更新日:2014年2月20日(木)
今朝発表された中国のHSBC製造業PMI(購買担当者景気指数)の2月分速報値が48.3と下振れしたことを受けて、豪ドルが対米ドルで急落、南アランドなど一部の新興国通貨も下落、ドルは対ユーロで下落、対円でも下落(ドル安円高)し、ドル円は102円台から101円台後半へ。リスク回避の流れとなっています。
1月分の速報値が発表された1月23日には、半年ぶりに好不況の分かれ目となる50を割れたことでリスク回避の引き金を引き、その後の新興国通貨の急落による混乱を招く結果となっていました。そして今月はさらに低下して49割れ。中国経済の減速懸念が高まることになりそうです。
かつて10%超の経済成長を続け、世界第2位の経済規模にまで拡大してきた中国の景気減速に伴う影響度合いも今や世界規模。中国の成長とともに景気拡大してきたオーストラリアの通貨、豪ドルの中国経済指標への感応度は日に日に高まります。欧州との貿易額も大きく、結びつきが深いはずですが、ユーロは対ドルでは買われます。米国債保有額世界一の中国に対する懸念を抱える米国のほうがリスク度合いの認識が大きい、ということでしょうか。
不動産バブルの崩壊が懸念され、シャドーバンキングによる理財商品のデフォルトも出始め(これ自体の不透明感とこれによる影響も限定的との見方もあり)、景気減速が進むようなら、リスク回避の流れが起きやすくなりそうです。
かつて(今でも?)日本が米国に対してそうだったように、中国がくしゃみをすると、アジアの新興国やアフリカその他結びつきの強い新興国は風邪を引いてしまいます。米国のテーパリングによる新興国への影響だけでなく、中国の景気減速による新興国通貨安や混乱への影響も市場の懸念材料となります。
NY市場、金相場は10日ぶりの反落。終値では0.3%の小幅下落も引け後に公表されたFOMC議事録内容でテーパリング継続とタカ派よりの内容が確認されたことで10ドルほど急落、しかしフォワードガイダンス見直しによる低金利継続観測もあり、今朝は1,310ドル近辺での推移に。右肩下がりで1,308ドル付近に位置する200日移動平均線を一度は上抜けたもののすぐにライン上まで戻ってきた状態。もう一段の調整なら200日移動平均線がレジスタンスとして効いていたことになり、今後も上値を押さえられやすくなるポイントに。逆にここから再上昇に向かうなら200日移動平均線がサポートラインとなった可能性。
プラチナ相場は前日比変わらず。しかし金と同様、引け後に反落で1,410ドル近辺へ。1月後半からの急落値幅の61.8%戻し1,430ドルまで上昇して反落、38.2%ラインの1,408ドル近辺まで調整が進んだ状態。レンジを形成するには程良い加減。
ドル円は0.05%の小反落。この日も102円台前半を中心に小動き。米1月住宅着工件数の下振れに反応してドル売りが進んだ場面ではレンジ下限の101円80銭台で反発、FOMC議事録でのドル買いでもレンジ上限やや手前102円40銭台で反落。短期的にはこの上下の節目が超えられない状況。材料待ちの状態がもう少し継続か。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/19終値とチャート
国内金価格は0.47%の続落。2月3日の4,266円から18日の4,531円までの上昇値幅の38.2%戻しライン4,430円付近に9日移動平均線もあり、この辺りが調整目安の有力候補。浅めの調整で23.6%戻しの4,468円程度までの可能性も。
プラチナも0.49%の続落。4,870円を上方向の節目とする調整局面。4,820円程度から4,800円の大台近辺で調整を終え、上方向の節目を突破するような展開となれば再び大きく上昇する可能性。調整が続くようなら水平状態の90日移動平均線が位置する4,750円近辺が目安に。
※参考:金プラチナ国内価格2/20とチャート
2014年2月20日(木)時点の相場
国内金:4,489 円 2/20(木) ▼21(0.47%)
国内プラチナ:4,833 円 2/20(木) ▼24(0.49%)
NY金:1,320.4 ドル 2/19(水) ▼4.0(0.30%)
NYプラチナ:1,424.5 ドル 2/19(水) +-0.0(0.00%)
ドル円:102.30 円 2/19(水) ▼0.05(0.05%)
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