更新日:2022年8月24日(水)
ユーロ圏総合PMIの8月速報値は49.2となって想定どおり2ヵ月連続の節目50割れ。市場予想の48.9程度を上回ったことから、むしろ想定ほど悪化しなかったことが想定外。対して米国ではサービス業PMIが44.1。想定外の2ヵ月連続節目50割れ、総合PMIも49.2となって2ヵ月連続の節目割れ。サービス業、総合ともにコロナ後最低となって2020年5月以来、2年3ヵ月ぶりの低水準。
米国では7月も50割れとなってネガティブ・サプライズの反応となったものの、より注目度の高いISM非製造業景況指数が予想外の好結果となっており、今回もISMの結果によりいっそう注目が高まりそうです。
ユーロ圏では低迷状態が続き、総合PMIではフランスが4ヵ月続落で1年半ぶりの節目50割れ、ドイツは6ヵ月続落となって2ヵ月連続節50割れ、2020年6月以来2年2ヵ月ぶりの低水準。
この結果ユーロ圏も4ヵ月続落で1年半ぶりの低水準。
なお、ユーロ圏のサービス業PMIは50.2となり、4ヵ月続落で昨年3月(49.6)以来1年5ヵ月ぶり低水準ながらも節目50割れはギリギリ回避。
製造業PMIは49.7。7ヵ月続落で2ヵ月連続50割れ、2020年6月以来2年2ヵ月ぶりの低水準。
製造業の落ち込みをサービス業がカバーしていた状態から、カバー分がほとんど削られて総合でも完全に縮小基調に。
生活費のインフレ圧力がサービス業の需要を圧迫。企業のインフレ圧力も依然高水準にはあるものの、一部ではピークアウトの兆しも見られ始めているもよう。
ただし、経済見通しに対する懸念は続き、景況感は引き続き低調、このため雇用も低調。
ドイツでは製造業での生産の著しい落ち込みが続き、サービス活動も縮小、これがさらなる生産減につながる悪循環。フランスでもサービス活動の伸びが縮小し、製造業の生産高も急減。独仏のビッグ2以外ではわずかながら生産は拡大基調を維持。
ビッグ2に牽引され、ユーロ圏の経済活動は着実に縮小基調への移行が進行しているようです。
23日のNY金相場は+12.8ドル、0.73%高で7日ぶりの反発。1740ドル台後半を中心に小幅揉み合い推移となった時間外、ロンドン序盤にはドイツの8月製造業PMI速報が予想を上回ったことを受けてのユードドル上昇にも連れて一時1750ドル台後半へと反発の動きも。巻き戻しの展開となったNY朝には1740ドル台前半まで反落も、米8月サービス業PMIが予想外に低調となったことを受けてドル売り急進とともに急反発。1760ドル台回復後には米7月新築住宅販売件数も8月リッチモンド連銀製造業指数も低調となって一段高。高値では1760ドル台後半まで上昇も、NY午後にかけてはドル売り一服とともに1760ドル近辺へと収束。行き過ぎ警戒水準、7月安値から8月高値までの61.8%戻し(1734.2)近辺の少し手前で折り返す形となり、短期下落局面一服の可能性も示唆しながらも、週末のPCE、パウエル講演の動向次第にも。1740ドル台が目先の下値サポートになり切れない場合には、あらためて1730ドル近辺まで下値余地拡大へ。
NYプラチナは+8.4ドル、0.97%高で7日ぶりの反発。860ドル台を中心とした保ち合い推移から、NY朝には一時860ドル割れも前日安値を下回らず、一連の米指標悪化を受けてのドル安金高局面に連れると880ドル台まで急反発。ただしNY引けにかけては870ドル台前半へと失速。880ドルの節目割れに伴う一段安の目安830ドル近辺が意識された流れはいったん巻き戻し。ただし860ドル台が当面の下値サポートにならない場合にはあらためて830ドル近辺までを試しに行く可能性も。地合い回復に向けては20日移動平均線(912.3)回復が必須。
ドル円は78銭のドル安円高、0.57%安で6日ぶりの反落。東京朝の時間帯に前日高値をわずかに上回る137円70銭台まで上昇して頭打ち、反落後は137円ちょうど付近で下げ渋ると東京午後から欧州時間にかけては137円台前半での保ち合い推移。NY朝にはPMIの想定以上の悪化を受けて急落、136円60銭台まで1円弱水準を切り下げた後、7月新築住宅販売件数も6年半ぶり低水準へと落ち込み、さらに一段安となって135円80銭付近まで急落。しかし、絶好の買い場と見る向きも多かったようで下げ渋るとNY午後には136円80銭台まで反発。結果的に135円20銭の節目上抜けに伴う短期上値目標137円台到達後の急落も、長めの下ヒゲを残して一定の調整をこなしてしまったような格好にも。目先、137円60銭超へと抜け出すことになれば139円30銭台の7月高値再トライへも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/23終値とチャート
24日の国内金価格はわずかに-1円、0.01%の小幅続落。NY金の急反発からの上げ渋りをドル円の急落からの反発で相殺、流れとしてはドル円の買い圧力の強さとNY金の下げ渋る状態を示唆するような状況にも。短期的にはわずかに上向き優勢の国内金価格は、水平状態の90日移動平均線(8476)とゆるやかに上昇する21日移動平均線(8355)との狭間での反発局面。8420円の節目を上抜けることができれば90日線上抜けトライへ、まずは8460円程度までが短期上値目標に。下方向へは8370円の節目を割れると下値トライ再開、8250円近辺までが下値目安に。
プラチナ価格は-9円、0.21%安で5日続落。8月4日(4162)以来、3週間ぶりの安値。5日続落は4月以来、4ヵ月ぶりで今年2度め。7月安値から8月高値までの61.8%戻し(4220)でも、行き過ぎ警戒水準4200円近辺到達でも下げ止まり切れず。8月4日(4162)の水準は76.4%戻し(4163)にも相当するとともに、昨年12月以降下値を切り上げてきた中期三角保合いの下値サポートラインも通過する重要水準。
※参考:金プラチナ国内価格8/24とチャート
2022年8月24日(水)時点の相場
国内金:8,403 円 8/24(水) ▼1(0.01%)
国内プラチナ:4,198 円 8/24(水) ▼9(0.21%)
NY金:1,761.2 ドル 8/23(火) ▲12.8(0.73%)
NYプラチナ:876.4 ドル 8/23(火) ▲8.4(0.97%)
ドル円:136.74 円 8/23(火) ▼0.78(0.57%)
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