更新日:2023年5月8日(月)
FOMCでは利上げ打ち止めの可能性が示唆されたことを受けて市場は早期利下げも織り込む状態に。これを受けてドル高円安の巻き戻しが急加速、代わって急騰のNY金は一時最高値に迫る2080ドル台まで上昇。しかし、直後の雇用統計では想定以上の労働市場の強さが示され、利上げ打ち止めと早期利下げへの思惑にやや不透明感も。これを受けてドル安円高の流れは急ブレーキ、と同時にNY金は最高値トライからの急反落。乱高下状態を経て連休明け、市場は10日の米4月CPIで利上げ打ち止めへの裏付けを確認することになります。
前年比+5.5%程度が予想されるコアCPIは、小数点以下2桁で見ると今年1月から+5.58%、+5.54%、+5.59%と3ヵ月連続5.5%台で下げ渋る状態。4月も5.5%付近で市場予想通りとなった場合には下げ渋り状態継続となって「インフレ高止まり」が意識されやすくなり、5.4%台前半以下へと低下なら「予想以上のインフレ鈍化」が意識されることに。
いずれにしても、現状のドル高円安地合いとNY金の高止まり状態とのハイレベルでの凌ぎ合いが、国内金価格の歴史的高値圏での推移をサポートし続けています。
週明け時間外のNY金は2020ドル台半ば、横ばい推移での小動き。NYプラチナも1060ドル台後半での揉み合い状態で横ばい推移。ドル円は週末の134円80銭台から135円20銭台まで上昇後に135円割れへと失速。
8日の国内金価格は連休前から+7円、0.07%の小幅高で3営業日続伸。3営業日連続、今年14回めの過去最高値更新。連休中のドル円とNY金の乱高下を吸収する形で最高値圏でのほぼ横ばい推移。価格水準切り上げと高止まりに対してオシレータ系指標のピーク水準低下の逆行状態も続き、イベントを無視した確率論では急反落警戒感が高まる状況。想定可能な調整目安としては3月末安値(9017)から5月高値の23.6%戻し(9441)、9日移動平均線(9442)など、9440円近辺まで。高止まり状態継続で一段高の目安としては4月高値(9495)から4月末安値(9341)の161.8%戻し(9590)近辺。
一目均衡表では連休前の三役好転を維持、2週連続強気相場で最高値圏推移。上昇基調の転換線(9457)が直近の下値サポート候補となり、追随する基準線(9332)、12月末安値からここまでの23.6%戻し(9283)、月末に9300円台へと上昇する雲の上限など、9300円近辺までが短中期のサポート候補。
プラチナ価格は-51円、1.01%の続落で4月18日(4890)以来、3週間ぶりの安値。5020円の節目を割り込んでの調整局面が進行、これに伴う短期下値目安4980円近辺に到達。調整一服となりやすい反面、下げ止まり切れない場合の一段安警戒水準としては21日線(4886)も上昇してくる4900円の大台近辺も。しっかり反発して5060円の節目を上抜けると上値トライ再開へ、5120円近辺までが短期上値目安に。
一目均衡表では転換線(5078)を下回る状態が1週間前から続き、三役好転崩れの状態は2週連続。週足でも遅行線が26週前の価格水準を下回る状態が続いて2週連続の一役逆転。ただし週足では遅行線に相対する価格水準が次週以降は下落するため、三役好転へと復帰しやすい状況にも。ピークアウトした日足の転換線を再度上抜けることができれば日足・週足ともに三役好転復帰となって短中期強の気相場再開へも。
※参考:金プラチナ国内価格5/8とチャート
2023年5月8日(月)時点の相場
国内金:9,572 円 5/8(月) ▲7(0.07%)
国内プラチナ:4,980 円 5/8(月) ▼51(1.01%)
NY金:2,024.8 ドル 5/5(金) ▼30.9(1.50%)
NYプラチナ:1,068.3 ドル 5/5(金) ▲18.0(1.71%)
ドル円:134.83 円 5/5(金) ▲0.56(0.42%)
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