更新日:2023年10月30日(月)
イスラエルのネタニヤフ首相はハマスとの戦闘が「第2段階」に入ったと表明し、地上侵攻は「長く難しい」とガザでの軍事作戦長期化を示唆。ロシア-ウクライナ戦争長期化が懸念されるなか、ガザ紛争激化は周辺の中東地域や関係国を巻き込んでの危機拡大も懸念され、世界経済へのリスク要因拡大と長期化が警戒される状況に。この状況が続いたまま、あるいは一段と悪化して迎えることにもなりかねない1年後の米大統領選。単独でも十分なリスク・イベントへの警戒感も倍増しそうな、波乱の時代は既に始まっているのかもしれません。
そんな状況下で買われ続ける安全資産の金。円安時代に突入した日本国内では一段高となり、国内金価格はグラム単価1万円時代に。
10月末の週明け、時間外のNY金は一時2010ドル割れを試しながらも2010ドル台半ばへと反発、先週末からはわずかに水準を切り下げて2010ドル台前半での推移。NYプラチナは910ドル台前半が高値となり、先週末からわずかに軟調、910ドル維持をかけた攻防状態から。ドル円は週末の149円60銭台から70銭台へとドル高円安へとやや反発基調でスタート。
30日の国内金価格は+61円、0.58%高で4日続伸。3日連続、今年34回めの過去最高値更新。2週間前の16日に1万円の大台を回復して以降、1万円超は11営業日連続。10月の全営業日数21日のうちの過半数での1万円超えが確定し、月間平均でも史上初の1万円超えが確実に。RSIは95.0%で高止まり、リスク要因も高止まりでNY金も2000ドル超での高止まり、ドル円も週末の調整から下げ渋って150円付近での高止まり。日米英の金融政策会合と月末月初の重要指標ウィークが重なった週末には雇用統計。平常時に考えられる最大のリスク・イベント・ウィークと言える週、わずかなきっかけでの大幅変動も警戒される状況にも。当面の下値サポートは9日移動平均線(10836)も推移する10380円台。これを割り込んだ場合には10月安値(9512)からこの日の最高値(10544)までの23.6%戻し(10300)近辺までが調整目安に。想定可能な一段高の目安としては、9月高値(10063)から10月安値の200%戻し(10614)。
一目均衡表では三役好転が続いて一段高、基準線(10028)を大きく上回る転換線(10341)を200円超上回る高騰状態。短期サポートとなりうる転換線は7日連続1万円超、短中期サポート候補となる基準線も初めて1万円超え。先行する雲の上限は11月末に1万円超え、雲の下限も12月には1万円超え。一目均衡表でも、年末に向けて1万円時代到来の様相に。
プラチナ価格は-21円、0.44%安で3日ぶりの反落。4680円の節目上抜けに伴う短期上値目標4760円近辺を目指した流れは失速、週末には4743円まで上昇し、10月2日の4741円をわずかに上回って10月高値更新で力尽きた格好。短期上昇トレンドを下支えしてきた9日移動平均線(4684)にサポートされ、目先の上限4750円超への再トライとなれば、4790円近辺へ、4800円付近を上値目標に上昇トレンド再開へ。
金との価格差は5822円となって過去最大を更新。
一目均衡表では、基準線(4628)を上回る転換線(4690)を上回り、雲の上限(4722)にはちょうどサポートされた状態、遅行線は26日前の価格(4767)を下回り、ギリギリ二役好転。中期的には3月安値を起点に下値を切り上げ、5月高値からは上値を切り下げる三角保合いを形成中。短期的には8月末高値から上値を切り下げてきた抵抗線を突破し、10月安値を起点に下値を切り上げるサポートラインに支えられて短期上昇トレンドを維持。11月には雲の抵抗帯にサポートされて4800円トライへと向かうことができるかどうか、中期トレンド好転をかけた攻防となる可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格10/30とチャート
2023年10月30日(月)時点の相場
国内金:10,544 円 10/30(月) ▲61(0.58%)
国内プラチナ:4,722 円 10/30(月) ▼21(0.44%)
NY金:1,998.5 ドル 10/27(金) ▲1.1(0.06%)
NYプラチナ:905.8 ドル 10/27(金) ▼3.2(0.35%)
ドル円:149.64 円 10/27(金) ▼0.75(0.50%)
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