更新日:2023年3月23日(木)
3月FOMCでは市場予想どおりの0.25%利上げを決定。声明文では「継続的な利上げ」が「追加引き締め」へ、明確な複数形から単数形とも取れる表現に変更され、ドットチャートでも2023年末FF金利見通し中央値が前回12月から変わらず、5.125%(5.00-5.25%)となったことで、年内はあと1回で利上げ打ち止めが想定されてドル安へ。
さらにパウエルFRB議長会見では「利上げ休止を検討」発言がクローズアップされてドル一段安の展開となってNY金は急騰。
2024年については利下げも想定され、年末のFF金利予想中央値は4.25%。前回12月の4.125%からは上昇。2025年は3.125%、長期見通しは2.5%でいずれも前回からは変わらず。ただし、平均ではいずれもわずかに上昇しており、FOMCメンバの一部が上方修正。
利下げペースを想定すると、5.125%(5.00-5.25%)のピークから、2024年には0.25%×4回の利下げで4.125%程度まで、2025年も同様のペースで3.125%程度へ。
なお、PCEインフレの予想中央値は、2023年末の3.3%から2024年には2.5%へ、2025年には2.1%へ。コアPCEは2023年末の3.6%から2024年には2.6%へ。2025年には2.1%へ。
ディスインフレが想定どおりのペースで進行した場合でも、2024年末でもインフレ目標2%程度を上回る水準。
今回は、金融不安がくすぶるなかでも利上げを敢行しましたが、2024年にはインフレ下げ渋りとなっても利下げを敢行、という予想となっています。
現状では、多少の金融不安よりもインフレ対策優先、一定のインフレ鈍化が確認できれば、インフレ対策よりも景気優先、という考え方のようです。
22日のNY金は+8.5ドル、0.44%の反発。時間外でつけた安値は1930ドル台半ば、前日安値をわずかに下回るも一時的にとどまり、ほぼ1940ドル台での保ち合い推移。NY引け後のFOMCを経て反発局面形成へ。声明文確認後には1960ドル台、パウエルFRB議長会見を受けて1970ドル台へ、高値では一時1980ドル台まで上昇して1970ドル台での推移。ほぼ想定どおりの利上げとややハト派的な見通しを受けての堅調推移も1980ドル台の節目ではいったん上値を押さえられた格好。イベント通過で一服感も、1980ドル台を突破することになれば2000ドルの大台再トライの可能性。当面の下値サポートは1940ドル、割れると1910ドル近辺まで下値切り下げへ。
NYプラチナは10.3ドル、1.05%の反発。前日NY市場でつけた安値960ドル台からの反発基調がゆるやかに継続。980ドル近辺での小康状態となった時間外序盤を経てロンドン序盤にかけて980ドル台後半へと動意付き、NY朝にかけて990ドルを超えると一段高、高値では一時1000ドルの節目を突破もこれを維持できず。980ドル台までの反落後、NY午後には1000ドルの節目に上値を押さえられる状態に。徐々に抵抗感も強まる大台ラインをしっかり上抜けることができれば1030ドル近辺を短期目標に上値トライへ。下値サポートは引き続き970ドル。
ドル円は101銭のドル安円高、0.76%の反落。東京・欧州時間にかけては132円台半ばを中心に保ち合い推移、高値では一時133円近辺まで上昇も、132円半ばまで戻してFOMCへ。想定どおりの0.25%利上げと声明文を受けて132円近辺へと下落、パウエルFRB議長会見を受けて131円台前半へと一段安。安値では131円近辺で下げ渋ってNY終盤には131円半ばへと反発も、今朝の東京市場では売り圧力が強まって131円割れ。下値サポートとなりつつあった131円を回復できないようなら一段安の展開へ、下値目安は130円近辺から、1月安値と3月高値の76.4%戻し(129.74)近辺まで。反発方向へは132円台半ばが当面の抵抗水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/22終値とチャート
23日の国内金価格は+35円、0.39%の反発。ややハト派的と受け止められたFOMC後のドル安円高とNY金の急騰を相殺した結果を反映して反発。2月安値(8605)から3月高値(9183)の23.6%戻し(9047)近辺で折り返し、浅めの調整を終えて上昇基調再開。というよりは、20日に9183円へと突発的に急騰した行き過ぎ局面から巻き戻され、従来からの上昇トレンドに回帰した状態。このまま堅調推移が続けば、いずれ再び最高値更新へ、そうなれば9230円程度までが短期上値目標に。失速して9040円の節目を割れると一定の調整局面形成へ、8980円程度までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+4円、0.09%の小幅続伸。下げ止まった9日移動平均線(4520)の下での膠着状態が続くなか、ゆるやかな上昇軌道の21日移動平均線(4498)をわずかに下抜け。流れとしては短期上昇トレンドのピークアウト後に下げ渋る状態が継続。4460円の節目を維持できなくなるようだと調整局面入り、4370円程度までが短期下値目安に。上方向には4530円の節目を突破できれば短期上昇トレンド再開へ、上値目標は4630円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格3/23とチャート
2023年3月23日(木)時点の相場
国内金:9,080 円 3/23(木) ▲35(0.39%)
国内プラチナ:4,497 円 3/23(木) ▲4(0.09%)
NY金:1,949.6 ドル 3/22(水) ▲8.5(0.44%)
NYプラチナ:987.0 ドル 3/22(水) ▲10.3(1.05%)
ドル円:131.47 円 3/22(水) ▼1.01(0.76%)
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