更新日:2023年12月15日(金)
今年最後の中銀ウィークを通過した12月第3週、12月のNY金は14日時点で前月末比-12.3ドル、0.6%の下落。月初の急騰で過去最高値更新後は反動安となって急落、保ち合い局面を経て先週末には雇用統計の好結果を受けて一段安。そして今週のハト派FOMC通過で急反発。
しかし、12月は高値圏からのスタートとなった為に未だマイナス圏。
過去、2017年から2022年までは6年連続で12月は上昇してきたNY金。昨年までの21年間でも13勝8敗、勝率61.9%の高確率で12月は上昇しやすい月。季節特性としては1月の68.2%、8月と11月の63.6%に続いて上昇確率の高い月。なお、今年12月も上昇月となれば8月と11月に並び、上昇確率2位タイとなる勝負どころ。
過去20年余りの平均騰落率でも12月は昨年までで+1.44%。1月(+2.99%)、8月(+1.72%)、11月(+1.46%)に続いて4番目の好調月。今年12月が堅調なら3位浮上も不可能ではないレベル。なお、NYプラチナは14日時点で前月比+32.0ドル、3.42%の上昇。ただし14日の急騰がなければマイナス圏に沈んでいたところ。NYプラチナも昨年まで5年連続で12月は上昇。
史上最強月の1月(プラチナも上昇確率81.0%で1位)に向け、押し目形成のタイミングで7年ぶりの下落月へと甘んじるか、年末に向けて押し目買い継続となって7年連続上昇月へと転換できるか、NY金にとっては勝負の12月後半に。
14日のNY金は+47.6ドル、2.38%の大幅続伸で12月7日(2046.4)以来、1週間ぶりの高値水準。上げ幅としては今年の絶対値平均12.5ドルの3.8倍、今年5番めの急騰。前日NY引け後のFOMC結果を受けて2040ドル台へと急騰後は、ほぼ2040ドル台後半を中心に小幅保ち合い推移。ドル安の流れがやや強まったNY午前には一時2060ドル台へと小幅に急騰も、最高値となった12月4日(2152.3)以来10日ぶり高値をつけて失速するとNY午後には2050ドル割れ。2040ドル台前半では下げ渋るもNY引け後にも2050ドルラインの攻防。2050ドルの節目での抵抗感は意外と強く、勢いだけでは突破し切れない様子も。上昇軌道の20日移動平均線(2021.6)が引き続き目先の下値サポート候補、2050ドルのレジスタンスをしっかり超えることができれば11月高値圏、2070ドル台までが短期上値目標。
NYプラチナは+45.8ドル、4.97%の大幅反発で9月1日(968.7)以来、3ヵ月半ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均13.0ドルの3.5倍、今年最大で昨年11月10日(+57.5ドル、5.79%)以来、13ヵ月ぶりの急騰。前日FOMC後に940ドル台へと急騰後、アジア時間は940ドル台半ばで小康状態に。NY市場ではラガルドECB総裁が早期利下げの可能性を否定したことを受けたユーロ高の流れに追随する格好となり、960ドル台へと急騰。高値では一時970ドル台まで上昇し、930ドル台の節目超えに伴う短期上値目標970ドル程度に到達。短期的には上昇一服となりやすい状況ながら、半年ぶりに200日移動平均線(962.9)も上抜けて中期保ち合い上抜けの形となり、短中期的には1000ドルの大台回復トライへと向かう可能性も。
ドル円は101銭のドル安円高、0.71%安となって3日続落。8月4日(141.77)以来、4ヵ月ぶり安値圏での一段安。FOMC後の急落局面では、東京朝に142円ちょうど付近まで下げて142円90銭台まで反発。これがこの日の高値となって戻り売り、142円を割れると一段安となって東京午後には一時141円割れ。これが安値となり、7月安値(137.24)から11月高値(151.91)の76.4%戻し(140.70)手前でいったんは反発する格好に。欧州時間序盤にかけて142円10銭台まで戻しての反落は141円20銭台までにとどまり、NY市場では11月小売売上高や失業保険申請件数がいずれも予想外の好結果となったことを受けて142円20銭台まで反発。NY午後には米10年債利回り低下に引っ張られる格好となって141円40銭近辺まで反落も、NY終盤には142円回復トライへ。7ヵ月ぶりにあっさりと下抜けてしまった200日移動平均線(142.49)回復が下げ止まりへのポイントにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/14終値とチャート
15日の国内金価格は-23円、0.23%の反落。FOMC直後の流れでは、NY金の急騰一服に対してドル円急落後の一段安に足を引っ張られ、反発局面は失速。目先、10210円超へと切り返すことができれば10270円程度までの反発も、10140円の節目を維持できなくなれば一段安へ、90日移動平均線(10106)も割り込んで10100円割れトライへも。
週間ベースでは-67円、0.65%の続落。
プラチナ価格は+82円、1.76%の反発で12月4日(4762)以来、10日ぶりの高値。上下動を繰り返しながら水準を切り上げる展開となって反発局面が継続、90日移動平均線(4695)、21日移動平均線(4729)をまとめて上抜け。4720円の節目突破に伴う短期上値目標4770円程度まで、もう少しの上昇余地も。下方向へは4660円を割れると4600円近辺までの一段安にも。
週間ベースでは+194円、4.26%の大幅高で3週ぶりの反発。4ヵ月ぶりで今年4番めの急騰。
※参考:金プラチナ国内価格12/15とチャート
2023年12月15日(金)時点の相場
国内金:10,182 円 12/15(金) ▼23(0.23%)
国内プラチナ:4,746 円 12/15(金) ▲82(1.76%)
NY金:2,044.9 ドル 12/14(木) ▲47.6(2.38%)
NYプラチナ:967.9 ドル 12/14(木) ▲45.8(4.97%)
ドル円:141.91 円 12/14(木) ▼1.01(0.71%)
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