更新日:2022年9月7日(水)
9月に入るや否や1ドル=140円を突破すると、2日高値では140円80銭近辺まで上昇したドル円。6日には今年最高値を上回り、1988年8月以来24年ぶり高値を次々更新し、141円台から142円台、そして143円台へと一段高。
この日、NY市場では米8月のISM非製造業景況指数が予想外の好結果となり、56.9は続伸で4ヵ月ぶり高水準。新規受注と事業活動指数は今年最高水準へと上昇し、価格指数は1年7ヵ月ぶり低水準まで低下してインフレ高騰懸念も緩和。雇用指数も2ヵ月連続上昇で節目の50を回復する好調ぶり。製造業景況指数も52.8で予想外に横ばい推移となっていたことも合わせ、スタグフレーション懸念も後退し、当面の大幅利上げへの懸念も払拭してしまった格好にも。
サポート材料も尽きず、ドル高円安基調は止まらず、節目となりうる水準を次々突破。目前に迫るのは145円の節目と1988年8月高値147円60銭台。これらも時間の問題となってきたかもしれません。
ただ、これまで左右対象の形で推移してきた長期チャート形状は足下で崩れ始め、調整らしい調整なしに、ほぼ一方的な展開となっていることが非常に気になるところです。
6日のNY金相場は3連休前から-9.7ドル、0.56%の反落。週末に反発した流れ再開の兆しとなったアジア時間には1720ドル近辺から1730ドル台後半まで上昇、しかしこれを支えたドル安の流れも限定的。ドル高の流れ再開となったロンドン市場で1720ドル近辺まで戻すと、NY市場では米10年債利回りが2ヵ月半ぶりに3.3%台へと急騰した流れにも連れてドルは一段高、8月のISM非製造業景況指数が予想外の好結果となったことも重石となり、1710ドル台前半へと一段安。NY引け後にも1710ドル割れはなんとか回避して下げ渋り。大幅利上げ観測再燃とドル高圧力に押される格好となって反発基調は腰折れ、下方リスクも再浮上。1700ドルの大台ラインから1710ドルまでが目先の下値サポート帯を形成する格好にもなり、1720ドル台までの小幅レンジで保ち合いを形成。大台を維持できなくなれば7月安値(1678.4)近辺再トライへ、保ち合い上抜けなら反発基調再開、1750ドル近辺までが短期上値目標に。
NYプラチナは+15.6ドル、1.91%の続伸で8月29日(854.3)以来、1週間ぶりの高値。先週末の反発の勢いそのままに、810ドル台後半から週明け時間外に830ドル台へと上昇し、さらにこの日も一段高。アジア時間には840ドルでいったん頭打ち、ロンドン時間には830ドル近辺で下げ渋り、NY市場では840ドル台半ばまで上昇。ただし840ドル台は維持できず、NY引けにかけては830ドル台前半へ。結果的に8月高値(974.6)から9月安値(796.8)までの23.6%戻し(838.8)回復は一時的にとどまり、この水準が目先の攻防ラインにも。しっかり上抜けできれば38.2%戻し(864.7)を目指す展開へ。
ドル円は2円22銭のドル高円安、1.58%高となって8日続伸。1998年8月26日(144.14)以来、24年ぶりドル高円安水準。8日続伸は3月と4月以来、5ヵ月ぶりで今年3度め。それ以前は2016年10月まで、5年以上遡ることに。上げ幅としては6月17日(+2.77円、2.1%)以来、2ヵ月半ぶりで今年3番めの大幅高。今年の絶対値平均61銭の3.5倍超。東京午前に140円台半ばから140円20銭台まで下押し後に反発。午後には米10年債利回り急上昇に連れて急騰、今年最高値を更新して141円台へ、欧州時間には141円80銭台、NY時間には142円台へと上昇し、NY午後には一時143円台まで上昇。今朝の東京市場でも一時143円50銭台まで上昇。RSIは86.6まで上昇し、過熱感からの反落警戒感も。なお、6月半ばに7連騰で135円40銭台まで上昇した時点でのRSIは94.5まで上昇しており、現時点では価格上昇に対してRSIのピーク水準が切り下がる逆行現象。モメンタムでも同様の現象となり、急反落警戒感は高まるところ。通常なら。ただし次週の8月CPI、2週間後ののFOMCまでは大幅調整の可能性はかなり低めか。逆に一段高の目安としては、7月高値(139.39)から8月安値(130.39)までの161.8%戻し(144.95)近辺も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/6終値とチャート
7日の国内金価格は+79円、0.93%高で3日続伸。7月5日(8,643)以来、2ヵ月ぶりの高値。9-21-90日移動平均線が8420円から40円までの小幅レンジ内に収束するなか、8月末高値(8463)をしっかりと上抜けて保ち合い上放れ。一段高となって8月高値(8521)を超え、8540円程度までの短期上値目標にもしっかり到達。6月高値を起点に上値を切り下げてきた抵抗線もしっかり上抜けて中期トレンドも好転へ。調整をはさみながらもいずれ、6月高値(8859)から8月安値(8168)までの61.8%戻し(8595)近辺、8600円台をうかがう展開となる可能性も。
プラチナ価格は+46円、1.1%高で3日続伸。8月22日(4267)以来、2週間ぶりの高値。4140円台の節目上抜けに伴う短期上値目標4200円の大台回復を達成してなお一段高。21日移動平均線(4238)も目前となり、これを超えると中期的なトレンド回復の目安となる、ほぼ水平状態の90日移動平均線(4280)との攻防も射程圏内に。
※参考:金プラチナ国内価格9/7とチャート
2022年9月7日(水)時点の相場
国内金:8,544 円 9/7(水) ▲79(0.93%)
国内プラチナ:4,230 円 9/7(水) ▲46(1.10%)
NY金:1,712.9 ドル 9/6(火) ▼9.7(0.56%)
NYプラチナ:833.9 ドル 9/6(火) ▲15.6(1.91%)
ドル円:142.79 円 9/6(火) ▲2.22(1.58%)
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