更新日:2024年2月14日(水)
2024年スタート月の消費者物価指数では、市場が期待するほどインフレ鈍化は進まず、ドル一段高となってNY金は急落。
1月CPIは前年比+3.09%。市場予想の+2.9%を上回り、前月からは0.26%の低下で7ヵ月ぶりの低水準。2年10ヵ月では2番めの低水準。
コアCPIは前年比+3.86%。これも市場予想の+3.7%を上回り、前月からは0.07%の小幅低下。10ヵ月連続の低下で2021年5月(3.80)以来、2年8ヵ月ぶりの低水準。
セクタ別では、サービス価格(ウェイト60.9%)が前年比+5.4%。前月から+0.1%上昇、1年8ヵ月では2番めの低水準。モノの価格(ウェイト18.9%)は前年比-0.3%。3年半ぶりの低水準。
主な項目別では、賃貸住宅(ウェイト7.87%)が前年比+6.1%。9ヵ月続落で1年7ヵ月ぶりの低水準。帰属家賃(ウェイト26.77%)は前年比+6.2%。9ヵ月続落で1年半ぶりの低水準。
クリーブランド連銀のメディアンCPIは前年比+4.85%。過去最高の昨年2月(7.08)から11ヵ月続落で1年11ヵ月ぶりの低水準。
16%トリム平均CPIは前年比+3.67%。過去最高の昨年9月(7.21)から16ヵ月続落で2年4ヵ月ぶりの低水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは前年比+4.61%。12月の+4.58%から小幅に上昇、1年11ヵ月では2番めの低水準。
インフレ鈍化は進行中ながら、その影響度が大きいサービス価格が依然高水準、帰属家賃なども高水準。
また、中央値や、固定的で価格変動が遅い、スティッキーな品目のインフレ率も高止まり、という状況が続きます。
13日のNY金は-25.8ドル、1.27%の大幅安で4日続落。1月17日(2006.5)以来、ほぼ1ヵ月ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均11.3ドルの2.3倍、1月3日(-30.6ドル、1.48%)以来、1ヵ月半ぶりで今年2番めの大幅安。2030ドル台前半での小康状態となったアジア時間から、ドル安基調となったロンドン市場では2040ドル台へと上昇。NY市場では米1月CPIの上ブレを受けて急反落。米10年債利回りが2ヵ月半ぶりに4.3%台へと急騰し、ドルインデックスも3ヵ月ぶりのドル高水準へと急騰した流れに連れて2010ドル割れへ、30ドル超の下落となり、NY午後には2000ドルの大台をなんとか維持して下げ渋った格好。2040ドルの節目割れに伴う短期下値目安2010ドル台に到達して若干のオーバーラン。短期的には軟調局面一服となりやすい状況も、追加のドル高材料などから2000ドルの大台を割れるような展開となった場合、中期的には1900ドル近辺を目指す流れとなる可能性も。
NYプラチナは-18.2ドル、2.03%の反落。前日の反発を帳消しとする下落で上下動を繰り返す鯨幕相場を形成。ロンドン市場でユーロドルとNY金の上昇にも連れて890ドル台から900ドルの大台超え、900ドル台半ばまで上昇したところで20日移動平均線(906.2)に上値を押さえられて失速。NY市場ではCPI結果を受けてのドル買い金売りの流れに同調、900ドルを割れると880ドル割れへと急落、それでもNY午後につけた安値は870ドル台半ばまでにとどまり、先週末安値(873.3)を下回らず、870ドル台の節目を維持。これが当面の底値となる可能性も残して下げ渋り。870ドル台から900ドルまでの保ち合いレンジも維持。下抜けなら11月安値(843.1)圏トライへ、上抜けできれば2月高値(933.8)圏トライへ。
ドル円は145銭のドル高円安、0.97%の大幅続伸で11月15日(151.37)以来、3ヵ月ぶりの高値。上げ幅としては今年の絶対値平均62銭の2.3倍、2月2日(+198銭、1.35%)以来で今年2番めの大幅高。東京朝の149円30銭台から午後には149円50銭台へ、欧州序盤には149円70銭付近まで上昇して今年高値を更新。NY朝にかけてはCPIへの警戒感からか米長期金利低下とともに149円20銭台まで下落、しかしCPI上ブレの結果を受けて150円50銭台へと1円30銭程の急騰。NY終盤には長期金利の一段高にも連れて150円80銭台まで上昇し、148円70銭の節目上抜けに伴う短期上値目標150円台後半にもしっかり到達。短期的には調整も入りやすい状況となり、148円近辺までが当面の下値サポートとなり、いずれは昨年高値151円90銭台が意識される展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/13終値とチャート
14日の国内金価格は-50円、0.47%の続落で2月1日(10556)以来、2週間ぶりの安値。上昇軌道の9日移動平均線(10606)を維持できず、強気相場崩れとなって10580円の節目も下抜け。これに伴う短期下値目安10520円近辺まで、もう少しの下げ余地。短期的な行き過ぎ、短中期的に調整継続となった場合には12月安値(10115)から2月高値(10691)の38.2%戻し(10471)近辺、1月後半安値圏にも相当する水準が意識される可能性も。
プラチナ価格は-44円、0.95%の続落。21日移動平均線(4655)をデッドクロスした9日移動平均線(4648)に上値を押さえられる形となって一段安。目先の抵抗水準を4660円に切り下げて4580円までのレンジで短期保ち合いを形成、と同時に中期三角保合い下限ラインをなし崩し的に下抜けトライへと向かうような展開にも。4580円を割れると11月安値圏4520円台辺りを短期下値目安に一段安トライへ、4660円超へと切り返すことができれば4710円台辺りまでを短期目安に反発トライへ。
※参考:金プラチナ国内価格2/14とチャート
2024年2月14日(水)時点の相場
国内金:10,564 円 2/14(水) ▼50(0.47%)
国内プラチナ:4,598 円 2/14(水) ▼44(0.95%)
NY金:2,007.2 ドル 2/13(火) ▼25.8(1.27%)
NYプラチナ:878.9 ドル 2/13(火) ▼18.2(2.03%)
ドル円:150.80 円 2/13(火) ▲1.45(0.97%)
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