更新日:2021年11月19日(金)
週初に発表されたNY連銀に続き、フィラデルフィア連銀でも11月の製造業景況指数は予想外に好調、インフレ指標も高止まり、となっています。
11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は39.0。市場予想の24.0を大幅に上回り、10月の23.8からも急騰。4月(50.2)以来、7ヵ月ぶりの高水準。
新規受注が47.4となって続伸で10月の30.8からは急騰。1973年3月(56.2)以来、48年8ヵ月ぶりで過去2番めの高水準となって総合指数を押し上げました。
仕入価格指数は80.0となって6月(80.7)以来5ヵ月ぶり、1979年7月以降の42年間では2番めの高水準。
販売価格も62.9で10月の51.1から急騰、1974年6月(63.4)以来、47年5ヵ月ぶりで過去3番めの高水準。
なお、期待指数は28.5となって10月の24.2からは上昇も今年前半の50-60台からは大幅に低下。
仕入価格見通しは63.9で10月の64.1からは小幅低下も、4-6月の70ドル前後に次ぐ高水準での推移。販売価格見通しも59.4となり、今年春以降の60前後の高水準を維持。
米国を代表する2つの主要地区連銀で、予想外に旺盛な需要に支えられて好調を維持しながらも、インフレ関連指標は高騰、インフレ見通しも高止まりとなって今後の景況感見通しとしては冴えない状態となりつつあります。
18日のNY金相場は-8.8ドル、0.47%の反落。前日高値1870ドル再トライからスタートした時間外は1873ドルまで上昇も1870ドル台を維持できず、1860ドル台での推移。ロンドン市場での上値再トライも1870ドル超えは一時的にとどまり、NY市場にかけては米10年債利回りの上昇傾向にも押されて軟調気味に。米失業保険申請件数は市場予想を上回ったものの減少傾向を維持し、フィラデルフィア連銀製造業景況指数は予想を大幅に上回る好結果となったこともあり、若干の乱高下もはさみながら1860ドル付近へ。上値トライへの勢いは失速し、目先は1850ドルから1870ドルまでの小幅保ち合い状態に。上限をしっかり超えることができれば上値トライ再開で6月高値圏1900ドルの大台までが短期上値目標に。下限割れの場合には調整局面入り、9月高値圏1830ドル近辺までが下値目標に。
NYプラチナは-12.7ドル、1.19%安で3日続落。11月5日(1035.8)以来、2週間ぶりの安値。時間外は1060ドル台半ばを中心に小幅保ち合い推移となり、NY市場では1080ドルにワンタッチして戻り売り、一時1050ドル割れへと30ドル超の急反落。乱高下を経てNY午後には1060ドル台へと戻し切れず、1050ドル台半ばへと収束。短期的には高値保ち合い下限1080ドル割れに伴う調整目安1060ドル近辺までしっかりと水準を切り下げ、9月安値(892.6)から11月高値(1113.1)までの23.6%戻し(1061.1)も達成。20日移動平均線(1054.0)にもサポートされる形にもなり、いったんは落ち着きやすい状況にも。一段安警戒水準としては38.2%戻し(1028.9)近辺まで。
ドル円は14銭のドル高円安、0.12%の小反発。前日の軟調な流れを受け、東京朝には日経平均の下落にも連れて113円80銭台まで下落。前日安値をわずかに下回ったところでは下げ止まり、短時間で114円台を回復。午後には政府の経済対策報道を受けての日経平均上昇に連れて114円20銭台まで小幅に急騰する場面も。114円10銭近辺での小康状態となったロンドン時間を経て、NY時間にはフィラデルフィア連銀製造業景況指数の好結果などを受けて114円40銭台まで上昇。しかし米10年債利回り低下と米株安の流れにも連れて急失速、NY午後には114円10銭台から20銭台までの小幅保ち合い推移。上値トライ失敗後も水平状態の20日移動平均線(113.85)に下値を支えられつつあり、114円近辺が明確に下値サポートとなって114円90銭の上限までのレンジで保ち合い形成となれば、上値再トライのチャンスをうかがう展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/18終値とチャート
19日の国内金価格は-25円、0.33%安となって11営業日ぶりの反落。NY金の反落分をドル円の小反発でカバーし切れず、ようやく調整の動きもかなり控えめ。もう一段の調整の場合、9日線(7406.3)が上昇してくる7410円台辺りまでが浅めの目安に。NY金が高値保ち合い崩れとなった場合には9月安値(6764)から11月高値(7483)の23.6%戻し(7313)近辺まで。11月高値更新の場合には7530円近辺までが短期上値目安に。
週間ベースでは+9円、0.12%の小幅続伸。
プラチナ価格は-6円、0.14%の小幅安で3日続落。短期上昇トレンド崩れから調整局面入りへと短期的な流れは逆転し始めた様子にも。ただしNYプラチナと同様、一定の調整幅をこなしたことでいったんは下げ止まりやすい状況にも。4200円近辺は今年前半高値圏と後半10月までの安値圏との分断ラインとなり、サポートにもレジスタンスにもなってきた重要な節目水準。ここでサポートされると年末に向けては今年高値圏へと切り返し、まずは今年ここまでの年間平均4226円近辺超えが目先の課題。
週間ベースでは-110円、2.55%安で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格11/19とチャート
2021年11月19日(金)時点の相場
国内金:7,458 円 11/19(金) ▼25(0.33%)
国内プラチナ:4,210 円 11/19(金) ▼6(0.14%)
NY金:1,861.4 ドル 11/18(木) ▼8.8(0.47%)
NYプラチナ:1,056.4 ドル 11/18(木) ▼12.7(1.19%)
ドル円:114.24 円 11/18(木) ▲0.14(0.12%)
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