更新日:2013年3月23日(土)
寝耳に水の預金課税の発表で一躍有名になった地中海の小さな島国キプロスの危機から1週間。事態は収束方向に向かうものと楽観的な見方も広がりつつありますが、反面、なけなしの預金が無条件減額されるか、引き出しが規制されるか、もしくは全額パーになるか、その恐怖感は確実に広まっているようです。
ドイツの世論調査でも64%がユーロ危機の悪化を予想、緩和すると予想する人は9%、という結果が出ています。
回答者の半数は預金への不安を抱え、この数字は増加傾向。メルケル首相も国内預金の安全性をアピールし、取り付け騒ぎの余波を沈めよう躍起になっているようです。
そもそも、今回のキプロスでも降って湧いたように発表された預金課税、国民へのしかるべき説明やフォローが足りなかったようにも思われます。あったとしても混乱は必至かもしれませんが。
日本でもバブル崩壊後の90年代、相次ぐ金融機関の破綻に取り付け騒ぎが起こり、ペイオフ凍結中なので「全額保護されます」との静止も聞かずに大騒ぎする光景が報道されました。
※ペイオフ解禁後の2005年以降は1,000万円までの元本とその利息までしか保護されません。
どこでも、いつの時代でも、金融機関への信用がぐらつけば、即、取り付け騒ぎは起こります。
週明けのユーロ圏、キプロス危機の決着の仕方に注目は集まります。
NY市場、金は反落も1,600ドル台はキープ。瞬間的に1,600ドルを割れることはあっても終値ベースでは1,600ドル台を維持し続けた1週間は13.5ドル、0.85%の上昇で2週続伸。欧米日主要株が週間ベースで下落するなか、安全資産としての地位を確保した形。
プラチナはリスク資産の上昇に合わせるようにわずかに反発。週間ベースでは欧米株と同様に軟調で10.7ドル、0.67%の下落。小幅ながら2週続落。トレンドレス状態がどこまで続くか。
足元やや軟調地合いが続くドル円も週間ベースで70銭、0.75%の下落で2週続落。94円割れ辺りまで、もうひと押しの可能性は高そうな状況。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場3/22終値とチャート
2013年3月23日(土)時点の相場
国内金:5,120 円 3/22(金) ▼22(0.43%)
国内プラチナ:5,000 円 3/22(金) ▼72(1.42%)
NY金:1,606.1 ドル 3/22(金) ▼7.7(0.48%)
NYプラチナ:1,581.7 ドル 3/22(金) ▲1.6(0.10%)
ドル円:94.54 円 3/22(金) ▼0.36(0.38%)
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