更新日:2013年10月31日(木)
FOMCでは、市場予想どおりのテーパリング見送りで現状維持となったものの、声明文では経済成長の鈍化懸念を示すなかで、金利上昇による金融市場の逼迫懸念に関する文言が削除されるなど、予想されたハト派的なトーンよりは若干タカ派寄り、ともとれるような内容に市場は株高ドル高、金は売りで反応。
今年5月のバーナンキFRB議長発言以降のテーパリング観測は、9月スタートという当初の市場コンセンサスが9月のFOMCでの予想外の見送りで振り出しに。その後、財政問題や議会の混乱による政府機関閉鎖を挟み、緩和当面継続でテーパリング開始は春以降との見方も優勢になるなかでの今回のFOMC。一部には年内開始も、との見方も台頭しつつあるようで、テーパリング観測は再び振り出しに戻りつつあるような状態に。
昨日発表されたADP雇用者数と雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)の6ヶ月移動平均の推移を見ると、NFPのピークは今年4月の+21.45万人。5月も+20.27万人と目安となる20万人を超えていた時期。当時のバーナンキ発言を裏付ける状況。しかしその後は鈍化の一途で9月分では+16万人台。ADP雇用の6ヶ月移動平均も同じような推移で、ピークは3月の+19.37万人、4月+18.97、5月+16.72万人へと既に低下傾向にあり、昨日の10月分では+15万人台。次週発表される10月分のNFPも鈍化傾向が予想され、今年春以降の労働市場回復の鈍化傾向に歯止めの様子はまだ見られません。
6ヶ月移動平均で見た場合、伸び率鈍化に歯止めがかかり、反転する為には、少なくとも11月-12月分で相当数の増加が続き、その結果が出る1月以降、年末商戦時期という季節要因を考慮するなら1月分も見た上での判断、ということなども考慮すると、やはりテーパリング開始時期は早くても来年3月以降、というのが妥当な線のようにも思えます。
NY市場、金相場はわずかに0.28%反発。低調なADP雇用報告の結果に1,360ドル寸前まで上昇し、引け後のFOMC声明文では現状維持も若干タカ派よりの印象から株価とともに軟調推移、一時1,330ドル台まで売られる展開。これで1,350ドル台から1,360ドルで上値を押さえられる状態が一週間継続。この間の下値は1,330ドル以上、終値では1,350ドル付近と狭いレンジでの横ばい推移。徐々に上昇圧力は減退方向。1,330ドルを割れるようなら少し大きめの調整が入る可能性も。上値目標1,410ドル台は維持。
プラチナは1.23%の反発で1,481ドルまで上昇し、2週間前に点灯した上昇サインの目標水準1,480ドル台にようやく到達。しかし明け方には金と同様に反落の流れで1,460ドル台へ。1,430-50ドルの水準でしっかりとサポートされて反発できるようなら、上値余地は1,510ドル台まで。
ドル円は0.33%上昇で4日続伸。FOMCを受けて98円付近から98円台後半まで急騰。その後も98円台半ばでの推移。98円20銭台の軽めの節目を超えたことで98円台後半へと上値余地は拡大。現状では90日移動平均線が抵抗線となる可能性も。この近辺をしっかりと超えて99円台付近まで上昇することができれば、さらに大きく円安ドル高方向へと動き出す可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円10/30 NY市場終値とチャート
国内、金価格は0.11%反発。4,420円近辺の目標水準到達とNY市場の減速傾向による影響を受けてやや停滞気味。サポートラインは4,350円、上方向には4,500円近辺が次の目標。
この10月は前月末比+20円(+0.46%)の小反発。
プラチナは0.61%上昇の5日続伸。予想通り4,800円手前までは比較的スムーズに到達。10月16日以降の12日間で上昇10日、下落は2日のみとやや一方的な流れとなっており、若干の調整も。上値目標水準4,820円近辺。サポート水準は4,660円。
月間ベースでは+143円(+3.07%)の反発。
※参考:金プラチナ国内価格10/31とチャート
2013年10月31日(木)時点の相場
国内金:4,412 円 10/31(木) ▲5(0.11%)
国内プラチナ:4,794 円 10/31(木) ▲29(0.61%)
NY金:1,349.3 ドル 10/30(水) ▲3.8(0.28%)
NYプラチナ:1,479.9 ドル 10/30(水) ▲18.0(1.23%)
ドル円:98.51 円 10/30(水) ▲0.33(0.33%)
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