更新日:2024年4月10日(水)
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した4月2日時点でのIMM通貨先物ポジションにおける投機筋の取組状況としては、対ドルでの円買いから円売りを差し引くと-143230枚。
円買いポジションよりも円売りポジションが上回る規模としては、2013年12月24日(-143822)以来、10年3ヵ月ぶりの水準。
10年超ぶりの円売り超過の状態となっています。
政権交替、第二次安倍政権発足、アベノミクスへの過渡期とともに円買い越しから売り越しへと転換し、円安の流れが加速したのが2012年秋から年末。2013年春の黒田日銀の大規模緩和スタートを経て1年経過した頃、為替は1ドル=70円台の超円高時代から脱却し、105円程度までのドル高円安が進行した時期でした。
その後は円売り超過は一服となり、ドル円は小幅に調整も100円超を維持して保ち合い推移、円売りポジションの大幅解消を待ってさらに1年後には再び円売りポジション増加とともドル高円安が進行、ドル円は120円台へと急騰して行きました。
それから10年経過した現在、再び円売り超過が行き過ぎた?可能性もある水準に達し、円売りポジションの巻き戻しリスクも高まる状況に。
巻き戻しの流れが一定以上強まれば、売りが売りを呼ぶ展開となってドル円の巻き戻し、円高への流れが急速に進行しかねない現状を有効活用しようと目論む(?かもしれない)通貨当局。152円手前での攻防状態が続くドル円は、きっかけされあれば上へも(円安方向へも)、下へも(円高方向へも)大きく動き出す準備はできつつあるようにも見えます。
上方向へと抜け出すと、1990年4月高値160円台を目指す流れが加速する可能性もある反面、これを阻止する動きが見られる可能性も。また、下方向へと抜け出せば、チャンス到来とばかりに円買い介入の実弾発動で円売りポジション解消急加速へ、といった展開も予想されそうです。
岸田首相の米国訪問中に円買いドル売り介入に踏み切るのかどうか、という政治問題も絡む重要局面が訪れようとしているかもしれません。
9日のNY金は+11.4ドル、0.48%高で3日続伸。3日連続、今年15回めの過去最高値更新。上ヒゲを残した翌日も切り返す買い圧力の強さは健在、時間外スタート時点の2350ドル台半ばが安値となり、ゆるやかに水準を切り上げる展開に。ロンドン序盤に前日高値を上回って過去最高値を更新、加速した勢いで2380ドル台半ばまで上昇して一服。NY市場では2360ドル割れから2380ドル台までのレンジでの上下動を経て2370ドル近辺へ。
米CPIの結果にかかわらず、イベント通過とともに再び買い圧力が強まるようなら2400ドルの大台が視野に。いったん調整へと向かえば3月半ば安値(2149.2)から最高値(2384.5)の23.6%戻し(2329.0)近辺が短期下値目安に、2300ドルの節目を割り込むようなら2280ドル近辺までの一段安も。
NYプラチナは+9.6ドル、0.99%の続伸。1月3日(987.1)以来3ヵ月ぶり高値圏での一段高。重い腰を上げてようやくNY金に追随し始めた感もあり、この日の安値は時間外スタート時点の970ドル台後半。ゆるやかな堅調推移でアジア時間に前日高値を上回って980ドル台、ロンドン市場では990ドル回復トライ、NY市場では一時1000ドルの大台にワンタッチ。これが高値となって失速するとNY午後には一時980ドル割れ、しかし底堅さも見せてNY引け後には990ドル近辺へ。
今後意識されうる高値目安は1月2日の今年最高値1015.1ドル、この半年余りでのピークとなった12月末高値1031.0ドル。いったん調整となれば3月半ば安値(891.5)から4月高値(1001.2)の23.6%戻し(975.3)から38.2%戻し(959.3)辺りまでが目安に。
ドル円は-9銭、0.06%の小幅安で3日ぶりの反落。東京朝には151円70銭台から90銭近辺へと上値トライ、東京市場終了直後にも151円90銭台へと上値再トライも前日高値近辺で失速。欧州時間には151円80銭台、NY時間には70銭台へと小幅に水準を切り下げ、安値では一時151円60銭割れも限定的となってNY終盤には70銭台へ。結果的に円高方向への巻き戻しもわずかにとどまり、151円70銭の節目上抜けに伴う短期上値目標153円台を目指す流れは一時ストップで継続へ。CPIの結果次第で上値トライ再開なら、介入がなければ153円台トライへ、巻き戻しの流れとなって151円30銭の節目割れなら保ち合い下放れ、149円半ば辺りまでが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/9終値とチャート
10日の国内金価格は+65円、0.52%高で3日続伸。3日連続、今年19回めの過去最高値更新。RSIは84.3%の高水準も4月初旬の90近辺、3月上旬の90台後半からはピーク水準を切り下げ、高騰を続ける価格水準との逆行状態も継続。反落警戒サインを無視する状況が続いて一段高なら、4月の絶対値平均116円上昇すると12694円、下落すると12462円。調整幅が少し拡大すると3月末安値(11536)から最高値(12578)の23.6%戻しで12332円近辺も。
プラチナ価格は+52円、1.02%の続伸で昨年5月11日(5189)以来、11ヵ月ぶりの高値。中期三角保合い上抜けの勢いで金価格高騰にも追随する流れがもう一段続くなら、中期三角保合い上限ラインの起点で2014年8月以降の最高値、昨年5月10日につけた高値5197円トライへ。調整となれば3月末安値(4736)から今年高値(5161)の23.6%戻し(5061)、38.2%戻し(4999)などが目安に。
※参考:金プラチナ国内価格4/10とチャート
2024年4月10日(水)時点の相場
国内金:12,578 円 4/10(水) ▲65(0.52%)
国内プラチナ:5,161 円 4/10(水) ▲52(1.02%)
NY金:2,362.4 ドル 4/9(火) ▲11.4(0.48%)
NYプラチナ:984.1 ドル 4/9(火) ▲9.6(0.99%)
ドル円:151.76 円 4/9(火) ▼0.09(0.06%)
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