更新日:2023年10月16日(月)
イスラエルとハマスとの紛争激化から1週間、戦時内閣が発足したイスラエルのネタニヤフ首相はイスラム組織ハマスを壊滅するとの発言。ガザ市界隈から60万人余りがガザ南部へと移動したとも伝えられ、イスラエル軍によるガザへの大規模地上作戦開始への警戒感も高まる10月第3週の週明け。
地政学リスクが高まる状況下で安全資産として急速に買われたNY金は週末には1940ドル台半ばまで急騰し、週明け時間外は1930ドル台半ばへと若干落ち着きを取り戻す状況のようにも。NYプラチナは週末の880ドル台後半から週明けは890ドルの攻防へ。安全資産としての魅力が以前よりも低下したかもしれず、リスク回避の円高が限定的にとどまるドル円は週末の149円50銭台から週明けは40銭台へと水準を切り下げてのスタート後に60銭台まで上昇、その後は50銭を挟んでの攻防状態。「円安はファンダメンタルに沿った動きであり、介入要件を満たさない」とのIMF幹部の発言もドル円高止まり要因の一つを象徴。
そんな状況で急落後に急反発局面を形成した16日の国内金価格は週末から+262円、2.66%の大幅高で3営業日続伸。9月21日以来16営業日ぶり、今年28回めの過去最高値更新。上げ幅としては今年の絶対値平均47円の5.5倍、今年最大で2020年3月25日(+264円、4.33%)以来、3年7ヵ月ぶりの急騰。週末のNY金急騰を受けての急騰となり、8月末以降拡大し続ける保合いレンジのの上限、節目の10040円を上抜けたことに伴う短期上値目標としては、9月高値(10063)から10月安値(9512)までの123.6%戻し(10193)近辺、10200円付近まで。
一目均衡表では三役好転から逆転、そしてまた好転へ、下へ上へとめまぐるしく状況が変わる乱高下状態で保合いレンジを拡大。下限は9510円近辺の水平ラインを維持しながらも上限ラインは5月の9600円台から9月には9900円台、1万円台、そして10月には1万100円台へと水準を切り上げる、逆三角保合いを形成。目先、いったんは反落への可能性も高まり、短期間で600円超の下落も警戒される反面、再び最高値更新へと向かう可能性も想定される、予測不能な逆三角保合い状態に。
プラチナ価格は+68円、1.49%の反発。弱気パーフェクトオーダーの勢いで4500円近辺までを短期下値目安に軟調局面が続くかに見えた流れは、またしても巻き戻し。ゆるやかに下降する9日移動平均線(4571)を挟んで上下動を繰り返す方向感喪失状態となり、金価格にも追随する格好で小さな逆三角保合いの様相にも。目先、4640円超へと抜け出すことになれば短期的には一定の上値トライへと向かいやすい状況に。短期上値目標は8月高値(4965)から10月安値(4484)の半値戻し(4725)近辺まで。逆に4550円割れへと反落なら下値トライへ、4450円程度までが短期下値目安にも。
一目均衡表では基準線(4650)を下回るも転換線(4560)を上回り、二役逆転で一役は揉み合い状態。短期的にも中期的にも、概ね横ばい推移傾向のように見える状態ながら、上値切り下げ圧力のほうが強い軟調局面のようにも。短期的にも中期的にも、比較的強めのサポートを形成しているようにも見える4500円近辺は、重要なサポート水準。複数の抵抗線候補が集中する4700円近辺を突破できず、4500円近辺を維持できなくなるようだと中期トレンドも大きく崩れることにも。
※参考:金プラチナ国内価格10/16とチャート
2023年10月16日(月)時点の相場
国内金:10,124 円 10/16(月) ▲262(2.66%)
国内プラチナ:4,620 円 10/16(月) ▲68(1.49%)
NY金:1,941.5 ドル 10/13(金) ▲58.5(3.11%)
NYプラチナ:884.2 ドル 10/13(金) ▲8.4(0.96%)
ドル円:149.59 円 10/13(金) ▼0.21(0.14%)
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