更新日:2013年8月30日(金)
英議会のシリア軍事介入否決、カナダ首相も不参加表明、イタリアも国連安保理承認なしでの介入不参加を既に表明など、同盟国の不参加表明続出のなか、米国単独での介入の可能性は残るものの、もしそうなった場合でも規模的にも限定的との見方が強まり、シリア情勢へのリスクはトーンダウンしつつあるようです。
そんな流れに加えて、昨日夜間の米4-6月期のGDP改定値が、市場予想の2.2%を大きく上回る2.5%となったことなどでドル高方向への勢いが増し、株価も持ち直し、逆に金や原油が売られる展開へ。しかし、この流れも今のところは長くは続かない状況に。
昨夜発表の新規失業保険申請件数でも、予想をわずかに下回る程度の好結果とは言え、このところの労働市場の安定推移を象徴するように、7月上旬以降、35万件を下回る状態が続いています。来週末の雇用統計での好結果につながる可能性も高そうです。
シリア情勢の決着も、9月緩和縮小開始への思惑拡大も、来週末あたりまで、待つことになりそうです。
NY市場、金相場は0.42%続落。シリアへの軍事介入も限定的という見方も広がり、地政学リスク懸念も緩和傾向で金市場も落ち着いた動きに。ただし米第2四半期GDP改定値の上振れをきっかけに下落傾向へ。一時1,400ドル割れ寸前まで下落して持ち直す場面もあり、意外と底堅い一面も。依然上向き圧力が高い状態ながら、やや調整局面入りの様子も。
プラチナは1.15%の反落。金に追随する流れで下落幅が大きくなってしまったところにプラチナ相場の弱さが。7月初旬から続いた上昇トレンドの流れはいったん終了の可能性が高まります。まずは1,500ドルから1,550ドルまでの間でレンジ形成の動きへ。
ドル円は0.73%続伸。先週末に三角保ち合い上限トライに失敗した後、シリア情勢悪化により再トライに水をさされた形もなんとか持ち直して来た様子。米経済指標の好結果を背景に再び上限トライへと向かい始めます。現在の上限は98円80銭辺り。既に98円台半ばからの上値の重さに苦戦し始めている様子も。下方向へのリスクも完全に消えた訳ではないものの97円ちょうど付近がサポートラインに。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場8/29終値とチャート
国内、金価格は0.24%の反落。4,620円の目標到達後の小動きで若干の調整も。NY市場の強気維持、ドル円の持ち直しに支えられて国内金価格も地合いの強さをキープした状態。但し両者の上値も限定的な状況に入りつつあり、一方的な上昇基調は一段落か。サポートライン候補として4,550円、4,500円。4,440円が下方向の節目。
週間ベースでは+78円(+1.72%)で3週続伸。この8月は+279円(+6.43%)となり今年初の2ヶ月続伸。
プラチナは0.64%の反落。9日移動平均線がサポートラインからレジスタンスラインへと変わりつつあり、NY市場の下落に引っ張られる形で流れは下方向へ。5,000円近辺での小さな揉み合いを形成し、5,000円台半ばへと上抜けなら上昇基調再開へとつながる可能性も、逆に4,900円台半ばを割れると4,800円割れへのリスクも浮上。
週間では-118円(-2.32%)と4週間ぶりの反落。月間では+266円(+5.65%)の2ヶ月続伸。
※参考:金プラチナ国内価格8/30とチャート
2013年8月30日(金)時点の相場
国内金:4,618 円 8/30(金) ▼11(0.24%)
国内プラチナ:4,972 円 8/30(金) ▼32(0.64%)
NY金:1,412.9 ドル 8/29(木) ▼5.9(0.42%)
NYプラチナ:1,522.4 ドル 8/29(木) ▼17.7(1.15%)
ドル円:98.34 円 8/29(木) ▲0.71(0.73%)
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