更新日:2024年9月6日(金)
雇用統計前日、強弱混在の米指標結果に為替も金も小幅に乱高下。
ADPの8月雇用者数は市場予想の前月比+14.4万人に対し、これを大幅に下回る+9.9万人。ネガティブ・サプライズとなる3年7ヵ月ぶりの低水準。7月分も+12.2万人から+11.1万人へと下方修正。3ヵ月平均では+15.3万人となり、これも2021年1月(14.1)以来、3年7ヵ月ぶりの低水準。
ADPにおいても雇用縮小傾向が強まる状況に。
新規失業保険申請件数は22.7万件。市場予想の23.0万件を下回り、8週ぶりの低水準。4週移動平均は23.00万件で12週ぶりの低水準。
24日までの週の失業保険継続受給者数は183.8万人で10週ぶりの低水準。4週移動平均は185.3万人で6週ぶりの低水準。
雇用者数の伸びは足下で急低下、減速傾向が強まるのに対し、失業保険は改善傾向が継続。
さらに、ISM非製造業景況指数もわずかながら予想を上回って上昇。
4年1ヵ月ぶりの低水準となる48.8へと急低下した6月から7月には51.4へと急反発、8月も51.5と予想外に続伸となって下げ渋り。
構成指数では新規受注が53.0で3ヵ月ぶり高水準となって好調を示唆。雇用は前月の51.1から8月は50.2へと低下、ただし節目50付近の中立水準。
価格指数は57.3。続伸で3ヵ月ぶり高水準。
ISMでは製造業景況指数の価格指数も54.0で続伸、3ヵ月ぶり高水準。
インフレを下支えするように、ISMの価格指数も下げ渋り。
5日のNY金は+17.1ドル、0.68%の続伸。終値ベースで最高値となった8月29日(2560.3)以来、1週間ぶりの高値。2520ドル台での小幅保ち合い推移となったアジア時間から、ロンドン序盤には2530ドル台へと上昇、さらに2540ドル台へと一段高となってNY朝には低調なADP雇用結果を受けて2550ドル台へと小幅に急騰。2550ドル台半ばが高値となって失速すると、ISM非製造業景況指数が予想を上回ったことをきっかけに米長期金利反発とドル高の流れとともに2540ドル割れへと急反落。しかし、この流れも続かず、NY午後には巻き戻しの流れとともに2540ドル台へと反発。前日まで2日連続下ヒゲで短期下値目安2500ドル近辺までの下値トライを終えた反動と米指標悪化懸念などを追い風に最高値圏再トライの様相に。2520ドルから2560ドルまでが目先の主要レンジとなり、雇用統計後に上方ブレイクなら2600ドルの大台トライを目指す流れへ、下方ブレイクなら8月半ばの押し目水準2470ドル近辺までが調整目安に。
NYプラチナは+22.0ドル、2.42%高で4日ぶりの反発。短期下値トライを終えて十字線を残し、900ドルの大台も維持して8月30日(932.2)以来、1週間ぶりの水準を回復。時間外序盤の900ドル台後半が安値となり、910ドル台へと水準を切り上げるとロンドン序盤にかけて加速。NY朝にかけて930ドル台へと急騰し、高値では940ドル手前まで上昇。一服後の反落も限定的となり、NY午後も930ドル近辺を維持。900ドルから950ドルまでが目先の主要レンジとなり、20日移動平均線(946.5)から節目950ドルの抵抗帯を突破できれば地合い回復と一段高トライ、8月高値圏970ドル台トライへ。
ドル円は-28銭、0.19%安で3日続落。1月3日(143.30)以来8ヵ月ぶり安値。東京・欧州時間はほぼ143円台での保ち合い、NY市場では上下に乱高下。8月ADP雇用が下振れると143円50銭台から143円割れへと急落。142円80銭台の安値をつけて下げ渋り、ISM非製造業景況指数の好結果を受けて143円10銭台から144円台へと反発、高値では144円20銭台まで上昇。しかしこの流れも続かず、米長期金利の反落や株安局面にも連れる形でNY午後には143円20銭近辺まで巻き戻し。NY終盤にかけては143円半ばへと収束。雇用統計前日ということで極端な流れにはなり難い面もあったものの、強弱混在の結果に素直に反応した格好にも。雇用統計が多少の悪化なら、143円90銭の節目割れに伴う短期下値目安142円半ばまでの一段安も、想定外の下振れなら8月安値141円台再トライへの可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/5終値とチャート
6日の国内金価格は+80円、0.64%高で3日ぶりの反発。短期的には12770円の節目割れに伴う下値目安12630円辺りに到達、若干行き過ぎたところからの巻き戻し。中期的には12700円から13000円近辺までの保ち合い水準を下抜けたところからの巻き戻しもあと一息。12700円台を回復し、21日移動平均線(12759)も回復できれば短期的な地合いも回復方向へ。下方向には12590円の節目を割り込むようだと一段安再トライへ、12500円の大台ライン近辺までが短期下値目安に。
週間ベースでは-147円、1.15%の反落。
プラチナ価格は+94円、2.06%高で3日ぶりの反発。8月安値(8648)を回復。これを素通りし、これ以上の水準を当面維持できるようなら9月安値(4554)圏は一時的な行き過ぎだった可能性も。ただし、ここで反落するようなら下値トライ継続中の一時的な戻り局面ということにも。今年安値更新へ、4550円の節目割れなら短期下値目安は4500円近辺まで。
週間ベースでは-86円、1.82%安で3週続落。
※参考:金プラチナ国内価格9/6とチャート
2024年9月6日(金)時点の相場
国内金:12,675 円 9/6(金) ▲80(0.64%)
国内プラチナ:4,648 円 9/6(金) ▲94(2.06%)
NY金:2,543.1 ドル 9/5(木) ▲17.1(0.68%)
NYプラチナ:930.3 ドル 9/5(木) ▲22.0(2.42%)
ドル円:143.44 円 9/5(木) ▼0.28(0.19%)
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