更新日:2023年11月10日(金)
市場予想を下回り、前週からも小幅に減少した新規失業保険申請件数は21.7万件。ほぼ9ヵ月ぶり低水準となった10月半ばの20.0万件を若干上回る水準での推移が継続。トレンドを示す4週移動平均では21.23万件となり、3週続伸で7週ぶりの高水準。
失業保険継続受給者数も183.4万人となって7週続伸、6ヵ月半ぶりの高水準。4週移動平均では178.9万人。5週連続の増加で5ヵ月ぶりの高水準。
4週移動平均での推移を見ると、新規失業保険申請件数ではコロナ直前の水準(21万件)を下回った2022年9月末に大底をつけて反発。一度はコロナ直前水準を上回るも再び減少、それでも2023年2月には二番底をつけて再び増加。ところが2023年6月にはまたしても頭打ちとなって減少へ。そして現状、2023年10月に三番底をつけて反発トライへ。
継続受給者数もコロナ直前の水準(188万人)を2021年末に下回り、2022年9月末に大底をつけて反発。2023年4月にはコロナ直前水準付近まで増加して頭打ち、再び減少へ。そして現状、2023年10月に二番底をつけて反発トライへ。
新規失業保険申請件数はコロナ直前水準がほぼ大底レベルとなり、これを小幅ながら3回下抜け、その都度下げ渋って反発基調へ。
継続受給者数は元々コロナ直前水準が大底ではなく、これを大きく下回った2022年に大底をつけ、その後は反発基調が進行中。
米労働市場は(利上げ効果もあり)、紆余曲折を経てゆっくりと、悪化傾向が進行し始めています。
9日のNY金は+12.0ドル、0.61%高となって4日ぶりの反発。アジア時間には1960ドルまでの小反発で戻り売り、ロンドン市場にかけて前日安値を下回り、一時1950ドル割れを試す場面も。しかし1950ドルで下げ渋る状態が続くとNY市場ではドル安の流れにも連れて1960ドル台へと急反発。ドル安一服から巻き戻しとなったNY午後も堅調を維持して高値では一時1970ドル超え。1980ドルの節目割れに伴う短期調整目安1950ドル近辺到達による達成感から、200日移動平均線(1948.0)にも下値を支えられての反発局面も、NY引け後にはパウエルFRBの議長の「必要なら一段の政策引き締めも躊躇しない」発言を受けて1960ドル台前半へと失速。下値トライ一服状態で次週のCPI待ちへ、目先の下値サポートとなる1950ドルを維持し切れなくなった場合には1930ドル台辺りまでを目安に一段安の展開へ。20日移動平均線(1979.5)が推移する1980ドル近辺が目先のレジスタンス候補に。
NYプラチナは-8.7ドル、1.0%安で4日続落。10月5日(862.5)以来1ヵ月ぶり安値圏での一段安。時間外序盤の870ドル台後半が高値となって軟調推移、ロンドン・NY市場では870ドル割れをかけた攻防もNY午後には860ドル近辺へと軟調推移、安値では一時860ドル割れ。短中期的に重要な節目890ドルを割り込んだことによる下値トライが進行し、短中期下値目安候補となる10月安値圏850ドル近辺にほぼ到達した格好。二番底をつける形でいったん底打ちとなる可能性も比較的高そうに見えるものの、CPI後のNY金一段安への連れ安など、不測の事態で下げ止まらない場合には昨年安値圏800ドル近辺までが意識される展開にも。
金との価格差は1107ドルへと急拡大で過去最大を更新。
ドル円は37銭のドル高円安、0.25%高で4日続伸。33年4ヵ月ぶり高値となった10月31日(151.70)以来の高値水準で堅調推移。151円ラインとの攻防は前日NY市場以降、この日の東京時間からNY午前まで続き、150円80銭近辺を安値に保合いの形で東京午前には151円ちょうど付近まで、午後には一時151円10銭付近まで上昇も失速、欧州時間には151円10銭台へと水準を切り上げながらもNY市場では151円割れへ。しかしNY午後にはパウエルFRBの議長の追加利上げを否定しないことを示唆する発言を好感する形で151円再トライ、NY終盤にかけて151円30銭台へと一段高。利上げ打ち止めへと傾斜しつつあった市場の思惑もややタカ派方向へと持ち直し、失速状態にあったドル円の短期トレンドも持ち直し。次週、10月CPIの結果次第では上値トライへも、151円80銭超へと抜け出すようなら一段高の流れへ、153円台後半までが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/9終値とチャート
10日の国内金価格は+78円、0.75%高となって6日ぶりの反発。10460円の節目割れに伴う高値保合い崩れと小さなダブルトップ完成に伴う短期下値目安10400円近辺到達後の若干の行き過ぎからの巻き戻しとなり、週初11月6日(10468)以来の高値水準。21日移動平均線(10333)手前で反発も、9日移動平均線(10462)には届かず。次週、CPIまでは高値保合い維持の様相も、10350円の下限を割り込むようだと10月安値(9512)から10月最高値(10544)の23.6%戻し(10300)近辺までの下値切り下げも。
週間ベースでは-74円、0.7%安となって5週ぶりの反落。
プラチナ価格は-35円、0.76%安で6日続落。10月13日(4552)以来、1ヵ月ぶりの安値。6日続落は2ヵ月ぶりで今年3度め。10月安値(4484)から11月高値(4923)の76.4%戻し(4588)も達成してなお一段安。次のサポート候補は10月中旬安値(4552)と10月安値。短期的にはトレンド崩れの状態も、中期的には2月安値(4289)から5月高値(5197)の76.4%戻し(4503)近辺を維持できれば中期保合い継続へ。
金との価格差は5862円となって過去最大を更新。
週間ベースでは-297円、6.1%安で5週ぶりの反落。2021年11月29日からの週(-276円、6.91%)以来、2年ぶりの急落。下げ幅では2020年9月21日(-298円、8.61%)以来、3年2ヵ月ぶりの大幅安。
※参考:金プラチナ国内価格11/10とチャート
2023年11月10日(金)時点の相場
国内金:10,431 円 11/10(金) ▲78(0.75%)
国内プラチナ:4,569 円 11/10(金) ▼35(0.76%)
NY金:1,969.8 ドル 11/9(木) ▲12.0(0.61%)
NYプラチナ:862.8 ドル 11/9(木) ▼8.7(1.00%)
ドル円:151.35 円 11/9(木) ▲0.37(0.25%)
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