更新日:2022年1月6日(木)
ADPの民間雇用者数の伸びは12月に前月比+80.9万人となって市場予想の倍増。5月(+88.2)以来、7ヵ月ぶりの高水準。3ヵ月移動平均でも+62.5万人となり、7月(64.8)以来5ヵ月ぶりの高水準。
このうち、サービス業が+66.9万人で6月(+68.4)以来、半年ぶりの高水準の伸び。製造業では+13.8万人となって昨年9月(+20.6)以来、1年3ヵ月ぶりの高水準。
オミクロン株によるコロナ感染の再爆発による影響も警戒され始めた時期にも関わらず、米雇用情勢の強さが象徴される結果に。今後は多少の減速も予想されるものの、12月雇用統計でもそれなりの好結果も予想されることにも。
さらには、この日公表されたFOMC議事要旨で示唆された早期利上げ開始とバランスシート縮小の早期着手を支持するFOMCメンバへの支援材料となる可能性も。
2020年2月を基準とした場合、2020年4月のADP雇用者数が-1959.6万人となった状態からの回復率としては、12月時点で80.9%まで回復。
100%回復までには、残り373.5万人。3ヵ月平均60万人ペースで今後も増加し続けた場合の所要期間は6ヵ月余り。100%回復は今年7月。
同様の計算で、既に10月に回復率80%に達していた雇用統計のNFPは11月時点で残り390万人。3ヵ月平均+37万人ペースでの100%回復見込み時期は今年10月。
雇用者数ベースで見た場合の100%回復は早くで年央から秋頃、ただし、状況変化等を考慮して100%回復に満たなくても完全雇用の回復とFRBがみなせば、年央にもその水準となる可能性もありそうです。
そうなれば、年後半の利上げフェーズ入りは濃厚となり、今後はそれが、どれだけ前倒しとなるかが焦点にも。
5日のNY金相場は+10.5ドル、0.58%の続伸で昨年末高値となった12月31日(1828.6)以来の高値。時間外序盤は1810ドル台半ばでの小幅揉み合い推移、ロンドン市場では徐々に反発基調再開となって1820ドル台へ。NY市場ではADP雇用の大幅上振れを受けて瞬間的には下落で反応、しかしFOMC議事要旨や週末の雇用統計を控えて米長期金利や為替の反応が極めて限定的となったこともあり、鬼の居ぬ間にとばかりに急反発。1810ドル台半ばで切り替えして1830ドル近辺へと上昇、しかし保ち合いレンジ上限を超えてさらに上値を試す程の勢いもなく、1820ドル台半ばへと戻してNY引け。その後FOMC議事要旨では、早期利上げとともにバランスシート縮小早期着手の可能性も示唆されたことで米株とともに急反落、1820ドルを割れると一時1810ドル割れへと一段安。結果的に1800ドルから1830ドルの保ち合い上抜けには失敗、雇用情勢の好調持続とFRBのタカ派姿勢を確認して下振れ警戒感が若干高まる状況で雇用統計待ちへ。下限割れなら昨年秋以降の重要な下値サポート水準1760ドル近辺トライへ。
NYプラチナは+30.7ドル、3.16%の続伸で11月22日(1015.1)以来、1ヵ月半ぶりの高値で大台を回復。ただし、その時間は極わずか。NY金に追随する展開となって時間外には970ドル近辺での小幅保ち合いからロンドン市場で980ドルの保ち合い上限トライへ、NY市場でこれを突破すると990ドル台半ばへと一段高。NY午後には1000ドルの大台を超えて一時1005ドル付近まで上昇。980ドルの節目超えに伴う短期上値目標1010ドル近辺にも急接近したところで失速すると、FOMC議事要旨を受けての米株とNY金の急反落に引っ張られる形で990ドル割れへ。上抜けたばかりの980ドルの節目がサポートに切り替わる形でこれを維持できれば、再度大台回復トライをうかがう展開にも。
ドル円はわずかに3銭程のドル安円高、0.03%安となって6日ぶりの小反落。5年ぶり高値へと急騰した前日の勢いは一服、東京市場朝の116円20銭台が高値となっての調整の展開へ。東京午後には116円ラインで下げ渋る形での揉み合いも、欧州時間にはユーロドルの反発基調にも連れて軟調推移、116円割れの場合の調整目安115円台半ば(11月末安値から1月高値の23.6%戻し=115.45)付近となる115円60銭近辺で下げ渋るとNY朝からは自律反発。ADP雇用の大幅上振れを受けて115円90銭台まで小幅に急騰も、ほぼ無反応の米長期金利にも連れる形で急失速、しかし、115円60銭台で再び下値を支えられるとNY午後には116円近辺まで回復。タカ派的なFOMC議事要旨後には一時116円20銭近辺まで小幅急騰。今朝の東京市場では株安にも連れて再び116円割れの場面も。調整終了も示唆するような下ヒゲ十字線を形成しての高止まり、週末の雇用統計次第では一段高の展開となり、中期的な上値目安117円台後半を目指す流れ再開へも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/5終値とチャート
6日の国内金価格は-26円、0.35%安で5營業日ぶりの反落。米国の雇用情勢とFRBのタカ派姿勢を再確認する形で週末の雇用統計への警戒感が高まる状況に。雇用統計でもポジティブ・サプライズとなってNY金が1800ドルを割れて下値トライへと向かう展開となった場合には、ドル高円安で相殺し切れない可能性が高く、やや大幅調整にも。12月安値(7036)から1月高値(7388)までの38.2%戻し(7254)近辺から、50%戻し(7212)近辺、7200円の大台ライン近辺までが下値警戒水準にも。予想外の結果で7390円超へと切り返す展開となった場合には7430円程度までの上値余地も。
プラチナ価格は+34円、0.86%高で6日続伸。6日続伸以上は昨年3月以来、10ヵ月ぶり。昨年は計3回、2020年は4回。水準としては11月26日(3993)以来、6週間ぶりの高値。12月初旬から20日頃までは3700円前後を保ち合い下限とした鍋底を形成し、底打ち反発の流れが年末・年始にかけてスタート。11月高値から12月安値の38.2%戻し(3933)を超えての一段高となり、次に意識される水準は半値戻し(4007)と4000円の大台回復。下値サポート候補は38.2%戻し近辺。
※参考:金プラチナ国内価格1/6とチャート
2022年1月6日(木)時点の相場
国内金:7,362 円 1/6(木) ▼26(0.35%)
国内プラチナ:3,968 円 1/6(木) ▲34(0.86%)
NY金:1,825.1 ドル 1/5(水) ▲10.5(0.58%)
NYプラチナ:1,001.9 ドル 1/5(水) ▲30.7(3.16%)
ドル円:116.11 円 1/5(水) ▼0.03(0.03%)
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