更新日:2023年10月25日(水)
米欧の景況感は10月に逆行。
米国の製造業PMIは10月速報で50.0。9月の49.8から上昇し、続伸で半年ぶりの高水準。拡大と縮小の節目、好不況の境目となる50ポイントを回復するのも半年ぶり。
サービス業PMIは9ヵ月連続50超維持で3ヵ月ぶり高水準となる50.9。結果、総合PMIも51.0で3ヵ月ぶりの高水準。節目50超は9ヵ月連続。8-9月の50.2で節目割れを回避し、反発の兆しに。
インフレ鈍化や需要回復を背景に上向きの兆しとなった米国の総合PMIに対し、ユーロ圏は低迷状態から抜け出せず、逆に一段安の兆しにも。
ユーロ圏総合PMIは10月速報値で46.5。市場予想の47.3を下回り、9月の47.2からも低下。5ヵ月連続の節目50割れとなって2年11ヵ月ぶりの低水準。
ドイツは45.8。2ヵ月ぶり低水準で4ヵ月連続50割れ。直近1年間では2番めの低水準。
フランスは45.3。2ヵ月ぶり高水準も、5ヵ月連続50割れ。2年11ヵ月で2番めの低水準。
ユーロ圏のサービス業PMIは47.8。需要減が続いて3ヵ月連続50割れ、2年8ヵ月ぶりの低水準。
ドイツは48.0。2ヵ月ぶりの低水準で2ヵ月ぶりの50割れ。
フランスは46.1。3ヵ月ぶり高水準も、直近2年8ヵ月では3番めの低水準。5ヵ月連続の50割れ。
ユーロ圏の製造業PMIは43.0。見通しも悪化し、続落で3ヵ月ぶり低水準。16ヵ月連続の50割れ、コロナ後3年5ヵ月で2番めの低水準。
ドイツは40.7。16ヵ月連続50割れも4ヵ月ぶりに40台回復、3ヵ月続伸で5ヵ月ぶりの高水準。ユーロ圏最低レベルの推移は続くものの、底打ちの可能性も示唆。
フランスは42.6。3年5ヵ月ぶりの低水準。9ヵ月連続の50割れ。
ユーロ圏10月はサービス業も製造業も低調、国別ではドイツもフランスも低調。
PMIは節目の50を境に米欧で明暗。ドル高ユーロ安のサポート材料にも。
24日のNY金は-1.7ドル、0.09%の続落。アジア時間には1980ドル台半ばから1990ドル台前半まで小幅に上昇してこの日の高値、前日高値に少し届かず失速すると、ロンドン市場にかけてはユーロ圏10月PMIが低調となったことを受けてのユーロ安ドル高の流れにも連れて軟調推移。前日安値を下回る1960ドル台半ばまで急落するとNY朝には1970ドル台まで戻して下げ渋り、NY午後には米10年債利回り低下どともにドル高一服となった流れで1980ドル台半ばへと反発。2日連続で下ヒゲ十字線に近い足型を残して下げ渋り、過熱感とともに高止まり。調整局面進行なら下げ止まった90日移動平均線(1938.8)近辺までが当面の下値サポート候補に、これを下回って1930ドルの節目も割り込んだ場合には1900ドルの大台ライン近辺までが下値目安。1990ドル台の抵抗水準を突破して上値再トライなら2020ドル程度までの一段高へも。
NYプラチナは-13.1ドル、1.45%の続落で10月13日(884.2)以来、10日ぶりの安値。アジア時間には900ドル近辺から上値トライ、前日高値をわずかに上回りながらも910ドルの節目には届かず、ロンドン序盤にかけての再トライでも910ドル付近で跳ね返されると戻り売り。900ドルの大台をあっさり割れると一段安、890ドルの節目との攻防へ、NY朝には880ドル台半ばの安値をつけながらも下げ渋り、NY午後には890ドル台を回復。結果的には890ドルの節目割れを回避、20日移動平均線(892.2)にもサポートされて910ドルの上限までの主要レンジを維持。保合い上抜けなら930ドル台までを短期目標に一段高へ、下抜けの場合には870ドル近辺までの一段安へ。
金との価格差は1094.2ドルとなって過去最大を更新。
ドル円は18銭のドル高円安、0.12%の反発。東京朝には149円60銭台から80銭手前まで上昇して戻り売り、149円50銭の下値サポート近辺で下げ渋ると午後には70銭台へと反発。東京市場終了と同時に売り圧力が強まると149円30銭台まで下落、しかし149円50銭の節目割れでは下げ渋る展開となり、欧州時間にかけては徐々に反発へ。米10年債利回り上昇とドル高の流れが強まり、NY朝には149円80銭台へ。米10月PMIが予想以上に好結果となったことも好感され、高値では149円90銭台まで上昇。結果的に20日移動平均線(149.42)にも下値を支えられ、149円50銭の節目も維持し、150円トライへの可能性も継続。隙あらば150円台半ばまでの一段高トライをうかがう態勢、その一方で149円50銭の節目を維持し切れなくなれば148円付近までの調整へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/24終値とチャート
25日の国内金価格は+6円、0.06%の小幅高で3日ぶりの反発。最高値圏でのほぼ横ばい推移が続いてRSIは90.0。昨年高値8860円まで連日の当時最高値更新で急騰局面を形成した4月以来、1年半ぶりの高水準。当時、反動安となった1ヵ月後には7%超の下落に。現状はもう一段の過熱も否定できず、最高値再更新へと向かえば10450円程度までが短期上値目標。当面の調整水準候補としては10月安値(9512)から最高値(10400)の23.6%戻し(10190)近辺も。
プラチナ価格は-40円、0.85%安で4日ぶりの反落。直近高値を超えられず、4700円の節目手前で失速する格好となって90日移動平均線(4664)を再び下回り、9日移動平均線(4644)も下抜け。それでも、ゆるやかに下降する21日移動平均線(4633)は下回らず、4630円台の節目割れは回避。これを維持できなくなれば短期トレンド崩れの可能性も、4570円程度までが下値目安に。上方向へ4680円超へと切り返すことができれば上値トライ再開へ、4760円近辺までが短期上値目標に。
金との価格差は5754円となり、20日と並び過去最大。
※参考:金プラチナ国内価格10/25とチャート
2023年10月25日(水)時点の相場
国内金:10,394 円 10/25(水) ▲6(0.06%)
国内プラチナ:4,640 円 10/25(水) ▼40(0.85%)
NY金:1,986.1 ドル 10/24(火) ▼1.7(0.09%)
NYプラチナ:891.9 ドル 10/24(火) ▼13.1(1.45%)
ドル円:149.89 円 10/24(火) ▲0.18(0.12%)
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