更新日:2023年8月4日(金)
米4-6月期の単位労働コスト速報値は前期比年率+1.6%。市場予想の+2.5%を下回り、1-3月期の+3.3%(+4.2%から下方修正)からも鈍化。2021年第4四半期(1.0)以来、6四半期ぶりの低水準。
また、7月29日までの週の新規失業保険申請件数は22.7万件となり、市場予想の22.5万件を上回り、前の週(22.1万件)からも増加。
週末の7月雇用統計の対象期間外ではあるものの、雇用情勢悪化やインフレ鈍化継続を示唆し、ドル高一服状態もサポート。
ただし、同時に発表された4-6月期の非農業部門労働生産性は、速報値で前期比年率+3.7%。市場予想の+2.2%を上回り、1-3月期の-1.2%からも大幅上昇。2020年第3四半期以来、ほぼ3年ぶりの大幅な伸びを示し、景気減速に逆行する好材料にも。
また、新規失業保険申請件数も、4週移動平均では22.83万件となって3月以来、4ヵ月半ぶりの低水準。失業保険継続受給者数も4週移動平均では171.2万人となり、2月以来5ヵ月ぶりの低水準。
いずれもトレンド的には減少傾向となって労働需給ひっ迫状態継続を示す結果に。
なお、新規申請件数は4週移動平均でコロナ直前の水準を少し下回って底打ち後に増加。しかし足下では再びコロナ直前の21万件付近に向けて減少中。
継続受給者数は4週移動平均でコロナ直前の水準を大きく下回って底打ち反転後、コロナ直前の水準188万人手前で再び反転、今年春以降は減少トレンドが進行中。
3日のNY金は-6.2ドル、0.31%安で3日続落。7月27日(1945.7)以来、1週間ぶりの安値。1970ドルを挟んでの小幅保ち合いに終始。時間外からNY市場まで、1970ドル台半ばでは何度も上値を押さえられ、NY朝につけた安値も1960ドル台半ばまで。この日の変動値幅はわずか10.0ドル、今年の平均26.7ドルの3分の1強で今年2番めの小動き。6月安値(1900.6)から7月高値(2010.9)までの38.2%戻し(1968.8)に到達し、右肩上がりの20日移動平均線(1966.0)に下値を支えられて小さな十字線を形成。3日間で40ドル超の急落局面を形成して下げ一服の様相にも。ただし週末は雇用統計の結果次第で仕切り直し。反発方向へは水平状態の90日移動平均線(1980.8)を超えると大台再トライも視野に。下方向へは61.8%戻し(1942.7)近辺までが当面の下値サポート、これを割り込むようだと6月安値圏、1900ドル近辺までが当面の下値目安という展開にも。
NYプラチナは-8.6ドル、0.92%安で3日続落。7月7日(918.5)以来、4週間ぶり安値圏での一段安。アジア時間の920ドル台後半から揉み合いながらジリジリと下値を切り下げる展開に。NY朝には強弱混在となった米雇用関連指標結果を受けて金の小幅急騰に追随、一時930ドル台へと跳ね上がる場面もあったもののNY午後には920ドル台前半へ、NY引け後には一時920ドル割れ。940ドルの節目割れに伴う短期下値目安9220ドル近辺にしっかり到達する形となり、下値トライ一服状態での雇用統計待ちへ。結果次第で新たな短期トレンド形成にも、下方向へ一段安となれば900ドルの大台前後までが意識されやすく、反発方向へは960ドルが当面の抵抗水準。
ドル円は81銭のドル安円高、0.57%安となって5日ぶりの反落。前日の下ヒゲ十字線の勢いは東京市場まで持続、143円30銭近辺での小康状態から、午後には日銀の国債買入れオペをきっかけに一段高となって143円90銭付近まで上昇。しかし日経平均の大幅続落にも引っ張られる格好となって失速、欧州時間序盤には143円近辺まで急落。143円を割れるとこれが抵抗線となる形で142円台後半へと水準を切り下げ、NY市場では雇用関連指標の下振れやISM非製造業景況指数も低調となったことを受けて142円付近まで下落。調整目安、7月安値から8月2日高値(143.55)までの23.6%戻し(142.06)近辺で下げ止まるとNY午後には142円台後半へと反発。目先、雇用統計での好結果、賃金高止まりなどをきっかけに143円40銭の節目を上抜けるともう一段の上値トライへ、144円台前半までが短期上値目標に。下方向へは7月安値から8月高値(143.89)の38.2%戻し(141.35)辺りまでがサポート候補。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/3終値とチャート
4日の国内金価格は-45円、0.46%安で3日続落。9日移動平均線(9722)を少し下回って強気のパーフェクトオーダーも崩れ、必要最低限の調整はこなしたような格好にも。雇用統計を挟んで次週、急反発か、一段安か、大幅変動も警戒される週明けに。最高値更新へ、9830円台の節目を上抜けるようなら9900円台へと大きく水準を切り上げる流れとなる可能性も。下方向へは21日移動平均線(9662)近辺までが浅めのサポート、上昇軌道を維持する90日移動平均線(9555)近辺までが当面のサポートに。
週間ベースでは+182円、1.91%の大幅反発。
プラチナ価格は-33円、0.72%の安で3日続落。7月28日(4549)以来、1週間ぶりの安値。4540円台から4720円までのレンジで急落、急反発、そしてまた急反落と乱高下。下値警戒感が高まる状態となって週明けに4540円台の節目を割れるようなら、さらに大幅安へと向かう流れとなる可能性も、4450円程度までが当面の下値目安に。4720円超へと切り返すことがあれば形成逆転となって上値トライへ、4850円近辺までを目標に一段高の展開にも。
週間ベースではわずかに+1円、0.02%の小反発。
※参考:金プラチナ国内価格8/4とチャート
2023年8月4日(金)時点の相場
国内金:9,711 円 8/4(金) ▼45(0.46%)
国内プラチナ:4,550 円 8/4(金) ▼33(0.72%)
NY金:1,968.8 ドル 8/3(木) ▼6.2(0.31%)
NYプラチナ:921.8 ドル 8/3(木) ▼8.6(0.92%)
ドル円:142.53 円 8/3(木) ▼0.81(0.57%)
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