更新日:2023年4月4日(火)
米3月のISM製造業景況指数は46.3となり、予想以上の悪化。2月からも-1.4ポイント低下して5ヵ月連続の節目50割れ。2020年5月(43.1)以来、2年10ヵ月ぶりの低水準。コロナショック以来ほぼ3年ぶりの低迷期を形成し、景気減速懸念が強まって米10年債利回り急低下、ドル安も追随し、NY金は2000ドルの大台へと押し上げられた格好に。
なお、S&Pグローバル発表の米3月製造業PMIは49.2となり、2月の47.3からは上昇して5ヵ月ぶりの高水準も、5ヵ月連続の節目50割れ。
S&Pグローバル発表の製造業PMIでは、主要国で3月に比較的好結果となったのはインド(56.4)、ロシア(53.2)程度。
ユーロ圏も47.3となって4ヵ月ぶり低水準、9ヵ月連続の節目50割れと低調。
ユーロ圏のなかでは、南欧勢が下支え。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2023年3月>
1:ギリシャ=52.8=前月比+1.1で3ヵ月続伸、10ヵ月ぶり高水準。2ヵ月連続節目50超。10月から2-3-6-5-2-1位。
2:スペイン=51.3=+0.6で5ヵ月続伸、9ヵ月ぶり高水準。2ヵ月連続50超。8-8-8-7-4-2位。
3:イタリア=51.1=-0.9で5ヵ月ぶりの反落、2ヵ月ぶり低水準。3ヵ月連続50超。6-2-4-2-1-3位。
4:アイルランド=49.7=-1.6で4ヵ月ぶりの反落、3ヵ月ぶり低水準で50割れ。1-1-2-3-3-4位。
5:フランス=47.3=-0.1の続落で5ヵ月ぶり低水準、2ヵ月連続50割れ。4-4-1-1-6-5位。
6:オランダ=46.4=-2.3の続落で4ヵ月ぶり低水準。7ヵ月連続50割れ。3-7-3-4-5-6位。
7:オーストリア=44.7=-2.4の続落で2年10ヵ月ぶり低水準。8ヵ月連続50割れ。5-5-5-6-7-7位。
7:ドイツ=44.7=-1.6の続落で2年10ヵ月ぶり低水準。9ヵ月連続50割れ。7-6-7-8-8-7位。
ドイツもコロナショック以来、ほぼ3年ぶりの低迷期を形成して景気減速懸念が強まり、リセッション懸念を払拭し切れない状況が続きます。
3日のNY金は+14.2ドル、0.71%の反発で昨年3月10日(2000.4)以来、1年1ヵ月ぶりの高値。アジア時間には1980ドル近辺から1965ドルまで売られて押し目買い。OPECプラスの追加減産表明での原油相場急騰を受けてドル安基調が強まり、ロンドン・NY市場にかけて1990ドル台へと反発。米3月ISM製造業景況指数の予想外の下振れを受けて米長期金利も急低下、ドル一段安とともに2000ドルの大台を突破。ただしNY午後には2010ドル手前で上げ渋り、NY引け後には2000ドルの大台維持をかけての攻防状態にも。わずかながらも2000ドルの節目を上抜けた形となり、短期的には今年高値(2014.9)更新トライへの可能性も。下値サポートは1980ドル、割れるようなら1960ドル程度までの下値余地拡大も。
NYプラチナは-6.7ドル、0.67%安で4日ぶりの反落。週末の1000ドルの大台を維持できずに週明け時間外をスタートすると、ほぼ990ドル台での揉み合い推移。NY市場ではISM製造業景況指数の下振れを受けてのNY金急騰に追随すると一時1010ドル付近まで上昇。しかしその後は株安の流れにも引っ張られる格好となって990ドル台へと反落。1030ドル台を短期目標に上値トライへの流れは出だしでつまづく形となって失敗。1000ドル台、1010ドルまでが抵抗水準となる形で保ち合い圏内に押し戻される状態に。あらためて1000ドル台の節目を突破できれば1020ドル台辺りまでは上値を伸ばす展開にも。ゆるやかに上昇する20日移動平均線(978.4)が目先の下値サポート候補に。
ドル円は42銭のドル安円高、0.32%の反落。週末の132円80銭近辺から133円30銭台へと窓を開けて週明けスタート、東京午前に窓埋め、午後には133円70銭台まで上昇してこの日の高値。先週末高値を少し上回り、131円台後半の節目突破に伴う短期上値目標133円台半ばを何度も試す形にもなって上値トライ一服。ドル安の流れが強まった欧州時間には133円近辺へ、NY午前にはISM製造業景況指数の下振れを受けて米10年債利回りが3.5%近辺から3.4%付近へと急低下、これに連れる形で132円20銭台へと急落。今朝の東京市場では132円10銭台で下げ渋って132円台後半へと反発。133円付近が目先の上限となり、改めて上抜けることができれば134円付近までの上値再トライへ。下値は132円付近でサポートされるかどうか、これを下抜けると131円前後が下値サポート。これも割れるようだと円高基調再開へ、2月安値圏128円台後半辺りまでを目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/3終値とチャート
4日の国内金価格は+65円、0.71%の反発。NY金の高止まりとドル円の下げ渋りに支えられ、高値圏でのRSI逆行現象にも強気パーフェクトオーダーは崩れず。週末にかけてはボラティリティ拡大への警戒感も高まる状況となるなか、高値更新となれば短期上値目標は9310円程度から、少しの行き過ぎで9350円近辺も。9160円のサポート割れなら短期下値目安は9100円程度、勢い余れば9000円前後まで。
プラチナ価格は-13円、0.29%の続落。ゆるやかに下降する90日移動平均線(4629)の下押し圧力に押されるような展開となり、上値トライに向けた流れは徐々に失速。21日移動平均線(4512)のサポートを維持して4580円の節目上抜けへと向かうことができれば上値トライ再開、4620円程度までを短期目標に一段高の展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格4/4とチャート
2023年4月4日(火)時点の相場
国内金:9,232 円 4/4(火) ▲65(0.71%)
国内プラチナ:4,546 円 4/4(火) ▼13(0.29%)
NY金:2,000.4 ドル 4/3(月) ▲14.2(0.71%)
NYプラチナ:996.4 ドル 4/3(月) ▼6.7(0.67%)
ドル円:132.41 円 4/3(月) ▼0.42(0.32%)
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