更新日:2023年8月18日(金)
8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想の-10.0を大幅に上回る12.0。7月の-13.5からも急騰し、昨年8月(6.3)以来1年ぶりのプラス圏回復、昨年4月(13.1)以来、1年4ヵ月ぶりの高水準。
前月比+25.5ポイントはコロナショック直後の急回復局面となった2020年6月(+71.0)以来、3年2ヵ月ぶりの急騰。
前月比-20.1ポイントの急落で8月は-19.0となったNY連銀製造業景況指数とは逆行。
構成指数では、新規受注が7月の-15.9から8月は16.0へと急騰、1年5ヵ月ぶり高水準。出荷も-12.5から5.7へと急騰し、急回復を牽引。
ただし雇用は続落で-6.0となり、6ヵ月連続のマイナス圏推移と低調。仕入れ価格は3年ぶりの1桁へと低下した4月と7月から20.8へと急反発でインフレ鈍化一服の兆し。
また、期待指数は1年11ヵ月ぶり高水準となっていた7月の29.1から8月は3.9へと急低下。前月比-25.2ポイントはリーマンショック時の2008年10月(-31.4)以来、14年10ヵ月ぶりの急落。
堅調推移が続いて1年5ヵ月ぶり高水準となったNY連銀の期待指数とも逆行。
米国の2大主要地区連銀の製造業景況感は、現況も見通しも足並みが揃わない状況となっています。低迷期から、底打ち・回復局面へと移行する際の、産みの苦しみのような時期を迎えているのかもしれません。
17日のNY金は-13.1ドル、0.68%安となって9日続落。7月6日(1915.4)終値をわずかに下回って3月14日(1910.9)以来、5ヵ月ぶりの安値。9日続落は2017年3月以来、6年5ヵ月ぶり。前日NY市場から続いた軟調局面はこの日のアジア時間序盤まで続き、1920ドル近辺まで下げて折返し。ロンドン市場にかけて1920ドル台後半へと自律反発、ドル安の流れとなったNY朝には高値で1930ドル台前半まで上昇。しかし米10年債利回りが4.3%台回復へと反発し、ドル高に転じた流れにも連れて巻き戻し、NY午後には1920ドルを割れて一段安、安値では1910ドル台半ばまで下落。NY引け後の時間外には1920ドル付近へと自律反発の兆しにも。1960ドル台の節目割れに伴う短期下値目安の第二目標1920ドル近辺にしっかり到達し、下げ止まれるかという状況に。約15年ぶり高水準となっている米10年債利回りとともにドル高にも一服感が見られ始める状況が続けばいったん下げ止まりへ。なお、6月安値1900.6ドルは中期的にも重要なサポート水準となる可能性。
NYプラチナは+4.3ドル、0.48%高で5日ぶりの反発。アジア時間序盤に880ドル台半ばの安値をつけて切り返し。わずかに前日安値こそ下回ったものの今年安値となった15日安値は下回らず、3日連続880ドル台で下げ渋る形となって底打ちへの可能性を示唆する展開にも。ロンドン市場ではユーロドルの急騰に追随する格好となって890ドル台から900ドルの大台回復へ、NY朝には9日移動平均線(904.3)も上抜けて高値では910ドル台前半まで上昇。しかしこの流れも続かず、巻き戻しとなってNY午後にかけて900ドルの大台割れへ。それでもNY引け後には890ドル台半ばで下げ渋って大台回復再トライの兆しにも。結果的に890ドルの節目をなんとか維持しながらも反発には転じ切れない状態、底打ちに向けては9日線上抜けから。
ドル円は49銭のドル安円高、0.33%安となって9日ぶりの反落。8日続伸で9ヵ月ぶり高値水準まで上昇した前日までの勢いで、東京朝には146円20銭台から50銭台まで一段高。これが高値となって失速も、東京市場では146円40銭近辺で下げ渋り、欧州時間にはユーロ高ドル安の流れにも連れて軟調推移。146円を割れるとNY朝には145円60銭台まで下落。失業保険申請件数やフィラデルフィア連銀製造業景況指数の好結果などを受けての反発も146円には届かず、ただし反落後も145円60銭付近で下げ渋ると徐々に切り返し、米10年債利回り上昇にも連れてNY午後には146円30銭付近まで反発。しかしNY終盤にかけては米株の下落などとともに米10年債利回りが4.3%割れへと急低下した流れにも連れ、再び145円60銭台まで急反落。結果的に昨年10月高値(151.94)から今年1月安値(127.21)の76.4%戻し(146.10)達成後に上値トライ一服、調整局面形成へ。目先、9日移動平均線(144.73)近辺までは浅めの調整目安にも、146円40銭超へと切り返す展開となった場合には147円台前半までのの一段高も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/17終値とチャート
18日の国内金価格は-55円、0.56%の反落。21日移動平均線(9720)とこれを下抜けつつある9日移動平均線(9720)をまとめて下抜け、高値圏での小幅保ち合い下放れ。9730円の節目割れに伴う短期下値目安は7月末安値(9529)から8月高値(9831)の半値戻し(9680)辺りまで。ただし、短中期的には下値警戒感も強まりつつあり、次週に向けてNY金が下げ止まらないような展開となった場合には一段安へと向かう流れにも。
週間ベースではわずかに+1円、0.01%の小反発。
プラチナ価格は+54円、1.2%高で4日ぶりの反発。2月安値(4289)から5月高値(5197)の76.4%戻し(4503)となる4500円近辺は過去のサポート水準にも相当する重要水準。8月前半には一時的にこれを下回ったものの、今回はこの水準でしっかり下げ渋って反発に転じた可能性。右肩下がりの9日移動平均線(4532)もしっかり上抜けたことで、目先は4590円の節目との攻防にも。これを突破できれば一段高の展開へ、4700円の大台回復が短期目標に。
週間ベースでは+96円、2.15%の反発。
※参考:金プラチナ国内価格8/18とチャート
2023年8月18日(金)時点の相場
国内金:9,696 円 8/18(金) ▼55(0.56%)
国内プラチナ:4,557 円 8/18(金) ▲54(1.20%)
NY金:1,915.2 ドル 8/17(木) ▼13.1(0.68%)
NYプラチナ:895.6 ドル 8/17(木) ▲4.3(0.48%)
ドル円:145.85 円 8/17(木) ▼0.49(0.33%)
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