更新日:2021年12月3日(金)
新規失業保険申請件数は11月20日までの週で19.4万件となり、1969年10月4日までの週(19.7)以来、52年と1ヵ月半ぶりの低水準。瞬間最大風速としてはコロナ前の水準を回復したと言っても過言ではない状況に。ただし、11月27日までの週には22.2万件となって若干増加。
トレンドを見るためにも4週移動平均で比較すると、コロナ前の22万件に対して、11月27日までの週時点では23.875万件。ここまで8週連続の低下となって減少基調が順調に続くも、コロナ前との差は18750件。
4週移動平均の前週比を10週平均で見ると-9700件、このペースを維持できた場合、4週移動平均でコロナ前の状態に100%回復するまでの所要期間は2週間弱。
多少の誤差があっても早ければ年内、遅くとも年明け早々にも、新規失業保険申請件数は4週移動平均でもコロナ前を100%回復することになりそうです。
同様に失業保険継続受給者数を見ると、4週移動平均ではコロナ前の170万人に対して最新週、11月20日までの週では208万4250人。その差は38万4250人。
4週移動平均の前週比を10週平均で見ると-7万1375件、このペースを維持できた場合、4週移動平均でコロナ前の状態を100%回復するまでの所要期間は5.4週。
多少の誤差があっても年明け早々、遅くとも1月末から2月にかけて100%回復となる可能性は高そうです。
失業保険申請状況に限れば、アトランタ連銀のボスティック総裁が主張する「2022年第1四半期末までにテーパリングを終了して、利上げに備える」環境は十分に整うことにもなりそうです。
2日のNY金相場は-21.6ドル、1.21%の反落で10月12日(1759.3)以来、1ヵ月半ぶりの安値。時間外スタート時点での1780ドル台半ばが高値となり、米10年債利回り上昇とドル高優勢の流れに押されて軟調な展開に。ロンドン時間には一時1770ドル割れもNY朝には1780ドル台へと反発、しかし失業保険申請件数が予想よりも好結果となって失速。アトランタ連銀ボスティック総裁が「2022年第1四半期末までにテーパリング終了、年末までに2回の利上げ」を支持し、サンフランシスコ連銀デイリー総裁も「テーパリング加速」支持発言、さらにはクオールズFRB理事も「テーパリング終了時期前倒し」を支持するなどタカ派発言も相次ぎ、1760ドル台へと急反落。NY引け後には一時1760ドル付近まで下げて1770ドルまで反発。1770ドルの節目割れに伴い、11月安値1758.5ドル、8月安値(1677.9)から11月高値(1879.5)までの61.8%戻し(1754.9)など、下値目安1750ドル台まで若干の下値余地も残しての自律反発状態。雇用統計が想定以上の好結果なら多少の行き過ぎも含めて下方リスク再燃、それほどでもなければ反発方向へも。1790ドルが当面の上値抵抗、上抜けると10月後半と11月末保ち合い高値圏1810ドルまでが上値目標に。
NYプラチナは-2.1ドル、0.22%の小反落。時間外は930ドルをはさんでの揉み合いから徐々に戻り基調へ、NY朝には940ドルを回復も失業保険申請件数の好結果を受けての株高の流れとFRB高官の相次ぐタカ派発言を受けての金の急落などに振り回されての乱高下。一時940ドル台後半まで急騰後には930ドル割れへと小幅に急反落、NY午後にかけては930ドル台前半を中心に小幅保ち合いへ。920ドル台が下値サポートとして機能し始めた様子も、上値は940ドル台に抵抗感、その上には960ドル台が当面の抵抗水準。920ドル台の下値サポートを割れるようだと更に一段安の展開へ、当面の下値目安は9月安値圏900ドルの大台ライン前後まで。
ドル円は40銭のドル高円安、0.35%高となって3日ぶりの反発。前日NY終盤からの反発基調となった東京・欧州時間には米10年債利回りの上昇基調にも連れ、112円80銭近辺から113円30銭台まで上昇。欧州・NY朝にかけては巻き戻しの展開となって112円70銭台まで反落。しかし、新規失業保険申請件数は好結果となり、複数のFRB高官によるタカ派発言もあり、NY午後にかけては113円20銭台へと再浮上。短期下値目安112円80銭前後に到達し、30日安値では一時112円50銭近辺まで下落し、9月安値(109.11)から11月高値(115.52)までの半値戻し(112.32)もほぼ達成した状態となり、最近の雇用指標好結果の流れで11月雇用統計も好結果となれば、もう一段の反発基調が進行しやすくなる状況にも。20日移動平均線(113.97)から114円近辺が当面の抵抗水準候補、下方向には112円70銭を割れると112円割れへと一段安の展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/2終値とチャート
3日の国内金価格は-37円、0.52%の反落。10月13日(7004)以来、ほぼ2ヵ月ぶりの安値水準となり、9月安値(6764)から11月高値(7483)までの61.8%戻し(7039)も達成。9月高値(7033)付近にも到達し、ゆるやかな上昇軌道を維持する90日移動平均線(7029)の少し手前で下げ止まるにも都合の良い水準。しかし、雇用統計直前という微妙なタイミングでは上下双方向にブレやすい展開に。想定以上に強ければタカ派推進派の勢いが強まり、7100円の重要な節目割れに伴う短期下値目安6980円台を目指す流れ加速へ。
週間ベースでは-200円、2.76%の続落。先週(-222円、2.98%)に続き、今年5番めの急落。
プラチナ価格は前日から変わらず。5日続落後に下げ止まりか、一段安かの逡巡状態に。RSIの4.8%は昨年3月のコロナショック時をも下回り、2019年5月21日、過去最長の15日続落で0%(20日時点で0%)となった時以来、2年半ぶりで限界水準付近。雇用統計後にNYプラチナが一段安へと向かった場合の下値目安は3600円の大台ライン近辺まで。
週間ベースでは-276円、6.91%の大幅安で3週続落。下落幅としては3月1日からの週(-296円、6.57%)以来9ヵ月ぶり、下落率では2020年9月21日からの週(-298円、8.61%)以来、1年2ヵ月ぶりの急落。
※参考:金プラチナ国内価格12/3とチャート
2021年12月3日(金)時点の相場
国内金:7,036 円 12/3(金) ▼37(0.52%)
国内プラチナ:3,717 円 12/3(金) +-0(0.00%)
NY金:1,762.7 ドル 12/2(木) ▼21.6(1.21%)
NYプラチナ:933.1 ドル 12/2(木) ▼2.1(0.22%)
ドル円:113.19 円 12/2(木) ▲0.40(0.35%)
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