更新日:2024年5月3日(金)
好不況の節目50を超えて拡大基調が続く世界の主要国製造業PMIのなかで、単独最下位をひた走るユーロ圏。2022年7月以降、1年10ヵ月連続で節目50割れでの推移が続き、足下では3ヵ月連続の低下となってボーダーラインは遠のくばかり。
インフレ鈍化で価格を引き下げても需要が落ち込み、人員削減へと負のサイクルも見られるようです。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2024年4月>
1:ギリシャ:55.2=2年1ヵ月ぶり高水準の3月から-1.7、7ヵ月ぶりの低下で3ヵ月ぶり低水準。15ヵ月連続節目50超。14ヵ月連続1位。
2:スペイン:52.2=前月から+0.8の反発で1年10ヵ月ぶり高水準。3ヵ月連続50超。11月から3-3-3-3-2-2位。
3:オランダ:51.3=+1.6で4ヵ月続伸、1年8ヵ月ぶり高水準。1年8ヵ月ぶり50超。4-5-4-4-4-3位。
4:アイルランド:47.6=-2.0の続落で9ヵ月ぶり低水準。2ヵ月連続50割れ。2-2-2-2-5-4位。
5:イタリア:47.3=-3.1で4ヵ月ぶりの急反落、4ヵ月ぶり低水準。2ヵ月ぶり50割れ。5-4-5-5-3-5位。
6:フランス:45.3=-0.9の続落で3ヵ月ぶり低水準。20ヵ月連続50割れ。6-7-7-6-6-6位。
7:オーストリア:43.5=+1.3での反発で13ヵ月ぶり高水準。7ヵ月連続40超、21ヵ月連続50割れ。8-8-8-7-7-7位。
8:ドイツ:42.5=+0.6の反発で2ヵ月ぶり高水準。7ヵ月連続40超、22ヵ月連続50割れ。7-6-6-8-8-8位。
節目50超は3カ国のみという状況は3月から変わらず、イタリアの急反落をオランダがカバー。前月から上昇4カ国、低下も4カ国で上位は失速、下位は回復傾向で全体の方向性は横ばい傾向。ユーロ圏の数値を下回るのはドイツ、フランス、オーストリア。南欧勢が牽引、独仏主要2カ国がユーロ圏の足を引っ張る構図も変わらず。
この日、OECDが発表した世界経済見通しでも、欧州と日本の長引く低迷を指摘しながらも、2024年のユーロ圏成長率見通しは従来の0.6%から0.7%へとわずかに上方修正。
インフレ低下と早期利下げ開始(予想)を背景に、期待値とおりに業績回復へと向かうことができるか、ユーロ圏のボーダーラインに向けた攻防は続きます。
2日のNY金は-1.4ドル、0.06%の小反落。アジア時間の2330ドル台半ばが高値となり、前日FOMC直後につけた高値には届かず失速、ロンドン序盤に2320ドルを割れるとNY午前には一時2300ドルの大台割れ。しかし前日安値(2291.7)手前で下げ渋るとNY午後には米長期金利低下とドル安の流れにもサポートされ、2310ドル台へと反発。2300ドルの節目近辺ではサポートされる状態を維持して雇用統計待ちへ、予想外の好結果で下押し圧力が強まるようなら2280ドル近辺までが下値目安に、その度合が強ければ3月半ば安値(2149.2)から最高値(2448.8)の61.8%戻し(2263.6)辺りまでが意識される可能性も。反発方向へは前日高値(2339.5)を超えると最高値から5月安値(2291.7)の38.2%戻し(2351.7)近辺までが短期上値目標に。
NYプラチナは+7.7ドル、0.81%の続伸で4月16日(975.2)以来、半月ぶりの高値。アジア時間には960ドル台前半から、前日高値を超えて970ドルまで上昇も、これを維持できずに失速するとロンドン・NY市場にかけては960ドルを挟んでの保ち合いに。NY午前につけた安値も950ドル手前までにとどまり、NY午後には960ドル台半ばまで反発。このままの水準を維持して雇用統計を無事通過すると反発方向への流れが徐々に強まる可能性、960ドル台後半から970ドル台へと水準を切り上げることができれば一段高トライへ、990ドル近辺までが短期上値目標。戻り売りの展開となって940ドル台の節目を割り込むようだと下値トライへ、910ドル台辺りまでが短期下値目安に。
ドル円は-71銭、0.46%の続落で4月12日(153.29)以来、3週間ぶりの安値。FOMC直後の円買い介入で153円ちょうど近辺まで急落した後の反発局面は、東京午前の時間帯、156円20銭台までで頭打ち。4円50銭程度の急落幅に対して3円20銭、7割程戻したところで失速すると、ゆるやかに軟調推移。欧州時間には155円半ばから155円割れ、NY市場では154円を割れてNY午後には153円近辺の介入直後の安値圏再トライ。結果的に直近の高値保ち合い下限となっていた156円30銭の節目がレジスタンスに切り替わり、この節目割れに伴う短期下値目安154円近辺再トライとなって若干のオーバーラン。介入直後の安値153円ラインが目先の下値サポートとなって雇用統計待ちへ。予想外の好結果となれば156円30銭のレジスタンス再トライに向けた流れにも。低調な結果に一段安となれば3月安値(146.48)から4月高値(160.22)の61.8%戻し(151.73)近辺までが下値目安に。下落局面に乗じた追加の円買い介入があれば76.4%戻し(149.72)、150円割れを目指す流れとなる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/2終値とチャート
2024年5月3日(金)時点の相場
国内金:12,769 円 5/2(木) ▲37(0.29%)
国内プラチナ:5,200 円 5/2(木) ▲57(1.11%)
NY金:2,309.6 ドル 5/2(木) ▼1.4(0.06%)
NYプラチナ:962.6 ドル 5/2(木) ▲7.7(0.81%)
ドル円:153.69 円 5/2(木) ▼0.71(0.46%)
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