日経平均とドル円の過去1年間の相関係数は、2024年11月22日時点で0.6504、過去3年間では0.7541。
両者の関係性は、2012年末から2017年前半までは強い相関関係が続きました。2012年末からのアベノミクスによる円安、株高が進行すると、円安なら株高、株が下がれば円高、とその連動性への注目が高まりました。
しかし、日経平均とドル円相場との関係は、もっと以前から強い相関関係にありました。2011年以降の推移を見ると、非常によく似た推移となっており、2013年末時点での過去1年間の相関係数は0.9386、過去3年間では0.9739と非常に強い数値となっていました。
ただし、行き過ぎた円安は、輸入物価上昇による交易条件の悪化などのマイナス面も出てきます。物価の上昇が進むと金利も徐々に上昇していく可能性があります。長期金利の上昇=国債価格の下落、これがさらに進むと、莫大な国債を抱える金融機関の経営にも影響することになります。
2016年には円安・株高も急減速、巻戻しの流れが強まり始め、両者の相関係数も低下傾向となりました。
ドルベース日経平均は、2016年序盤は低下。2月12日には2年8カ月ぶりの安値水準となる131.9ドル。7月末からは円高のまま日経平均が上昇し、ドルベースでは連日の年初来高値更新、9月21日にはこの年高値となる167.57ドルまで上昇。
2017年は上昇傾向、日経平均が2万円台に到達した6月2日には、17年ぶり高値となる182ドル台まで上昇。10月末には日経平均が21年ぶり高値となる22000円台に達し、ドルベースは12月に203ドルまで上昇。
2018年1月4日には日経平均は26年ぶり高値となる23000円台、23日には24000円台に、ドルベースでは219ドル台まで上昇。2月の急落で3月23日には20600円台、ドルベースは196ドル台へ。10月2日、日経平均は約27年ぶり高値となる24270円、ドルベースでは213ドル台。12月は米株急落に連れ、25日には1年8カ月ぶり安値となる19100円台と173ドル台。
2019年の日経平均は1月の19500円台が安値、10月半ばから連日の高値更新、12月17日には24066.12円で1年2カ月ぶり高値。ドルベースでは1月の180ドル台から12月には219ドル台まで上昇。2020年、日経平均は3月19日に16552.83円で3年4ヵ月ぶり安値へと急落後に上昇、11月にはワクチン期待や米政権交代への不透明感払拭などを背景に世界同時株高となり、12月末には2万7千円台、2021年2月には30年半ぶり高値3万円台。2023年5月には33年ぶり高値を更新、7月には33750円台へ。2024年1月にはバブル後最高値を連日更新、2月22日には34年2カ月ぶりに過去最高値を更新、3月22日には40888.43円。7月には42000円台へ。
ドルベースでは2021年1月に過去最高値を更新、2月には287ドル台まで上昇。
2015年高値168.83ドル(4/23)、安値141.4ドル(9/29)
2014年高値155.47ドル(1/2)、安値135.91ドル(10/17)
2013年高値154.95ドル(12/30)、安値117.53ドル(1/24)
日本の株式市場における外国人投資家のシェアは6割以上とも言われます(2014年6月時点)。その6割以上の投資家目線で日経平均を見ると、為替を考慮したドルベース日経平均の値動きが重要となります。
10月中旬の株安局面では、ドルベース日経平均は2014年最安値を更新し、10月31日の日銀追加緩和による急騰では、今年高値と安値とのちょうど中間点まで上昇しました。この時、円建ての日経平均は年初来高値を更新し、2007年11月以来7年ぶりとなる高値水準に到達しました。
円ベースで見る日経平均は、ドルベース日経平均にドル円相場を掛け算することでも算出されます。従って、円ベースの日経平均とドル円相場との相関関係は強くなりがちで、円安株高傾向の時には日経平均は急騰し、円高株安傾向の時には日経平均は急落することになります。
最終更新日:2024/11/23