更新日:2022年12月2日(金)
商務省が発表した10月の個人消費支出物価指数はほぼ予想どおりの低下となり、PCEインフレは減速傾向を示す結果に。
PCEは前年比+6.02%。9月の+6.27%からは0.25%低下、6月(6.98)をピークに4ヵ月続落。12月(5.97)以来、10ヵ月ぶりの低水準に。ただし1月以降、10ヵ月連続で6%台での推移。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+4.98%。9月の+5.18%からは0.2%低下。2月(5.42)をピークに低下傾向も、7月の4.69%までのレンジで高止まり状態にも。また、昨年10月以降は13ヵ月連続4%超での推移。
セクタ別では商品価格が前年比+7.2%。4ヵ月続落で13ヵ月ぶりの低水準となったのに対し、サービス価格は前年比+5.4%。3ヵ月続伸で近年最高を更新。
ダラス連銀発表のトリム平均PCEは前年比+4.68%。8-9月の+4.75%からは小幅に低下。19ヵ月連続上昇後の横ばい推移を経て、ようやく低下の兆し。
クリーブランド連銀発表のメディアンPCEは前年比+5.70%。20ヵ月続伸となった9月の+5.80%からは0.1%の低下。
トリム平均PCEは直近6ヵ月連続で4%台での推移、メディアンPCEは10ヵ月連続4%超、5ヵ月連続5%超での推移。
インフレは鈍化傾向にはあるものの、依然として高止まり状態でもあります。
1日のNY金相場は+55.3ドル、3.14%の大幅反発で8月12日(1815.5)以来、3ヵ月半ぶりの高値。上げ幅としてはコロナショック直後の回復局面となった2020年4月9日(+68.5ドル、4.07%)以来、2年8ヵ月ぶりの急騰。前日のパウエルFRB議長のハト派発言を受けての米長期金利低下とドル安の流れにサポートされての堅調推移が持続。時間外の1780ドル近辺からロンドン市場で1790ドル台へ、NY市場ではPCEインフレが鈍化、11月ISM製造業景況指数は予想以上の低下で節目50割れ。利上げペース減速と米景気悪化懸念などから1800ドルの大台回復後も一段高。高値では1820ドル付近まで上昇し、NY午後には1810ドル台半ばで一服状態に。雇用統計直前に次の上値目標となる8月高値圏1820ドル台に急接近、予想以上の好結果とならない限りは若干の上昇余地も。半年ぶりに上抜けた200日移動平均線(1803.0)、大台ライン近辺が目先のサポート候補に。
NYプラチナは+15.6ドル、1.5%高で4日続伸。11月10日(1055.0)以来3週間ぶりの高値。アジア時間には1040ドル台から1050ドル台半ばへと上昇後に反落、ロンドン市場では一時1040ドル割れで反発、NY市場では金の急騰局面にも追随する形となって1060ドル台半ばまで上昇。しかし、11月高値圏1060ドル前後が抵抗水準にもなり、NY午後には1050ドル台半ばまで反落して小康状態に。短期的には一服感もあり、11月高値とでダブルトップの可能性も残す形で雇用統計待ちへ。NY金の一段高に追随する展開となった場合には、短中期的な節目となりうる1060ドル突破で1100ドル台を目指す流れとなる可能性も。下値サポート候補は1000ドルの大台ライン。
ドル円は227銭のドル安円高、2.01%の大幅安で4日続落。8月17日(135.08)以来、3ヵ月半ぶりの安値。2%超の急落は11月10日(-5.43円、3.71%)以来で今年2度め。CPI下振れで円高基調が加速し、PCEもほぼ予想どおりの低下でインフレ鈍化と利上げペース減速を確認する形となっての一段安。東京朝に138円を割れると午後には137円割れでの推移となり、欧州時間には136円割れを試す展開となり、NY市場ではPCE低下とISM下振れを受けて135円台前半へ。139円台前半の節目割れに伴う短期下値目安136円台前半にしっかり到達してさらにオーバーラン。8月安値(130.39)から10月高値(151.94)までの76.4%戻し(135.48)も達成した状態で雇用統計へ。多少の下振れなら織り込み済となる可能性も、一段安なら8月半ば安値圏132円台が意識される可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/1終値とチャート
2日の国内金価格は-9円、0.11%安で3日ぶりの反落。ゆるやかに上昇する90日移動平均線(8497)にサポートされての反発局面は、下落基調が続く9日移動平均線(8572)と8580円の節目を目前に失速。これを上抜けできれば8630円近辺までが短期上値目標に。下方向へは8480円を割り込むようだと下落基調再開、8400円の大台ライン近辺までが短期下値目安に。
週間ベースでは+19円、0.22%高で3週ぶりの反発。
プラチナ価格は-60円、1.21%安で4日ぶりの反落。4890円の節目上抜けに伴う短期上値目標4950円近辺に到達しての一服感からの反落で節目付近へと巻き戻し。21日移動平均線(4886)も合わせてサポートとなれば、もう一段の反発局面形成トライへも。4950円超へと抜け出すことができれば5000円の大台ライン近辺再トライへ。
週間ベースでは+121円、2.54%高で3週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格12/2とチャート
2022年12月2日(金)時点の相場
国内金:8,557 円 12/2(金) ▼9(0.11%)
国内プラチナ:4,889 円 12/2(金) ▼60(1.21%)
NY金:1,815.2 ドル 12/1(木) ▲55.3(3.14%)
NYプラチナ:1,054.9 ドル 12/1(木) ▲15.6(1.50%)
ドル円:135.33 円 12/1(木) ▼2.77(2.01%)
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