更新日:2013年7月10日(水)
IMF(国際通貨基金)が9日に発表した世界経済見通しの改定値では、4月時点での成長率見通し+3.3%から+3.1%へと下方修正。下方修正は5回連続。
世界経済を牽引し、緩和策の早期縮小論が強まり、好調と見られた米経済の回復基調はそれほどでもない、という見方のようで4月の1.9%から1.7%に下方修正。
世界第2位の経済大国、中国経済の減速は既に世界の不安要因となっていますが、8.1%から7.8%へ引き下げ。最近の経済指標も芳しくないものが目立ち、今朝の6月貿易収支も下振れ。オーストラリアを筆頭に対中国貿易相手国のダメージも大きくなっています。新興国・途上国の見通しも5%へと引き下げられ、米国の出口戦略による資本の逆流がさらなる鈍化懸念となります。
そしてリセッション(景気後退)が深刻化する欧州は、-0.3%から-0.6%へと後退幅が拡大。ECBのフォワードガイダンスでの低金利継続期間は12ヶ月超という話も出ていましたが、そんな程度では済まない状況のようです。それでもこの7月からクロアチアがEUに加盟し、来年1月にはラトビアのユーロ導入が決まっています。EUとユーロ圏はリセッションのなかでも拡大し続けます。
唯一上方修正されたのが日本で1.6%から2%へ。しかし構造改革が実現出来なければアベノミクスは世界経済にとってのリスクにも成り得る、ともしています。
とりあえず今月の参院選も重要な節目となりそうです。
NY市場、金相場は0.89%上昇で2日続伸。中国のCPI(消費者物価指数)が前年比2.7%へとインフレ方向へ上昇したことも多少の買い材料になった可能性も。1ヶ月ぶりに9日移動平均線を上抜けて短期トレンドも好転寸前もレジスタンスラインの1,260ドルは超えられず。突破できた場合には1,300ドルの大台回復の可能性が高まる展開に。サポートラインは1,210ドル。
プラチナは小幅に続伸。短期トレンドは上方向へと好転。約1ヶ月ぶりの1,400ドル台と目標1,410ドルへの期待も高まるところ。サポートラインは1,320ドル。上下の振れ幅が少しづつ小さくなる三角保ち合いのようなチャート形状になりつつあるところが少し気がかり。
ディーゼル車需要の高い欧州経済の成長見通し下方修正は今後のプラチナ相場にはマイナス要因。
ドル円は今週に入って101円台前半の狭い範囲での小動きが継続。101円の目標到達後は次の動き出しへのきっかけ待ちの状態。本日深夜のFOMC議事録とバーナンキFRB議長の講演で緩和縮小、停止時期などの時間軸に関するヒントが出るようなら、明日の朝にはドル円の水準が変わっている可能性も。基本的な流れは上向きで102円台前半が上値目標、99円80銭がサポートライン。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場7/9終値とチャート
国内、金価格は1%続伸で6月24日以来となる4,200円台。上昇シグナル点灯で上値目標は4,380円近辺。サポートライン4,140円を下回らないことが重要。
プラチナも3日続伸で4,610円のレジスタンス超え。第1目標としては4,700円。当面の勢いが続けば最大4,820円程度までの可能性も。サポートラインは4,510円。
※参考:金プラチナ国内価格7/10とチャート
2013年7月10日(水)時点の相場
国内金:4,229 円 7/10(水) ▲43(1.03%)
国内プラチナ:4,622 円 7/10(水) ▲24(0.52%)
NY金:1,245.9 ドル 7/9(火) ▲11.0(0.89%)
NYプラチナ:1,368.6 ドル 7/9(火) ▲6.6(0.48%)
ドル円:101.14 円 7/9(火) ▲0.18(0.18%)
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