。水準としては今年高値を更新し、昨年コロナショック前の高値2月20日(112.07)以来、1年7ヵ月ぶりのドル高円安水準。110円ちょうどの節目を上抜けたのが23日、そこから1週間コンスタントにドル高円安基調が進行し、短期上値目標111円60銭台の今年高値更新を達成。プラスアルファで昨年高値圏112円前後までの一段高も達成したことになり、とりあえずは上値トライ一服、もしくはいったん調整局面形成への可能性はかなり高まる状態にも。ただし、ドルインデックスで見た場合の上値余地、ユーロドルで見た場合の下値余地はまだ残されているようにも見え、ドル高に牽引されての行き過ぎの目安としては2019年高値圏112円台半ば辺りまでが意識される可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/29終値とチャート
30日の国内金価格は-5円、0.07%の小幅続落。NY金の一段安を円安でカバーする、最近ではやや珍しくなっていたパターンで下支えされ、6770円台から6830円までの保ち合いレンジを維持。引き続きドル高もしくは米長期金利上昇への警戒感によるNY金の下方リスクが燻る一方で、ドル円には上値トライ一服感も漂い始める状況から、短期的には下値切り上げ中の国内金価格にも下値警戒感再燃の兆しも。6770円台を割り込むようなら一段安の展開で8月安値更新トライへ、6700円近辺までが下値目安に。
月間ベースでは-199円、2.85%の続落。下落率では6月(-6.73%)に次いで今年2番めの大幅安。
プラチナ価格は-45円、1.19%安で3日続落。22日(3637)以来、1週間ぶりの安値。反発しそうでできず、逆に一段安となったNYプラチナが足を引っ張る形で国内価格の反発基調の重石に。今朝の時間外でもNYプラチナは反発の兆しとなってはいるものの、これが続くかどうか。NYプラチナにとってはNY金の軟調地合いが足枷に。現状水準付近で切り返すことができれば3810円の節目を超えて3850円台辺りまでの一段高へのイメージも湧きやすいところ。
月間では-146円、3.76%安となって5ヵ月続落。5ヵ月続落は2018年8月以来、3年1ヵ月ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格9/30とチャート
2021年9月30日(木)時点の相場
国内金:6,786 円 9/30(木) ▼5(0.07%)
国内プラチナ:3,732 円 9/30(木) ▼45(1.19%)
NY金:1,722.9 ドル 9/29(水) ▼14.6(0.84%)
NYプラチナ:947.0 ドル 9/29(水) ▼14.9(1.55%)
ドル円:111.98 円 9/29(水) ▲0.47(0.42%)
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