更新日:2024年7月30日(火)
雇用統計での平均時給で見た賃金上昇率は6月時点で前年比+3.86%。5月の4.05%から低下し、2021年5月以来、3年1ヵ月ぶりの低水準。2014年から2017年までの平均+2.36%を大きく上回る水準にあり、まだまだ低下余地があるものと思われます。
インフレの原動力の一つとなっている賃金インフレは極めてスローペースながらも鈍化傾向が継続中。
各地区連銀の製造業景況指数、及びサービス業景況指数の賃金指数もゆるやかに低下傾向。ただし、微妙に状況が異なるようにも見えます。
この日発表されたダラス連銀製造業景況指数では、7月の賃金指数は21.2。6月の24.3からは低下も5月の21.0と同等、2年5ヵ月ぶり低水準となった2023年7月の19.1を上回る水準での推移が継続。なお、2014年から17年までの平均19.8には既に到達して反発、下げ渋る状況に。
リッチモンド連銀製造業景況指数の7月賃金指数は15.0。6月の21.0から低下も3年8ヵ月ぶり低水準となった5月(14.0)を下回らず。2021年8月(48.0)から低下傾向も足下では下げ渋り。ただ、2014-17年平均14.7ポイントには既に到達。
リッチモンド連銀サービス業では24.0。3年ぶり低水準となった2月と5-6月(21.0)から反発で半年ぶり高水準。2022年11月までの40台から低下傾向も7月は反発。2014-17年平均20.4にもほぼ到達したような状況に。
NY連銀サービス業では35.0。6月の33.0から上昇で4ヵ月ぶり高水準。2023年2月の50台から2023年12月には25.9まで低下した後は下げ渋り。2014-17年平均32.9にも到達後に反発傾向。
フィラデルフィア連銀サービス業では29.8。5月(27.6)から上昇。2022年8月までの50台から2023年6月には24.3まで低下して以降は下げ渋り。2014-17年平均32.5にも到達後に反発傾向。
主要地区連銀の賃金指数では、コロナ前の平均的な水準まで既に戻しているのに対し、賃金上昇率は未達。
両者の相関性が維持されるなら、地区連銀の賃金指数が今後、過去の平均的な水準よりもさらに低下していく必要。
そうでなければ賃金上昇率は今後、下げ渋る状態が続く可能性も。
29日のNY金は週末から-3.2ドル、0.13%の小反落。週明け時間外序盤には2380ドル台から2400ドルの大台トライ、これが高値となって跳ね返されるとロンドン・NY朝にかけては2390ドルを挟んでの小幅もみ合い推移。低下基調となっていた米10年債利回りが反発に転じた場面では軟調推移となって一時2370ドル割れ、ただし米10年債利回りの上昇一服とともにNY午後には2370ドル台後半へと反発。2350ドルから2420ドルまでの主要レンジ半ばを維持し、若干の抵抗感も漂う2400ドルの大台を超えると2420ドルの上限トライも見据えてFOMC待ちへ。2420ドル超へと抜け出せば2450ドル近辺を目標に上値トライの流れに。逆に2350ドル割れなら2330ドル近辺までを目安に下値切り下げも。
NYプラチナは+13.2ドル、1.4%高で3日ぶりの反発。週明け時間外スタート時点の940ドル台半ばが安値となって堅調気味に推移、アジア時間に950ドル台へと水準を切り上げるとNY朝には960ドル台回復トライ、高値では一時960ドル台半ばまで上昇。ただしNY午後には960ドル維持をかけた攻防状態に。底打ちへの可能性を高めて目先は970ドルの節目トライへ、これを突破できれば一定の反発局面形成へ、上昇軌道の90日移動平均線(983.1)も上抜けて1000ドルの大台付近までを目指す流れにも。ただし下方向に940ドルの節目を割り込むようだと反発失敗、920ドル前後までの下値切り下げも。
ドル円は+27銭、0.18%の反発。週末の下げを取り戻し、154円近辺で下げ渋る状態に。週明け東京朝には154円30銭台の高値をつけて失速すると153円ちょうど付近まで急反落。安値では週末安値を若干下回りながらも153円割れを回避して反発。東京午後には153円半ばまでにとどまったものの、欧州時間には153円90銭台まで反発、NY午後市場では154円台を回復。ただ、FOMC待ちの状況で値動きは縮小、154円20銭近辺まで上昇後に失速するとNY午後には154円ちょうど近辺に収束。31日の日銀会合までは小動き継続か、ただし153円70銭の節目を割り込むようだと153円割れへと下値切り下げも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/29終値とチャート
30日の国内金価格は-122円、0.94%の反落。上昇軌道の90日移動平均線(12846)にサポートされての反発局面では、13000円の大台ラインが目先のレジスタンスとなる形で反落。再び90日線にサポートされるかどうか。サポートされなければ戻り売りの勢いが強まる可能性も、12770円の節目も維持できなければ一段安の展開へ、短期下値目安は6月安値圏12680円近辺まで。過去の推移からは当面のレジスタンスにもなりかねない13000円の大台ラインを突破できれば高値圏再トライへ、13100円程度までが短期上値目標に。
プラチナ価格は+17円、0.33%の続伸。強めの下落トレンド進行中の戻り局面からの反落リスクと、一方的に売られ過ぎた反動への警戒感との狭間での小動き。引き続き一段安リスクは残り、5040円の節目割れなら4950円程度までが目先の下値目安。反発曲面継続に向けては急降下を続ける9日移動平均線(5200)超えが第一関門。
※参考:金プラチナ国内価格7/30とチャート
2024年7月30日(火)時点の相場
国内金:12,877 円 7/30(火) ▼122(0.94%)
国内プラチナ:5,101 円 7/30(火) ▲17(0.33%)
NY金:2,377.8 ドル 7/29(月) ▼3.2(0.13%)
NYプラチナ:957.6 ドル 7/29(月) ▲13.2(1.40%)
ドル円:154.03 円 7/29(月) ▲0.27(0.18%)
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