更新日:2023年2月14日(火)
米1月CPIの上ブレ警戒感が高まりつつあるようです。
市場予想では、CPIは12月の前年比+6.5%からは低下し、+6.2%程度。コアCPIは前年比+5.7%から+5.5%程度への鈍化がメインシナリオ。
ただし、クリーブランド連銀が発表するリアルタイムインフレ予想値、Inflation Nowcastingでは、1月CPIの予想値は13日時点で前年比+6.48%。コアCPIは+5.59%。
12月時点ではモノのインフレ鈍化は進行し、前年比+2%台まで低下した一方で、サービス価格は高止まり。
エネルギー関連を除くサービス価格は前年比+7.0%となり、上昇基調が続きます。なお、サービス価格のセクタ別でのウェイトは57.17%。
また、項目別でのウェイト7.38%を占める賃貸住宅は前年比+8.3%。項目別のウェイト24.04%を占める帰属家賃は+7.5%。いずれもほぼ一本調子での上昇基調が続きます。
住宅価格関連とこれらを含むサービス価格の鈍化傾向が鮮明とならない限り、インフレ鈍化にも限界がありそうです。
パウエルFRB議長は先週「労働市場の好調持続やインフレ加速となれば、市場の織り込み以上に利上げする必要性」についても言及。ウォラーFRB理事は「インフレ目標に向け、より長期の闘い」を覚悟しているとの発言も。ボウマンFRB理事も今週、「期待するほどのインフレ緩和は見られない」との警戒発言も。
想定以上のインフレ加速に一喜一憂し始めた昨年春からまもなく1年、今度はインフレ減速動向が想定外となって一喜一憂する季節となるかもしれません。
13日のNY金相場は-11.0ドル、0.59%安で3日続落。1月5日(1840.6)以来、5週間ぶりの安値。1870ドルの下値サポート近辺で下げ渋る状態は先週末から週明け時間外も継続、しかしロンドン序盤に1870ドル台後半まで反発したのが高値となって戻り売り。NY市場では1870ドルを維持し切れず、NY午後には1860ドル近辺まで下落。変動値幅は16.4ドルで今年3番めの小動きとなり、CPIへの警戒感からか値動き縮小となるなかでも軟調推移。節目割れに伴う短期下値目安1850ドル近辺まで、もう少しの下げ余地を残す状態。想定以上のCPI上ブレなどで下げ幅拡大となれば11月安値(1618.3)から2月高値(1975.2)の38.2%戻し(1838.9)から1830ドル近辺までが意識される可能性も。反発方向へは1890ドル台が当面の上限。
NYプラチナは+7.8ドル、0.8%高で3日ぶりの反発。970ドルの節目割れに伴う短期下値目安950ドル近辺到達後の週明け時間外は下げ止まり切れず、揉み合いながらもズルズルと値を下げてロンドン・NY時間には940ドル割れを試す場面も。今年安値を更新し、3ヵ月ぶり安値圏から折り返すとNY午後には950ドル台を回復、NY引けにかけては960ドル近辺まで反発し、下値トライ一服の様相にも。950ドルが目先の下値サポートとなり、これを維持できなくなるようだとあらためて11月初旬安値圏930ドル前後までを試しに行く展開にも。
ドル円は102銭のドル高円安、0.78%の反発。週明け東京市場朝は131円20銭近辺の安値からスタートして堅調推移。押し目らしい押し目を形成することなくジリジリと水準を切り上げると東京午後には132円台、東京市場終了時点では132円30銭台まで上昇。多少の押し目をはさんで欧州時間も押し目買い、132円70銭台まで上昇し、NY市場でつけた高値は132円90銭近辺まで。2月高値をわずかに更新し、今年高値となった1月6日(134.77)以来5週間ぶり高値をつけて失速するとNY終盤には132円半ばへ。CPIを控えて一方的な買いは続かず、132円80銭近辺の抵抗水準ではいったん上値を押さえられた格好。CPI上ブレなどでこれを突破できれば134円トライへ、今年高値圏134円半ば辺りまでを目指す流れにも。予想外の下振れなどで反落の流れが強まると下値サポート131円が攻防ラインにも、これを割り込むようだと下値トライ、2月安値圏128円台を試しに行く可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/13終値とチャート
14日の国内金価格は+17円、0.2%高で3日ぶりの反発。ゆるやかに上昇を続ける90日移動平均線(8608)に下値を支えられ、8600円の大台を維持して折り返し。12月安値(8348)から1月高値(8857)の半値戻し(8603)にもサポートされ、8610円台の節目割れに伴う短期下値目安8540円近辺トライはスタートで躓いて失敗。8600円の大台ラインが目先の下値サポートに。米CPI結果などを受けてドル高円安の流れがもう一段進行することになれば、サポートされやすい状況にも。8650円の節目を上抜けるような展開となれば反発局面継続へ、8700円台回復が短期上値目標に。NY金の下げ幅拡大などで8600円を維持できないようだと8500円台半ばまでが短期下値目安に。
プラチナ価格は+68円、1.57%高で5日ぶりの反発。NYプラチナの下げ止まりで下支えされ、円安にサポートされての反発でやや極端な売られ過ぎ状態からは巻き戻し。目先はイベントドリブンで不安定な展開を強いられる可能性も。1月後半からの抵抗線、9日移動平均線(4456)超えが下落トレンド脱出への目安に。4330円の節目を割り込むようだと4300円割れへ、9月安値圏4200円台後半までの一段安も。
※参考:金プラチナ国内価格2/14とチャート
2023年2月14日(火)時点の相場
国内金:8,622 円 2/14(火) ▲17(0.20%)
国内プラチナ:4,399 円 2/14(火) ▲68(1.57%)
NY金:1,863.5 ドル 2/13(月) ▼11.0(0.59%)
NYプラチナ:959.4 ドル 2/13(月) ▲7.6(0.80%)
ドル円:132.40 円 2/13(月) ▲1.02(0.78%)
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