更新日:2022年11月3日(木)
4会合連続の0.75%、6会合連続利上げでFF金利は3.75-4.00%へ。市場予想どおりとなった11月FOMC。
声明文では「これまでの金融引き締めの累積効果を考慮」することなどが盛り込まれ、今後の利上げペース減速の可能性が示唆されたことを受けて米10年債利回り低下とドル安が進行。米株とNY金は急騰で反応。
パウエルFRB議長会見では、「利上げペースを見直す時期が(早ければ12月にも)到来しつつある」との発言を受けてドル安・金利低下と株高・金高の流れは一段と進行。
しかしこの流れは続かず、政策変更については「何も決定していない」こと、利上げ終了時期の検討は「時期尚早」であるとの発言。
さらに利上げの最終地点については不確実性が伴い、9月FOMCでの予想水準を超える可能性もあるとの見解も。
市場の受け止めはハト派からタカ派に転換する格好となって市場の流れも反転。金利上昇にドル高急進、株安に金も軟調推移へ。
先行き不透明感が強調されたようなFOMC後の市場判断としては、来年前半に5.00-5.25%までが終着点との予想。これまでとほぼ変わらず。
米10年債利回りとの連動性が非常に高い今年のドル円、足下ではやや米10年債利回りが先行するようにも見えなくもない状況にも。
エスカレートする円安牽制などが重石となってきた感もあるものの、もう一段の利上げに連れ、ドル円にも上昇余地が残されている可能性も。
2日のNY金相場は+0.3ドル、0.02%の小幅続伸。時間外の1650ドル近辺からNY午前には1660ドルまで上昇、FOMCでの今後の緩和姿勢への期待感が優勢となった流れは続かず、NY午後にかけては1650ドルまで戻してNY引け後のFOMCへ。声明文を受けて1660ドル台後半へと急騰、高値では1670ドル台まで上昇も、市場の楽観ムードを牽制する形となったパウエルFRB議長会見とともに急反落。1650ドルを割れると節目の1640ドルも下回り、その後の時間外では1630ドル台半ばまで軟調推移。結果的にFOMC通過で上に行って来いとなり、主要レンジ上限を試して反落後には下限割れ。このまま1640ドル台を回復できない状態が続くようなら、もう一段の下値トライが進行しやすい状況に、当面の下値目安は1600ドル近辺へ。
NYプラチナも+0.4ドル、0.04%の小幅続伸。時間外の950ドル近辺からロンドン市場で960ドル台まで上昇、NY午前までは960ドルを挟んでの揉み合いもNY引けにかけては950ドル近辺へと上に行って来い。FOMC後には960ドル台再トライもパウエル会見後には950ドルを割れて一段安、940ドルも割れて930ドル台半ばまで下落。結果的に主要レンジ上限970ドル手前で上値を押さえられ、下限の930ドル手前では下げ渋り、上昇トレンド崩れは回避した格好に。ただし水平状態の200日移動平均線(948.7)を割り込んだ状態にあり、上昇トレンド継続に向けては上抜け必須。できなければ保ち合い傾向へ、930ドルの節目も維持できなくなればトレンド崩れとなって900ドル近辺までが下値目安に。
ドル円は31銭のドル安円高、0.21%の続落。東京朝の148円30銭台が高値となって軟調推移、米10年債利回り低下に連れて147円10銭台まで水準を切り下げた後、午後には147円70銭台まで反発後はゆるやかに軟調推移。FOMCへの警戒感などから欧州・NY時間には147円割れを試しながらもほぼ横ばい推移、FOMC後には146円近辺までほぼ1円の急落、安値では145円60銭台まで下げてパウエルFRB議長会見を経て切り返し、147円70銭台まで急反発後は148円トライ。今朝の東京時間には148円が上限となって147円台半ばへとやや軟調気味。結果的に下へ行って来いとなって長めの下ヒゲを残しながら上値も切り下げ、FRBの利上げ見通しと同様、ドル円の方向感も定まり難い状態にも。上方向には148円80銭近辺が当面の抵抗水準となり、突破できれば152円再トライへ。下方向へは146円近辺が当面の下値サポート、これを維持できなくなれば調整幅拡大、142円台までが意識される可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/2終値とチャート
2022年11月3日(木)時点の相場
国内金:8,549 円 11/2(水) ▲35(0.41%)
国内プラチナ:4,855 円 11/2(水) ▲63(1.31%)
NY金:1,650.0 ドル 11/2(水) ▲0.3(0.02%)
NYプラチナ:950.9 ドル 11/2(水) ▲0.4(0.04%)
ドル円:147.93 円 11/2(水) ▼0.31(0.21%)
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