更新日:2023年8月29日(火)
FF金利は7月FOMCで5.25-5.50%まで引き上げられ、利上げ打ち止めか、もしくは年内あと1回の追加利上げで利上げフェーズ終了かという状況に。いずれにしても市場コンセンサスとしては最終段階に。
FF金利としては、2001年2月以来、22年5ヵ月ぶりの高水準となっています。今世紀最高水準まで引き上がられたFF金利は、いつピークアウトしてもおかしくはない状況とも言えそうです。
米10年債利回りは先週、4.33%台まで上昇し、2007年11月6日(4.38)以来、15年9ヵ月ぶりの高水準に。いっぽう、2年債利回りは先週末に5.078%台まで上昇し、2007年6月14日(5.098)以来、16年2ヵ月ぶりの高水準。
長短金利差(10年債-2年債)としては、7月初旬に-1.083%までマイナス幅を拡大。長短金利逆転の逆イールド幅としては少なくとも2000年以降では最大、今世紀最大。そして8月末現在では-0.84%台まで縮小し、逆イールド状態はピークアウトした可能性を示す状態となっています。
また、逆イールド期間は現状、2022年7月以降、現時点で301営業日連続。過去、比較的長期間連続で逆イールドとなった2006年8月から2007年3月までの連続150日の2倍。2000年2月から12月までの223営業日連続も大きく上回り、逆イールド連続期間としても今世紀最長を更新中。
逆イールド発生後にリセッション入りを繰り返してきた歴史が、今回に限っては繰り返されない可能性も取り沙汰されてはいますが、リセッション入りの有無に関わらず、逆イールド解消方向へと向い始めた現状、FF金利のピークアウトとともに米長短金利もピークアウトが近づいている可能性も高まります。
週明け28日のNY金は+6.9ドル、0.38%高で3日ぶりの反発。時間外から1940ドル台前半での小幅保ち合い推移が続き、NY朝につけた安値も1940ドルまで。米10年債利回りが低下傾向となった流れにも連れ、反発局面ではNY午後に1950ドル台半ばまで小幅に急騰。ただし1950ドル台を維持できず、下落基調が続く20日移動平均線(1947.2)との攻防状態へ。短期的な流れは好転へと向かいつつあり、20日線と1950ドルの節目をしっかり超えることができれば一段高への可能性も拡大、1970ドル台辺りまでが短期上値目標に。ただし雇用、インフレ関連指標結果に大きく影響を受ける可能性も。下方向へは1930ドル台がサポートとなり、割れると1900ドル付近を目安に下値トライ再開へも。
NYプラチナは+24.0ドル、2.53%高となって5日続伸。7月25日(976.6)以来、1ヵ月ぶりの高値。5日続伸は7月以来、1ヵ月ぶりで今年4度め。950ドル近辺での小動きからロンドン市場で940ドル台前半まで小幅に下押し後に反発。NY朝には金の反発局面に追随、勢いでは上回って970ドル台へと急騰。NY午後には970ドル台後半まで上昇し、反落局面でも970ドル台を維持してNY引け後にも977ドルまで上昇。7月高値(1003.7)から8月安値(882.6)の61.8%戻し(957.4)では上げ止まらず、76.4%戻し(975.1)も達成。過熱感も高まる状態で一服感を振り切って、さらに上値トライへと向かうようなら100%戻しへ。
ドル円はわずかに7銭のドル高円安、0.05%の小幅高で3日続伸。昨年11月7日(146.65)以来9ヵ月半ぶりの高値圏での小康状態に。イベントの狭間となったこの日は値動き縮小、変動値幅は47銭にとどまり、今年の平均1.38円の3分の1、今年2番めの小動き。146円台半ばを中心に東京市場終了後の146円20銭台が安値となり、NY市場でつけた高値も146円70銭台まで。週末高値をわずかに上回って今年高値を更新も、戻り売り圧力も強い状態。週末に146円40銭の節目を上抜けた状態を維持し、流れとしては上値トライ優勢で短期上値目標は8月17日高値(146.55)から23日安値(144.55)までの161.8%戻し(147.79)近辺、147円台後半まで。ただし、指標結果次第という状況にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/28終値とチャート
29日の国内金価格は+27円、0.27%高で4日続伸。3日連続、今年22回めの過去最高値更新。NY金の反発とドル円の下げ渋りに押し上げられ、9760円の節目上抜けに伴う短期上値目標第二段階、9850円台到達後の一服感も振り切っての一段高。短期的には上昇チャネル上限付近に到達したことから多少の調整は入りやすい状況も、過熱感も高まらない状態で重要指標ウィークを迎えたことから、さらなる行き過ぎも想定可能。と同時に急反落も警戒される状況にも。9730円台が当面の下値サポート、これを割れると9600円付近までが下値目安に。なお、短中期的な行き過ぎ目安としては11000円超えも。
プラチナ価格は+98円、2.03%高となって8日続伸。6月8日(4988)以来、2ヵ月半ぶりの高値。8日続伸は今年最長で2021年2月以来、2年半ぶり。今年高値となった5月高値(5197)から8月安値(4461)の半値戻し(4829)、一目均衡表の雲の上限(4852)も突き抜けて61.8%戻し(4916)に到達。過熱感も高まり、通常なら調整必至の状況も、イベントウィークで三役好転の強気相場入りの勢いが続くようなら76.4%戻し(5023)に向けて、5000円の大台トライが意識される可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格8/29とチャート
2023年8月29日(火)時点の相場
国内金:9,886 円 8/29(火) ▲27(0.27%)
国内プラチナ:4,916 円 8/29(火) ▲98(2.03%)
NY金:1,946.8 ドル 8/28(月) ▲6.9(0.36%)
NYプラチナ:972.2 ドル 8/28(月) ▲24.0(2.53%)
ドル円:146.52 円 8/28(月) ▲0.07(0.05%)
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