更新日:2023年12月8日(金)
参院財政金融委員会で7日、植田日銀総裁の年末から来年にかけて「一段とチャレンジング」発言を受けて日銀のマイナス金利早期解除観測が台頭。前日の氷見野日銀副総裁発言に続いた格好で為替市場では円全面高の展開に。
米雇用指標ウィークを経て次週、CPI確認を経て今年最後のFOMCと続き、その結果次第では大幅変動も警戒された為替市場はフライングで大荒れ模様。チャレンジングな円高が急速に進行。
米雇用指標ウィーク第3弾、失業保険の動向は強弱混在。
新規失業保険申請件数は上げ渋り、継続受給者数は増加が続く状況。
2日までの週の新規失業保険申請件数は、4週移動平均で22.08万件。4週連続22.0万件台で横ばい推移。コロナ直前の水準21万件付近で上げ渋る状態となり、労働市場の底堅さを示す格好に。
一方で11月25日までの失業保険継続受給者数は、4週移動平均で187.2万人。9週連続で増加、2021年12月11日までの週(188.8)以来、ほぼ2年ぶりの高水準。
コロナ直前の水準188万人にもほぼ到達。ようやくコロナ前の水準で堅調との見方もできる反面、188万人は単なる通過点に過ぎず、大底をつけての増加局面、悪化傾向が続く状況で今後の労働市場悪化を示唆する可能性も。
今後の利下げサポート要因の一つとなる可能性も。
7日のNY金は-1.5ドル、0.07%の小反落。最高値圏での急騰・急反落後に反発となった前日の流れは続かず、しかし戻り売りともならず、2040ドル台を中心に保ち合い推移となってイベント前の小休止状態。ロンドン・NY朝にかけては2050ドル台へと反発継続トライも高値は2050ドル台後半まで、反落でNY午後につけた安値も2030ドル台後半まで、NY引けにかけては2040ドル台半ばへと収束。引き続き2030ドルが下値サポートでこれを割れると戻り売り、10月高値圏2010ドル台までが短期下値目安に。上方向には2050ドル台での抵抗感が増す状態。
NYプラチナは+18.2ドル、2.05%高となって4日ぶりの反発。アジア時間に前日安値をわずかに下回りながらも890ドル割れを回避して切り返し。ロンドン市場では900ドルの大台回復トライ、NY市場ではこれを突破して一段高、高値では一時920ドル手前まで上昇、NY引け後には910ドル維持をかけた攻防状態。結果的に920ドルの節目割れに伴う短期下値目安860ドル近辺に対しては890ドルまで、ちょうど半分の下落にとどまって折り返し。直近の節目920ドルが今度は抵抗水準となる可能性、これを突破できれば11月高値圏再トライのチャンスも。反面890ドルを維持できないようだと870ドル程度までの下値再トライへも。
ドル円は318銭のドル安円高、2.16%の大幅反落で8月9日(143.72)以来、4ヵ月ぶりのドル安円高水準。下げ幅としては今年安値へと急落局面を形成した1月12日(-319銭、2.41%)以来、11ヵ月ぶりで今年2番めの急落。東京朝の147円30銭近辺が高値となって軟調推移、147円割れから植田日銀総裁発言を受けて下げ幅を拡大へ。欧州時間には146円割れから145円割れ、NY午後にはストップロスを巻き込むような展開となって144円割れからの急落で一時141円60銭台まで下落。8月7日安値(141.53)以来ちょうど4ヵ月ぶり安値をつけて切り返し。NY終盤には144円台を回復も、今朝の東京市場では再び143円割れを試すなど荒れ模様。7日の変動値幅は566銭となり、今年の平均128銭の4.4倍、今年最大で昨年12月20日(692銭)、YCC修正で黒田ショックとなった日以来、ほぼ1年ぶりで再び日銀ショックを警戒しての大幅変動。水準としては7月安値(137.24)から11月高値(151.91)の61.8%戻し(142.84)を達成。さらなる下値警戒水準としては76.4%戻し(140.70)も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/7終値とチャート
8日の国内金価格は-253円、2.41%の大幅反落で10月18日(10138)以来、約2ヵ月ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均50円の5倍、12月5日(-274円、2.53%)に続いて今年2番めの急落。10460円の節目割れに伴う短期下値目安10400円近辺を突き抜けて11月安値も下抜け。10月安値(9512)から最高値(10819)の38.2%戻し(10320)も達成。一段安なら50%戻し(10166)辺りまでが警戒水準にも。なお、現状水準は今年5月から10月まで保ち合いレンジを拡大し続けた逆三角保合い上限ラインの延長線上に位置し、一目均衡表の雲の上限などにもサポートされそうな状況ながら、為替の大荒れが続く状態で雇用統計と週末を通過すると、もう一段レンジが切り替わる可能性も。場合によっては61.8%戻し(10011)、大台ライン近辺までが意識される可能性も。
週間ベースでは-361円、3.4%の大幅反落。昨年7月4日からの週(-315円、3.65%)以来、1年5ヵ月ぶりの急落。下げ幅では2021年6月14日からの週(-376円、5.17%)以来2年半ぶり。
プラチナ価格は-31円、0.68%安で5日続落。11月13日(4521)以来、4週間ぶりの安値。5日続落は1ヵ月ぶりで今年5度め。10月安値(4484)と11月安値(4521)を結ぶラインの延長線上、短中期下値サポートライン(候補)が通過する4550円前後でいったんサポートされる可能性?という状態に。ここで下げ止まらない場合には今年3月安値(4407)から8月・10月安値を経由して下値を切り上げる中期サポートラインが通過する4500円近辺が強めの、かつ重要なサポート水準に。
週間ベースでは-239円、4.99%の大幅続落。11月6日からの週(-297円、6.1%)以来4週ぶりで今年3番めの急落。
※参考:金プラチナ国内価格12/8とチャート
2023年12月8日(金)時点の相場
国内金:10,249 円 12/8(金) ▼253(2.41%)
国内プラチナ:4,552 円 12/8(金) ▼31(0.68%)
NY金:2,046.4 ドル 12/7(木) ▼1.5(0.07%)
NYプラチナ:912.0 ドル 12/7(木) ▲18.3(2.05%)
ドル円:144.15 円 12/7(木) ▼3.18(2.16%)
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