更新日:2022年4月5日(火)
欧州連合(EU)は4日、キーウ近郊での民間人への残虐行為の責任はロシアにあるとする声明を発表し、新たなロシア制裁を協議することも発表。
先週末発表された3月のユーロ圏製造業PMIは56.5となって続落。拡大と縮小の節目50を21ヵ月連続で上回りながらも、1年2ヵ月ぶりの低水準となり、ロシア・リスクが影響し始めている兆候も。
国別では調査対象8カ国中、6カ国が2月から低下。そのうち5カ国が前月比-2ポイント超の急低下。4カ国が1年超ぶりの低水準となっています。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2022年3月>
1:アイルランド=59.4=前月比+1.6で2ヵ月ぶり高水準。22ヵ月連続節目50超。11月から3-5-4-5-1位。
2:オーストリア=59.3=前月比+0.9で2ヵ月ぶり高水準。50超は21ヵ月連続。11月から5-3-1-3-2位。
3:オランダ=58.4=前月比-2.2で1年3ヵ月ぶり低水準。3ヵ月ぶり60割れ、50超は20ヵ月連続。11ヵ月から2-4-2-1-3位。
4:ドイツ=56.9=前月比-1.5で続落、1年6ヵ月ぶり低水準。21ヵ月連続50超。11月から6-6-3-2-4位。
5:イタリア=55.8=前月比-2.5で1年2ヵ月ぶり低水準。50超は21ヵ月連続。11月から1-1-5-4-5位。
6:フランス=54.7=前月比-2.5で反落、5ヵ月ぶり低水準。16ヵ月連続50超。11月から8-8-8-7-6位。
7:ギリシャ=54.6=前月比-3.2で3ヵ月続落、11ヵ月ぶり低水準。13ヵ月連続50超。11月から4-2-6-6-7位。
8:スペイン=54.2=前月比-2.7で反落、13ヵ月ぶり低水準。14ヵ月連続50超。11月から7-7-7-8-8位。
前月から順位が変わらないのは最下位のスペインのみ。全般低調となったなかでのシャッフル状態で「北高南低」のリスクフォーメーションに。
ロシア産エネルギーへの依存度が高いドイツは、今後さらなる減速が警戒される状況となり、各方面からロシアからのガス・石油供給が止まれば「ドイツ経済は深刻なリセッションに陥る」との見方が多数指摘されており、ランキングの大幅変動とともにユーロ圏の指数低下が一段と進行することも警戒されます。
合わせてユーロ安・ドル高のもう一段の進行も警戒されそうです。
4日のNY金相場は+10.3ドル、0.54%の反発。週明け時間外は1920ドル台後半での小幅保ち合いから、一時的に1920ドルをわずかに割れて切り返し、ロンドン・NY市場にかけては1930ドル台へと水準を切り上げての保ち合い推移。ウクライナ・キーウ近郊での残虐行為が報道されたことを受け、停戦協議への影響も懸念されてリスク回避ムードがやや強まったことなども材料視された様子。ウクライナ情勢の先行き不透明感とともに、引き続き米国の逆イールドへの警戒感と利上げ加速観測などが交錯する状態から売り買い圧力も拮抗。保ち合い下限を1920ドルへと僅かに切り上げて1950ドル台までのレンジでの横ばい推移も継続。下方ブレイクとなれば2月半ばの小幅保ち合い水準1860ドル台までが下値目安に、上方ブレイクなら2000ドルの大台再トライの可能性。
NYプラチナは+2.4ドル、0.24%の小幅高で3日ぶりの反発。990ドルを挟んでの小幅保ち合いで週明け時間外をスタート、ロンドン序盤には一時1000ドルの大台超えも、直近1週間のレジスタンスとなっている90日移動平均線(1005.0)にも届かず失速、NY朝には一時980ドル台前半まで下げて反発。NY引けにかけては990ドル近辺に収束し、方向感喪失状態に。この日の変動値幅は18.4ドルに留まり、今年の平均34.8ドルの半分余り、今年4番めタイの小動き。引き続き970ドル台から1000ドルの大台までのレンジで保ち合い、90日線を含めて上方ブレイクできれば短期上値目標は1030ドル近辺。下方ブレイクなら12月安値から3月高値の76.4%戻し(959.4)近辺再トライ。
ドル円は18銭のドル高円安、0.15%の続伸。この日の変動値幅は70銭程に留まり、今年の平均82銭を若干下回る程度。それでも3月21日(42銭)以来、2週間ぶりの小動きとなり、月末月初にかけての高ボラ状態から少し落ち着きを取り戻した状態に。東京朝には一時122円20銭台まで売られる場面もあったものの、午前中のうちに122円70銭台を回復すると欧州時間にかけては122円60銭台を中心に保ち合い推移。NY市場では一時123円手前まで上昇も、先週末高値123円ラインに抵抗感も。今朝の東京市場では黒田日銀総裁の為替急変動を嗜める発言を受けて122円80銭台から122円30銭台まで急落する場面も。円安牽制ではないにもかかわらず過敏な反応となったのは市場の警戒感を示唆し、円安基調の減速にも。引き続き121円60銭から124円までの高値保ち合いレンジを維持してもう一段の過熱感解消フェーズにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/4終値とチャート
5日の国内金価格は+56円、0.68%の反発で3月29日(8335)以来、1週間ぶりの高値。小幅保ち合いレンジ上限8300円を上抜け、上昇軌道を維持する9日移動平均線(8315)も再び上抜けて強気相場再開へ。目先、8370円程度までの上昇余地拡大も。NY金が保ち合い上抜けなら一段高へ、最高値を更新して高値目安の2番め、8440円台までが上値目標にも。下方向へ8260円を割れると巻き戻しの展開へ、8170円台辺りまでの調整も。
プラチナ価格は+21円、0.5%の続伸。3月高値(4678)から3月安値(4099)の23.6%戻し(4286)にも届かない水準での低迷が続く軟調局面。38.2%戻し(4320)を回復できれば4350円台の節目との攻防も意識され、上値トライ再開への望みも。下方向へは4180円を割れると一段安へ、4130円程度までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格4/5とチャート
2022年4月5日(火)時点の相場
国内金:8,325 円 4/5(火) ▲56(0.68%)
国内プラチナ:4,218 円 4/5(火) ▲21(0.50%)
NY金:1,934.0 ドル 4/4(月) ▲10.3(0.54%)
NYプラチナ:991.0 ドル 4/4(月) ▲2.4(0.24%)
ドル円:122.75 円 4/4(月) ▲0.18(0.15%)
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