更新日:2013年8月29日(木)
今年、金相場は米国の量的緩和縮小観測を受けて下落トレンドが継続。6月末には1,200ドル近辺まで下げて年初来では28%もの下落となりました。これが当面の底値となり、7月以降上昇トレンドに転じています。量的緩和縮小を織り込み始め、強弱入り交じる米経済指標の結果に緩和縮小時期の先送り観測なども背景にありそうです。それでも9月のFOMCでは縮小開始を決定し、否が応でもある程度の軟調推移は必至。FRBが縮小開始を決断する為には9月第1週の経済指標でそれなりの結果を確認することも必要。ある程度FRBの期待通りの結果にはなるのでは、との予想もできます。
そんなシナリオを前提に、金相場の上昇も8月末までだろう、という予想も可能です。
日銀緩和を追い風に4月から5月22日までの2ヶ月弱で、今年高値まで上昇した日経平均の上昇率は28%を超え、やはり103円の今年高値をつけたドル円の上昇率も10%を超えました。
7月以降の2ヶ月間で、NY金相場はここまで13%ほど上昇しています。4-5月の日経平均は別格としてもドル円の上昇率を上回っています。
2ヶ月間も続いた金相場の上昇トレンドは、時間的にも、値幅的にも、そして前述のシナリオからも、そろそろ終わりと考えるのは、かなり妥当なところではないでしょうか。
しかし、シリア情勢悪化という突発的な事象によって相場が荒れ気味になり、9月第1週の経済指標も順調な結果には黄色信号状態。
9月8日早朝5時にはオリンピック開催地決定というダークホース的なイベントもあり、やや混沌とした状況も。
差し当たり、本日の米4-6月期GDP改定値、失業保険申請件数などの指標、シリアへの軍事介入決行などをきっかけにこの週末も不安定な状況が続く可能性も高そうです。
NY市場、金相場は0.1%の小幅反落。午後一に1,434ドルまで上昇した後は徐々に元の水準へとなだらかに低下。シリア情勢への警戒感は続くものの、市場は徐々に落ち着きを取り戻した様子。なお、現状の1,410-20ドルの水準は、昨年高値1,800ドル手前から今年6月末の安値1,200ドル割れまでの値幅600ドルの38.2%戻しラインに相当。5月後半から6月上旬までの上値抵抗水準でもあり、流れが止まりやすい価格帯。
プラチナは0.52%の反発。株価の反発、ドル円のドル反発の流れに準じた形。しかし先日達成済みの目標値1,550ドル台を再び超えることが出来ず。次の目標値1,600ドルを目指す前に、1,550ドル台の壁が厚くなり始めた感もあり、徐々にトレンドは鈍化方向。1,500ドル台がサポートライン。
ドル円は0.62%の反発。リスク回避の流れは一旦緩和されて96円80銭台で下げ止まり。再び97-98円台のレンジ内へ。円高方向へのリスクが払拭された訳ではないものの、三角保ち合い継続の色合いも。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場8/28終値とチャート
国内、金価格は0.67%の反発で上値目標値4,620円台を達成。お盆明けの19日、やや不安を抱えた上昇シグナルに10日かけてなんとか到達。目先は反落の可能性大。既にNY金は反落の兆しを見せ始めており、ドル円も揉み合い傾向へ。それでも強いて挙げるなら、現状の上昇トレンドが続いた場合の上方向のメドとしては4,790円近辺の可能性も(なくはない・・・か?)。
プラチナも0.66%反発。前日の大幅下落が響いて上方向へのバイアスはかなり低下、9日移動平均線がサポートラインからレジスタンスラインへと変わるようなら、4,930円のサポートライン下抜けの可能性も。まずは5,270円の上値目標を目指す前段階の揉み合いへ。
※参考:金プラチナ国内価格8/29とチャート
2013年8月29日(木)時点の相場
国内金:4,629 円 8/29(木) ▲31(0.67%)
国内プラチナ:5,004 円 8/29(木) ▲33(0.66%)
NY金:1,418.8 ドル 8/28(水) ▼1.4(0.10%)
NYプラチナ:1,540.1 ドル 8/28(水) ▲8.0(0.52%)
ドル円:97.63 円 8/28(水) ▲0.60(0.62%)
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