更新日:2023年4月11日(火)
週末には雇用統計が比較的堅調な結果となってドル高基調が強まり、週明けには植田日銀新総裁の会見を受けてドル高円安基調が継続。さらに、NY連銀の3月消費者調査の結果でもインフレ期待が上昇し、ドル高支援材料となったかもしれません。
雇用統計前には悲観的な指標結果が続いてドル安も予想される状況から逆の展開へ、今度はCPI前にドル高サポート材料が続く状況となっています。
NY連銀の1年先のインフレ期待は4.75%。2月の4.23%からは+0.52%の上昇。前月比で上昇するのは5ヵ月ぶり。上昇幅としては昨年3月(+0.58)以来、1年ぶりの急反発。
3年先のインフレ期待も2.78%となり、2月の2.66%からは上昇、これも5ヵ月ぶりの反発。
なお、ミシガン大の1年先のインフレ期待は3.6%で2月の4.1%から反落、1年11ヵ月ぶりの低水準となっていました。NY連銀の結果とは逆行する形に。
NY連銀調査では、教育費が2月の+8.09%から3月は+8.94%へと上昇した以外では、家賃が+9.38%から+9.20%へと鈍化。食品も+7.26%から+5.87%へと鈍化。
また、1年以内に失業の可能性を意識する人の割合は11.35%となって7ヵ月ぶりの低水準。過去平均14.27%を大きく下回る水準での推移が続きます。
自発的離職を考える人の割合は19.34%。3年ぶり高水準となった2月の20.83%からは小幅に低下も、近年では比較的高水準での推移が継続。
景気に対して悲観的な見方をする人の割合は、それほど多くはないようです。
3連休明け、10日のNY金は-22.6ドル、1.12%の大幅安で3日続落。4月3日(2000.4)以来、1週間ぶりの安値。週末の雇用統計後のドル高の流れを週明けに織り込む形となり、2000ドル台へと水準を切り下げて時間外をスタート後、一度は2020ドル台へと反発も、これが高値となって戻り売り。アジア時間のうちに再度2010ドル割れへと反落後はロンドン市場にかけて2010ドル台半ばへと反発も、NY市場で再びドル高の流れが強まると2000ドル近辺へと急反落。それでも大台割れは一時的となってNY引けにかけては2000ドル台後半へ。利上げ観測再燃が下押し圧力となるなか、2月安値(1810.8)から4月高値(2049.2)の23.6%戻し(1992.9)から2000ドルの大台までがサポート水準となって下げ渋る状態に。これを維持し切れず、1980ドルの節目も割り込むようだと調整局面拡大へ、1960ドル程度までを下値目安に一段安も。
NYプラチナは-13.9ドル、1.37%の反落で4月3日(996.4)以来、1週間ぶりの安値。時間外は1020ドル近辺から1010ドル付近まで軟調推移、ロンドン・NY朝にかけては1020ドル台後半まで反発も、NY市場では金の反落局面に追随。1000ドルの大台割れへと急落も、NY午後につけた安値は990ドル台半ばまでにとどまってNY引けにかけては大台を回復。高値保ち合い下限となる大台ラインでなんとかサポートされた格好も、これを維持できなくなれば調整局面入りへ、短期的には980ドル近辺までが下値目安に。1020ドルへと切り下げた保ち合い上限突破へと切り返すことができれば上値トライ再開、1050ドル近辺が短期目標に。
ドル円は145銭のドル高円安、1.10%高となって3日続伸。3月16日(133.75)以来、3週間ぶりの高値。週末の雇用統計後に切り上げた水準132円台を維持して週明けをスタートすると、東京時間には132円台後半へと一段高、欧州序盤にかけて一時132円割れへと反落も、植田日銀新総裁の就任会見での緩和政策維持表明を受けてドル高円安の流れへ。NY朝には133円台へ、NY午後には133円80銭台まで上昇。下げ止まりつつある90日移動平均線を1ヵ月ぶりに上抜け、132円90銭の節目も突破したことから一定の反発局面形成へ、短期上値目標は3月中旬高値圏135円台前半。ただし3月CPIが下振れるようだと失速へ、90日線でサポートされるかどうか。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/10終値とチャート
11日の国内金価格は+26円、0.28%高で3日続伸。4日ぶりで今年8回めの過去最高値更新。3月後半以降の最高値更新局面では9100円台から9200円台、そして9300円台へと水準を切り上げてきたのに対し、RSIのピーク水準は80台から70台、そして60台へと切り下がる逆行状態となって失速感が続くなか、同様の展開で急反落となったNY金の下げを円安がカバーする形に。9330円超へと抜け出したことで短期上値目標としては9400円近辺も意識される可能性。ただし急反落リスクもつきまとい、9280円のサポートを割れると強気相場も崩れる可能性も、調整局面入りで9200円近辺も意識される可能性。
プラチナ価格は-21円、0.45%安で3日ぶりの反落。ゆるやかに下降する90日移動平均線(4615)を再び下抜けようかという状態に。これをしっかり上抜け、4640円の節目を突破することができれば上値トライ再開へ、4700円の大台回復が短期上値目標に。90日線が抵抗線となるようだと徐々に軟調な展開へも、右肩上がりの9日移動平均線(4577)が下値サポート候補。
※参考:金プラチナ国内価格4/11とチャート
2023年4月11日(火)時点の相場
国内金:9,342 円 4/11(火) ▲26(0.28%)
国内プラチナ:4,615 円 4/11(火) ▼21(0.45%)
NY金:2,003.8 ドル 4/10(月) ▼22.6(1.12%)
NYプラチナ:1,002.9 ドル 4/10(月) ▼13.9(1.37%)
ドル円:133.60 円 4/10(月) ▲1.45(1.10%)
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