更新日:2013年11月5日(火)
パウエル米FRB理事は、いずれQE縮小も米経済の逆風を考慮すると当面の緩和状態継続の公算が大きい、とし、ボストン連銀のローゼングレン総裁も完全雇用達成に向けてしばらくは緩和的であり続ける必要、とするなどFRB関係者の緩和継続支持発言が続きます。
そんななか、日銀が今朝発表した10月のマネタリーベースは月中平残でも8ヶ月連続で過去最高を更新、末残では9ヶ月連続での過去最高更新となっています。
前年同月比では、日銀が45.8%の増加、FRBは38.1%の増加、ここ数ヶ月似通ったペースが続き、このところ日銀の資金供給量拡大ペースがFRBのそれを上回っているかのような錯覚を受けますが、実際にはそうなってはいません。
異次元緩和をスタートした今年4月こそ日銀のマネタリーベースは前月比+14.9兆円とFRBの+770億ドル(約7兆5千億円)を大きく上回る増加となりましたが、それ以降は5月の日銀+4.5兆円、FRB+1,050億ドル、6月の日銀+9.4兆円、FRB+850億ドル、7月は日銀+6.9兆円、FRB+890億ドル、8月の日銀+2.1兆円、FRB+1,080億ドル、9月日銀+9.3兆円、FRB+880億ドル、10月は日銀+5.2兆円に対してFRB+1,210億ドル。
4月から10月までのトータルでは日銀の52.1兆円増に対してFRBは6,730億ドル(約65.9兆円)とFRBの拡大量が上回ります。
FRBが月間850億ドル(約8.3兆円)の資産買い入れを継続するのに対して、日銀は今年末目標の200兆円まであと13兆円。月間6.5兆円づつで達成という状況。
日銀とFRBのマネタリーベース拡大ペースが、追いつ追われつの状況が続くなか、ソロスチャートによる日米マネタリーベース比率とドル円相場の関係にも変化が見られます。
過去1年間の相関係数で見ると、4月時点の0.170とほとんど無関係の状態から、10月には0.534と正の相関関係が高まりつつあります。
現状の日米マネタリーベースの拡大ペースが続く限り、ドル円相場はレンジ推移が続くことを、ソロスチャートが示し始めているようです。
週明けNY市場、金相場は3日ぶりの反発も0.11%と限定的。値幅も11.6ドルの小動きとなり、先週の1,350ドル付近からの下落は1,300ドルの大台ラインにサポートされて一旦は下げ止まったような形。しかし、上値目標1,410ドル台へ向けての勢いは大きく減速。週末の雇用統計に向けて様子見状態の様相か。
プラチナは0.3%の続伸。値幅11ドルは金よりも小動き。1,430ドル台のサポートライン少し手前の40ドル台で反発の兆しも。上方向は1,480ドルが当面のレジスタンスラインに。
ドル円は0.13%反落も値動きは約30銭と動意なし。98円80銭台の節目で上値を押さえられる状態でドル高方向へのブレイク待ち状態も継続。下値サポートラインは97円20銭。
※参考:金プラチナ相場とドル円11/4 NY市場終値とチャート
連休明けの国内、金価格は0.55%の続落で2週間ぶり安値となる4,330円台。モメンタムはまだ上向きも4,350円台のサポートラインを割れてしまったことで上値追いの流れは一旦ストップ。弱めながら下方向4,230円台近辺までの下落リスクが浮上。上値再トライの為には4,420円の節目超えが必要。
プラチナは0.4%の反発で上値目標4,820円近辺を目指す展開が継続。9月20以来となる4,800円の大台ラインに若干の抵抗感も。下方向の節目は4,660円、4,700円台前半もサポートされやすい水準。
※参考:金プラチナ国内価格11/5とチャート
2013年11月5日(火)時点の相場
国内金:4,335 円 11/5(火) ▼24(0.55%)
国内プラチナ:4,784 円 11/5(火) ▲19(0.40%)
NY金:1,314.7 ドル 11/4(月) ▲1.5(0.11%)
NYプラチナ:1,456.2 ドル 11/4(月) ▲4.3(0.30%)
ドル円:98.60 円 11/4(月) ▼0.13(0.13%)
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