年央までにイエレン・ダッシュボードの100%回復はムリ?
更新日:2015年02月11日(水)
米労働省が発表した12月分の雇用動態調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)で、求人件数は502万8千件。事前予想の498万3千件を上回り、2001年1月の527.3万件以来14年ぶりの高水準に到達。なお、11月分の497.2万件は484.7万件へと下方修正されたことにより、改めて14年ぶり高水準を更新、500万件の大台到達も14年ぶり。
その他の指標もやや改善傾向となった
イエレン・ダッシュボード2015年2月版の状況は以下のとおり。
※指標:リセッション前の数値:最低値:前回→最新値と回復率
1)NFP(3カ月平均):+16.2万人:-82.6:+32.4↑+33.6
回復率117.6%
2)失業率:5%:10%:5.6%↓5.7%
回復率86%
3)労働参加率:66.1%:62.7%:62.7%↑62.9%
回復率5.9%
4)長期失業者の割合:19.1%:45.3%:31.9%↑31.5%
回復率52.7%
5)
U6失業率:8.8%:17.2%:11.2%↓11.3%
回復率70.2%
6)求人率:3%:1.6%:3.3%↑3.5%
回復率135.7%
7)退職率:2.1%:1.3%:1.9%→1.9%
回復率75%
8)解雇率:1.4%:2.0%:1.2%→1.2%
回復率:133.3%
9)採用率:3.8%:2.8%:3.6%↑3.7%
回復率90%
※前月の状況→
2015年1月版
回復率100%超はNFP、求人率、解雇率の3指標のみという状況は変わらず。
前月から改善→NFP、労働参加率、長期失業者の割合、求人率、採用率(5指標)
前月から変わらず→退職率、解雇率(2指標)
前月から後退→失業率、U6失業率(2指標)
前月よりは改善指標数が増加し、後退数が減少したことで全体的には改善傾向。
採用率と失業率については、あと数カ月で回復率100%に到達することも可能な状況となっていますが、U6失業率、長期失業者の割合、退職率はもう少し時間を要することになりそうです。労働参加率については、全く先が見えない状況が継続。
イエレン・ダッシュボード上の全ての指標が100%回復するまでは利上げは行わない、との見方もあるようですが、もしそうなら年央でも年内でも利上げはムリ、2016年でも難しい状況と言わざるを得ません。
求人件数が大きく伸び、賃金も改善傾向が見え始め、雇用統計では順調な結果が続く状態で、一部の指標にこだわり続けることもないのではないか、と考えられます。
失業率が100%回復となる5%近辺に到達した時点で、利上げは秒読み段階に入るのではないかと予想します。
低迷が続く労働参加率に対する、イエレン議長の見解にも注目です。
10日のNY金相場は0.75%の反落。EUによるギリシャ支援6カ月延長計画の検討など、リスク回避の緩和材料が出始めたことで軟調推移。それでも直近の下値目標1,230ドル台では底堅さも見られる状況。ただし2日前の終値1,234.6ドルを下回り、1月9日以来1カ月ぶりの安値水準に達し、下値警戒感も高まる状況。1,230ドルの節目を割れるようなら下落トレンド加速の可能性、その場合1,200ドルの大台前後が下値目標に。
プラチナ相場は1.07%の大幅安で3日続落。反発への可能性もあった前日のバランス状態は下方向へと崩れ、
目標水準1,200ドル前後を目指す流れが加速。1,204.5ドルまで下げてほぼ目標水準圏内に到達。もう一段の下値トライで一時的には1,200ドルの大台割れの可能性も。金の下落トレンドが加速した場合にはさらに下押し圧力が高まることにも要警戒か。
ドル円は0.67%の反発。ギリシャの債務協議進展の可能性が伝わったことによりドル高の流れが進行、強めの抵抗水準となっていた119円10銭付近を突破し、12月高値121円80銭台を基点とした三角保ち合いを上放れ。短期的な上値目標121円台前半への到達確率が一段と高まったことに。当面のサポートラインは118円60銭、上値トライ継続の為には119円台を維持することが重要。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/10終値とチャート
2015年02月11日(水)時点の相場
国内金:5,061 円 2/10(火)
▲3(
0.06%)
国内プラチナ:4,962 円 2/10(火)
▼31(
0.62%)
NY金:1,232.2 ドル 2/10(火)
▼9.3(
0.75%)
NYプラチナ:1,207.3 ドル 2/10(火)
▼13.1(
1.07%)
ドル円:119.43 円 2/10(火)
▲0.79(
0.67%)
2/10(火)のその他主要マーケット指標
2014年、世界の金産出量トップ20 02/12(木)LMCI労働市場情勢指数は前月から大幅低下も米労働市場は堅調推移 02/10(火)歩み寄りか決裂か、混迷続くギリシャ問題 02/09(月)不安視された賃金も上昇、あらためて力強さを示した米雇用統計 02/07(土)
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