更新日:2023年6月8日(木)
米国の4月貿易収支は-746億ドル。赤字幅は市場予想の-758億ドルを下回ったものの、3月の-606億ドルからは23%の拡大となり、10月以来、半年ぶりの高水準。
赤字幅の前月比拡大率+23%は、コロナショック時の2020年4月(+20.5%)や7月(+21.1%)を上回って2015年3月(+43.7%)以来、8年1ヵ月ぶりの急拡大。
輸入が3ヵ月ぶりの増加で前月比+1.5%となったのに対し、輸出は1年1ヵ月ぶり低水準。前月比-3.6%は3年ぶり、コロナ後最大の急減。
なお、国別のモノの貿易収支では、対メキシコ輸出が1年2ヵ月ぶり低水準となり、前月比-15.6%は2年11ヵ月ぶりでコロナ後最大の落ち込み。対日本輸出も前月比-11.6%、7ヵ月ぶりの急減で2年2ヵ月ぶり低水準に。対ドイツ輸出も前月比-20.2%、3年ぶりの急減で4ヵ月ぶり低水準。
対中国では輸出減も輸入増で赤字幅が前月比+22.1%となり、3年ぶりの急拡大。
輸入増で米国内需要の強さを示唆した反面、貿易赤字拡大で今後の景気減速懸念に寄与、また、輸出の急減少は世界的な需要減の可能性も示唆。
7日のNY金は-23.1ドル、1.17%安で3日ぶりの反落。5月26日(1944.3)以来、2週間ぶりの安値。ロンドン市場ではドル安優勢の流れを受けて1970ドル近辺から反発、NY朝には一時1980ドル台半ばまで上昇も、右肩下がりの20日移動平均線(1983.1)にも上値を押さえられ、これが高値となって急反落。米国に先行して利上げフェーズ終了の可能性を示して据え置き状態となっていたカナダ中銀の予想外の追加利上げを受け、米10年債利回り急騰とドル高の流れとともに1960ドル割れへ。FOMC前に予想外の展開となり、1960ドル台の節目を割り込んだことによって一段安への警戒感も高まる状態に。90日移動平均線(1950.7)にサポートされない限り軟調局面継続へ、CPIやFOMCでの見通しなど次第で1920ドル近辺までが下値目安に。
NYプラチナは-14.1ドル、1.36%安で3日ぶりの反落。1010ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1030ドル台到達後の一服をはさんでの反落。1040ドルをはさんでの保ち合いとなった時間外を経て、NY朝には一時1050ドル台へと上昇。しかし、右肩下がりの20日移動平均線(1050.11)にも上値を押さえられて2週間ぶり高値で失速すると金に追随。NY午後にかけて1030ドル割れへと急落、安値では1020ドル台前半、NY引け後の戻りも1020ドル台後半まで。5月以降の軟調局面打開に失敗し、1040ドルが上限となって1000ドルの大台までが目先の主要レンジに。大台割れなら970ドル程度までの一段安へ、1040ドル超へと切り返すことができれば局面打開へ、1060ドル近辺までが短期上値目安に。
ドル円は51銭のドル高円安、0.37%の続伸で5月29日(140.44)以来の140円台回復。東京市場朝には日経平均の反落に連れる格好となって139円60銭近辺から139円10銭台へと下落。この水準で下げ渋ると午後から欧州時間にかけては139円台前半での保ち合い推移、NY朝には一時139円付近まで下げて切り返し、カナダ中銀の利上げ再開がサプライズとなってFRBの7月利上げ観測も強まり、140円の節目を突破するとNY午後には140円20銭台まで上昇。短期トレンド逆転とはいかないまでも、想定外のタカ派材料にサポートされる格好となり、今後の指標結果、CPIやFOMC動向などを受けて上値トライへと向かいやすい状況に。目先、139円台半ばをサポートに上値目標141円台半ばを目指す流れに。ただしサポート割れの場合には調整再開、1月安値(127.21)から5月高値(140.93)の23.6%戻し(137.69)近辺までが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/7終値とチャート
8日の国内金価格は-63円、0.65%安となって3日ぶりの反落。5月26日(9559)以来、2週間ぶりの安値。失速状態での高値膠着が崩れる格好となっての急反落がスタートした可能性を示唆、9日移動平均線(9616)と21日移動平均線(9597)をまとめて下抜け、移動平均線との位置関係だけで維持していた強気相場も崩れて9600円の節目割れ。CPIとFOMC通過で流れ逆転の可能性も否定はできないものの、そうならなければもう一段の下値トライへ。短期下値目標は4月末安値(9341)から5月高値の61.8%戻し(9470)近辺。予想外の切り返しで9640円の節目を上抜けると最高値更新トライへの可能性も。
プラチナ価格は-53円、1.05%安で5日ぶりの反落。なんとなく暗示していたように、フライングで5040円の節目をわずかに上抜けたのはダマシに終わって巻き戻し。あらためて5040円台が当面の上限となり、4850円までの広めの主要レンジを維持して次の展開を模索。いったんは下げ止まった9日移動平均線(4966)が目先のサポート候補となり、軟調局面打開に向けては上限突破が必須。突破できれば逆三尊を形成して高値トライ再開も視野に形成逆転へも、短期上値目標は5130円程度まで。
※参考:金プラチナ国内価格6/8とチャート
2023年6月8日(木)時点の相場
国内金:9,575 円 6/8(木) ▼63(0.65%)
国内プラチナ:4,988 円 6/8(木) ▼53(1.05%)
NY金:1,958.4 ドル 6/7(水) ▼23.1(1.17%)
NYプラチナ:1,024.6 ドル 6/7(水) ▼14.1(1.36%)
ドル円:140.18 円 6/7(水) ▲0.51(0.37%)
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