更新日:2022年12月14日(水)
米11月CPIは予想以上の下振れとなり、FOMC前日にもかかわらずドル安の流れも予想以上に急進。
11月CPIは前年比+7.11%。市場予想の+7.3%程度を下回り、10月の+7.75%からは0.64%の大幅低下で5ヵ月続落。前年比伸び率としては昨年12月(+7.04)以来、11ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギーを除くコアCPIは前年比+5.96%。これも市場予想の+6.1%を下回り、10月の+6.28%からは0.32%の低下で続落。7月(+5.91)以来4ヵ月ぶりの低水準。
セクタ別では、食品とエネルギーを除いた商品価格が前年比+3.7%。3ヵ月続落となり、+12.3%でピークとなった今年2月からは急低下。2021年3月(1.7)以来、1年8ヵ月ぶりの低水準。
また、食品価格が+10.6%となって5ヵ月ぶり低水準、エネルギー価格が+13.1%で1年9ヵ月ぶり低水準となり、総合指数の低下に貢献。
その一方で、エネルギー関連を除くサービス価格は前年比+6.8%。9-10月の+6.7%から上昇し、昨年10月に3%を超えて上昇基調が継続。
主な項目別では、賃貸住宅価格が前年比+7.9%となって10月の+7.5%から一段と上昇、16ヵ月連続上昇。帰属家賃は+7.1%となって19ヵ月連続の上昇。
また、アトランタ連銀が発表したスティッキーCPIは前年比+6.61%となり、1982年8月(7.13)以来、40年3ヵ月ぶりの高水準。
CPI構成品目のながでも価格変更頻度の遅い、粘着性のある商品価格も伸び率上昇が続いています。
13日のNY金相場は+33.2ドル、1.85%の大幅反発で6月24日(1830.3)以来、ほぼ半年ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均13.7ドルの2.4倍、今年9番めの急騰。1790ドル台前半から後半へとわずかに水準を切り上げる保ち合い推移を経て、NY市場では米11月CPIの結果を受けて急騰。1800ドル近辺から1830ドル台後半まで、40ドル弱の急騰後は1820ドル近辺まで戻して小康状態に。1810ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1840ドル近辺にも急接近となっての一服感もあり、FOMCを控えて自重気味の展開にも。FOMC後のパウエルFRB議長会見では市場の楽観ムード牽制発言も想定されるものの、見通しなどがハト派的となれば1840ドル近辺再トライとなって多少の行き過ぎも。予想外にタカ派方向へと傾斜なら巻き戻しの展開へ、1790ドルの下値サポートを割れるようだと1750ドル近辺を下値目安に調整局面入りも。
NYプラチナは+30.9ドル、3.07%の大幅反発で12月1日(1054.9)以来、2週間ぶりの高値。1010ドルを挟んでの小幅保ち合いとなったアジア時間を経て、ロンドン市場では徐々に堅調推移、1020ドル台半ばまで上昇後にはCPIの結果を受けて一段高、1050ドル台半ばまで30ドル程の急騰後には1040ドル付近まで戻して一服状態に。FOMC前日ということもあり、1040ドルの節目超えに伴う短期上値目標1060ドル台には少し届かず失速も、FOMC後にハト派ムード優勢となれば1060ドル台再トライの展開にも。巻き戻しの展開となって1000ドル台の下値サポートを割れるようだと高値保ち合い崩れをかけた攻防にも、11月後半安値970ドル近辺までが下値目安に。
ドル円は204銭のドル安円高、1.48%の大幅反落となって12月2日(134.32)以来、10日ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均68銭の3倍、今年7番めの急落。東京・欧州時間にかけては137円台後半を中心に保ち合い推移、NY市場では11月CPI下振れを受けて137円10銭台から135円10銭台へと2円の急落。安値では134円60銭台まで下落し、NY終盤にかけては135円半ばまで反発。137円近辺の節目上抜けに伴う短期上値目標139円台半ば辺りまでを目指す流れはCPI下振れによって巻き戻し。FOMC前にやや過剰反応のようにも見えるものの、136円台半ばの下値サポートを割り込んだことで今度は下値トライへの流れがスタートした可能性。FOMCでパウエルFRB議長の牽制発言などもなく、ハト派イメージとなった場合には12月安値圏133円台半ばまでを下値目安に一段安の展開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/13終値とチャート
14日の国内金価格はわずかに-1円、0.01%の小幅続落。CPI下振れを受けてのドル円急落をNY金の急騰で相殺、何事もなかったかのうようにほぼ横ばい推移が継続。流れとしては8570円の節目上抜けに伴う短期上値目標8660円近辺を目指す展開が継続中。FOMCを経て現状の流れが再加速、もしくは逆転となった場合でもドル円とNY金の均衡状態が崩れる可能性は十分想定され、今年の1日当りの平均騰落値幅53円分上昇した場合には上値目標到達も予想され、下方向へと向かえば保ち合い上抜け後の上昇分を巻き戻して保ち合い回帰の展開にも。
プラチナ価格は+47円、0.98%の反発。ゆるやかに下降を続ける9日移動平均線(4798)と21日移動平均線(4826)をまとめて上抜け、4850円の節目トライの様相に。これを上抜けることができれば一段高の展開となり、11月高値(5076)起点の下降チャネルも抜け出して4970円近辺までが短期上値目標に。下方向へは4800円の節目を割れると下降チャネル下限付近、4660円辺りまでが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格12/14とチャート
2022年12月14日(水)時点の相場
国内金:8,611 円 12/14(水) ▼1(0.01%)
国内プラチナ:4,848 円 12/14(水) ▲47(0.98%)
NY金:1,825.5 ドル 12/13(火) ▲33.2(1.85%)
NYプラチナ:1,038.9 ドル 12/13(火) ▲30.9(3.07%)
ドル円:135.58 円 12/13(火) ▼2.04(1.48%)
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