更新日:2022年1月14日(金)
減速の兆しが見られなかった前日の米12月消費者物価(CPI)に対して、生産者物価(PPI)はようやく一服の兆しも。
米労働省が発表した12月のPPIは前年比+9.68%。市場予想の+9.8%程度を下回り、11月(9.62%から9.81%へと上方改定)からも小幅に低下。昨年12月以来、1年ぶりの減速となり、9ヵ月ぶりに過去最高更新もストップ。
食品とエネルギー関連を除いたコアPPIは前年比+8.32%。市場予想の+8.0%程度を上回り、11月から0.4%上昇。2ヵ月連続の過去最高、10ヵ月で8回めの過去最高更新となってこちらは上げ止まらず。
食品とエネルギー関連に貿易サービスも除いたコアPPIでは前年比+6.86%。11月の過去最高からは-0.04%とわずかに低下。11月までは9ヵ月で7回の過去最高更新となっていた勢いも一服の兆しに。
コストプッシュという側面では、これまでのインフレ高騰は減速の兆しとなり、PPIとCPIとの差も2.64%となって11月の3.00%からは0.36%の低下。9ヵ月連続2%以上の高水準は維持しているものの、5ヵ月ぶりの低水準と減速気味に。今後、消費者物価への価格転嫁の勢いも緩和される可能性も示唆。
それでも、ここまで高騰し過ぎたインフレが今後一段と緩和され、適正水準まで低下するにはそれなりの時間と対応が必要にも。
この日はブレイナード次期FRB副議長がインフレ抑制に意欲を示し、3月利上げも辞さない構えを見せた他、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁も今年「3回の利上げ予想、4回となる可能性も」とタカ派姿勢、シカゴ連銀エバンス総裁も「インフレ改善しなければ年4回の利上げ」との見解。
CMEフェドウォッチの3月利上げは83.1%へと一段高、3月利上げがほぼ既定路線化する状況にも。
13日のNY金相場は-5.9ドル、0.32%安となって5日ぶりの反落。1820ドル台での小幅保ち合い推移となった時間外は前日高値をにわずかに上回る場面もありながら、強めの抵抗水準1830ドルラインにしっかり上値を押さえられて前日までの上昇基調一服。ロンドン時間から調整の展開へ、1820ドル近辺では下げ渋る動きもNY市場では1810ドル付近まで軟調推移。ただし米10年債利回りが一時1.7%割れを試す低下基調となったことにも支えられ、NY午後には1820ドル台へと反発。この日はブレイナードFRB理事が副議長指名承認公聴会で、インフレ抑制最優先として3月利上げの可能性も示唆。1780ドル台から1830ドルまでのレンジ上限付近で3月利上げをかなり織り込んだ状態での下げ渋り。早期上限ブレイクは難しそうにも見えるものの、下値が限定的となっていずれそうなった場合には、11月高値水準1870ドル近辺を目指す展開にも。
NYプラチナは-7.9ドル、0.81%安で3日ぶりの反落。前日NY市場で何度もトライして跳ね返された980ドルラインが目先の抵抗線となり、この日は980ドル手前でしっかり上値を押さえられて小幅揉み合い推移からやや調整の動きに。ロンドン時間には一時970ドル割れ、NY市場では上値も970ドル台後半から前半へと小幅に切り下げ、下値は一時960ドル付近まで下げる場面も。それでもゆるやかに上昇する20日移動平均線(960.7)に下値を支えられて下ヒゲを残す底堅さも。980ドルの抵抗線を上抜けることができれば大台回復と今年高値更新トライへ、1020ドル程度までが短期上値目標に。
ドル円は47銭のドル安円高、0.41%の続落で12月22日(114.11)以来、3週間ぶりのドル安円高水準。東京朝の114円70銭近辺が高値となり、欧州時間にかけては揉み合いながらも少しづつ水準を切り下げる展開に。NY市場では朝から米10年債利回りが低下基調となり、新規失業保険申請件数が低調となってドル安も急進。114円40銭を割れるとNY午後には114円まで軟調推移。11月安値から1月高値までの半値戻し(114.44)を割れて61.8%戻し(113.99)をほぼ達成。しかし、今朝の東京市場では株安にも連れて113円80銭台へと一段安の兆しにも。次の下値サポート113円50銭は比較的重要な節目となり、これを割り込むようだと調整の範囲を超えて下落局面がもう一段進行する可能性、11月安値112円50銭台までの全戻しトライへ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/13終値とチャート
14日の国内金価格は-46円、0.63%の続落。上昇基調を維持する9日移動平均線(7311)を割り込んで3週間ぶりに強気のパーフェクトオーダー崩れとなったものの、直近安値1月7日の7280円割れは回避し、三角保ち合いの下値サポートライン付近で下げ渋り。これを維持できなくなれば、短期上昇トレンドは腰折れとなって調整局面入りへ、21日移動平均線(7213)から7220円近辺までが短期下値目安に。逆に7370円超へ、三角保合い上方ブレイクへと切り返すことができれば上値トライ再開へ、7450円近辺までを目指す流れにも。
週間ベースでは+11円、0.15%の小幅高となって5週続伸。5週続伸以上は5月以来、8ヵ月ぶり。
プラチナ価格は-45円、1.15%の続落。90日移動平均線(3915)と9日移動平均線(3899)をまとめて下抜け、反発方向への流れに急ブレーキ。それでも三角保合いを示唆する形で下げ渋る可能性も。9日線と90日線を再び上抜けて3925円超へと切り返すことができれば反発基調再開へ、4000円近辺までが短期上値目標に。下方向へは3840円を割れると一段安へ、3800円の大台を割れて3780円程度までが下値目安に。
週間ベースでは-36円、0.92%の反落。
※参考:金プラチナ国内価格1/14とチャート
2022年1月14日(金)時点の相場
国内金:7,291 円 1/14(金) ▼46(0.63%)
国内プラチナ:3,878 円 1/14(金) ▼45(1.15%)
NY金:1,821.4 ドル 1/13(木) ▼5.9(0.32%)
NYプラチナ:972.2 ドル 1/13(木) ▼7.9(0.81%)
ドル円:114.16 円 1/13(木) ▼0.47(0.41%)
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